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水道の民営化と広域化 2 [水道]

 水道の民営化・広域化は何をもたらすか
  水道事業の現状と水の公共性を考える。 自治労連公営評議会事務局長 近藤夏樹

 33年間名古屋の水道に勤めてきました。上水道畑で3か所の浄水場を回り、監督部署に移り現在に至っています。全国的には、私のような1か所に勤務を続ける人は減ってきています。一般部局との人事交流と称して、水道とは関係のない部局に変更になる。名古屋ではそのような人事はしないように進言し実行されているけれど、全国的には水道の専門的な技術がどんどん失われつつあるのが現状です。
そうするとどうなるのか。「市民のための水道を考えることができなくなってきている」これが現実の姿です。

★ 国の進める広域化
 袖ヶ浦に2年前に所用できたことがあります。既に広域化が進んでいる状態なので調べてみました。
 東京湾の周辺は、地下水の非常に豊かな地域です。ですから井戸が水源になっています。それが、県・国の政策に従う形で大きくシフトされてきました。井戸水がダム水源に変わったのです。井戸水水源よりも高い水を知らぬ間に買わされるシステムに組み込まれたのです。水は選択の余地はありません。
 広域化してもコストは下がることはありません。それでも国はさらに広域化を進めるべく準備しています。

★ 安全な水を作るうえで必要なこと
 私たちは、水道のことを論議するとき、「このことには反対だ」とは決して言いません。こういう言葉を使うと、返ってくる言葉は「既得権擁護のためだろう」という言葉です。それは私たちの本意ではないので、対策は示さず「皆さん、考えてみてください」と問いかけることにしています。
「おいしい水ってどんな水を言うのでしょう?」
「なぜ水道水は安全なのか考えてみたことがありますか?」
というように・・みんなに投げかけ、みんなで考えることをすすめています。
 安全で美味しい水を作るには、一定のコストと、人材と、それに伴う技術がぜひとも必要だということを、わかってほしいからです。

★ なぜ水は公営化であったのでしょう
 基本は憲法第25条に「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。国会論議では、どの大臣もこの項目を引き出し水道公営化の理由としてきました。しかしこの生存権が民営化を進めるうえで邪魔になってきたのです。

★ コンセッション方式推進に当たって
 竹中平蔵という自分で企画し、自分で具体化し儲けている人物がいます。彼は水道を商品化しようと考えました。
 政府資料の中に「トップセールスリスト」というのがあります。そこにはコンセッション方式を具体化して行くうえで、必要な条件とそれに該当する地域名が書かれています。人口が一定数以上であり将来的に減少率が20%以下であること。利益が確保できる地域であること。そこで上がった名前は
浜松市(市民運動で延期表明)大津市、仙台市(ここは知事が先頭に立って推進しようとしている)等の名前が並び、大阪、奈良などの地名もあったのですが、議会で否決されました。
 その他は、(がずさ企業団も含めて?)の地域は、コンセッション方式成功事例として扱われる程度。
                           (明日に続く)

 

 

 

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