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水道の公益化と民営化 5 [水道]

 近藤さんのお話の最終稿です…  kawakami

 ☆ なぜ広域化するのか
 これを強力に推進しようとしているのが総務省です。なぜでしょう。前述の官民連携で述べたように企業の儲けのためです。儲けるとなれば、シェアの拡大が必要です。料金の値上げが必要です。コストを下げることが必要です。この条件を満たすために、第一は広域化が必要なのです。

① シェアの拡大について
 政府は広域化を、県単位で考えています。1~数事業体程度にしたい。香川県は全県を統一して1事業体にしました。大阪は大阪市を除く地域を1事業体に広域化しました。このまま広域化が進むと現在の10分の1程度になるだろうといわれています。

② 水道事業体は大きく3つの事業があります。
 ▼ 水道用水供給事業…ダム等から浄水場まで届ける
 ▼ 水道事業・・▽上水道事業・・浄水場から各家庭まで届ける・・5000人以上
▽ 簡易水道事業・・山間地などの小規模水道事業で、今までは経費補填を財務省が行ってきました。その財務省が経費削減のため上水道と一緒にせよと迫っています。
 ▼ 専用水道

③ 巨大ダムを水源としたのが誤りであったこと
1970年代 高度成長の波に乗って過大な水需要を予測し、水が足りなくなると危機感k
をあおり巨大ダムを造ったのが過ちの原因です。この水需要予測は国土交通省が作ったのですが、今になっても変更しようとしない。(このことで袖ケ浦も8万人の人口増を見込んで報告したので、その予測水量が現在も送られてくる。実際はこの49.5%より使われていない。)もし3割水需要が減ったら、用水供給企業団はつぶれてしまう。
 これを作ったため、自己水源を持っていたものまで切ってしまった。
 川崎など浄水場で10万トン扱っていたものを廃止して、巨大ポンプで地下水を吸い上げ
利用するといった無駄なことをしている。
仙台は県全体で55万トンの供給用水を準備したが、半分の25万トンより使用していない。そのうち仙台市が10万トンおつきあいで使っているから何とか持っている状況

◎ 広域化にすると自治体の議会への報告は必要がなくなる。したがって住民の声は一切聞く必要はないし、届かなくなる。しかし広域化ができても、香川県では、議員で頑張っている人もいて、現在ストップをかけています。私たちは、対案を提示しています。具体的には自治連のホームページに掲載しています。是非見てください。

☆ 世界の状況
 最後です。世界では再公営の動きが大きな流れになっています。そしてその認知度は高まってきています。ヨーロッパでは、新自由主義で失われたものが再公営で復活しつつあります。
特にびっくりしたのは、フランスでは、水道だけでなく農業部門でも公営化が進んでいるのです。安全な食料を子どもたちの給食に届けたいという運動です。
水の問題では、再公営の時に、市民参加型の統治システムを創り上げました。そこで生まれたのが「炭酸水」の給水事業です。噴水までも公営水道が経営するようになりました。
ヨーロッパでは、格差と貧困が明らかになるにつれ「水は人権」の意識が強まってきています。

☆ 再度、浜松はなぜ止まったか
 最終的には3万人の署名を集めきったこと。600人の集会を実現したこと。浜松で200人の抗議デモ行進が行われたこと。ここにきて、市長選への影響も考えて、「このままではやばい」と延期を決定したのです。

 水の問題は、憲法にある生存権の問題であること。それを守ることは自治の基本であること・・・私たちは「ライフラインを住民の手に」を合言葉に、これからも頑張っていくことを決意しています。ありがとうございました。

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