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JR久留里線存続に向けての意見書 5 [JR問題]

 [最後に]

 今回のJR東日本千葉支社からの申し入れ、そして検討協議会の設置、住民説明会の開催は、ショック療法の第一弾としてはある意味劇的な効果があったといえる。県及び沿線自治体、当該地区住民はもとより沿線の各住民が、いよいよ真剣に考え行動を起こさなければならない、との認識が広まったことは間違いない。

 住民説明会でJR東日本千葉支社が示した資料の「まとめ」にある、「鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できていない状況」の原因とは本当は何なのか、現状を改善する施策はまだあるのではないか。「公共交通を持続可能なものとし、沿線地域の発展に貢献し、利便性が向上する交通体系のあり方を総合的な観点から検討する必要」とは、本音は何を意味するのか。

「引き続き沿線地域の活性化等に貢献」とは、具体的にどのようなことなのか。
結論的に「久留里線久留里~上総亀山間について、沿線地域の総合的な交通体系に関する議論を行いたいと考えています」とは、久留里~上総亀山間の運行廃止、もしくはバス路線への転換へ合意形成のためのアリバイ作りではないのか、と努努疑われることがあってはならない。

 これらの疑問を払拭し、沿線住民の総意と言っても過言ではない、まずは久留里線の存続と久留里~上総亀山間の運行充実を実現するために、検討会議での真剣な議論と関係者の総力を挙げての取り組みに期待したい。

 JR東日本としても、袖ケ浦市で行われた長浦駅、及び袖ケ浦駅の駅舎と自由通路の改修並びに周辺整備に、約23億円及び約25億円の多額な投資が実施された経緯を忘れてはいないと思う。併せて民間地権者と協力して行われた袖ケ浦駅海側のまちづくりや椎の森工業団地二期工事の進展により、両駅は内房線で唯一乗降客が増加している、ないしは減少が避けられているはずだ。木更津市も金田地区等のまちづくりの成果で各駅の乗降客の減少が抑制されていると思う。全国各地で、JRと自治体、地域住民がスクラムを組んで鉄路の生き残りを模索している実例は数多くある。
このまま当該区間の路線廃止、バス路線への転換等へ向かうことになれば、JR東日本は貴重な経営資源を失い、地域の信用を無くし、今後展開していくであろう企業としての多様な事業経営にも支障をきたさないか、老婆心ながら心配だ。

 国、県及び各市についても、住民の願いを実現していくという行政・地方自治体本来の役割を放棄することになり住民の信頼を失うことになる。
 もちろん高齢化と孤立化が進む沿線住民にとっては、鉄道という頼りがいのある足の便を失い、かつ、地域全体としても大きなダメージを受けて、最大の被害者になることは言うまでもない。少々意味は違うが落語の「三方一両損」となってしまい得をする者は誰もいない。
 したがって、JR東日本におかれては、近江商人の経営哲学のひとつとして広く知られている「三方よし」の精神、つまり「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそ良い商売といえる」という考え方に立脚し、検討会議に臨んでもらうことを心から希望する者であります。
                                      以上

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JR久留里線存続に向けての意見書 4 [JR問題]

 [欠かせぬ地域の協力と行政の支援]

 これまで久留里線存続のための利用客の増加策を中心に述べてきたが、改善策を実行するためには、JRへの要求のみでは無責任で効果も薄く片手落ちだ。
誘客のためのイベントや利用促進策への運営・助勢などに地域や関係者の積極的な関与と協力が不可欠で、国や自治体の具体的な支援も欠かせない。

 そこで先に述べたように、現在はオブ参加の内陸部で人口減少の課題を抱える木更津市と袖ケ浦市を正規メンバーに迎えるとともに、沿線の商・観光事業者、地域住民やボランティアなど幅広い関係者も会議に加え、理解者、協力者を増やす体制を整えていくことが必然となる。実質的に休眠中のJR久留里線活性化協議会も並行して動かし活動を充実していかなければならない。
 沿線住民の皆さんは、これまで列車の利用は無論のこと、各駅等の環境整備などにも協力してきたが、それらに加え、イベント列車の沿線や駅等での歓迎活動、参加者の案内・誘導ボランティアとしての活動、知人・友人はもとより全国へ向けて久留里線と地域の魅力のSNS等での発信など、各人ができる「おらが鉄道」を守る活動を広げることも必要だ。そのための住民同士の話し合いと連携も重要となる。
 商・観光事業者の皆さんも、これらと呼応して、駅近での新たな事業展開、自らの施設や店舗でのイベントへの賛同・協力、久留里線を絡めた新たな商品やサービスの開発など、行政も含めて地域と事業者が一体となって協力関係を構築し活性化に尽力してほしい。

 国、県及び沿線各市自治体は、具体的な支援策を検討すべきだ。
全国で、ローカル線の鉄道経営は苦戦している。また、日本の人口減少も止まらない。
しかし、このまま赤字路線を切り捨てることはやむを得ない、との認識に立てば益々地方は疲弊し、首都圏など大都市に人口は集中し日本全国の大部分の地域が過疎化へ向かうことになる。
それを食い止めるために国は、当該の自治体と住民・関係者が頑張っている地域には、鉄道の運行改善策や地域の活性化のために、まちづくり交付金や特別交付金の措置などの支援策を検討すべきである。
 また、県においても、そもそも久留里線は県営鉄道として開業した歴史があり、また北総鉄道に財政支援した過去の経緯と実例がある。国や当該の自治体と連携した財政支援を含めた具体的な支援策を講じることも責任の果たし方の一つではないかと考える。
 さらに、沿線各市自治体も協力連携した支援策を講じるべきだ。
検討会議の遡上の地域を抱える地元君津市は、まちづくりや地域の活性化策、観光施策やイベントへの協力などは当然として、この地域の抱える課題の解決策と地域イメージの低下を避けるためには、この問題を市政課題のど真ん中に据え様々な施策を実施していく責務がある。また、そうでなければJRはもとより他の自治体の協力を取り付けることも不可能だ。

 木更津市も袖ケ浦市も今回の事例を対岸の火事とは思ってもいないだろうが、先に検討会議の正規委員となるべきと述べたように、積極的に検討に加わり連携して支援策を提案すべきだ。
 木更津市は、過去にも現在も上総地域の政治・行政、経済・商業、観光・文化の中心であるが、それは久留里線を利用し沿線からの人と物の供給、行き来が一面を支えていたとも言える。
 したがって、馬来田地域や清川地区の人口減少も抱えていることをも考慮すれば、この課題にも正面から向き合い地域のリーダー都市としての責務を果たしていくことが肝要だ。

 袖ケ浦市も内房線沿線の都市整備が進み人口増加を生み出してはいるが、久留里線沿線の平川地区、根形地区においては、若い世代が長浦・昭和地区に転出する市内移動による人口減少が生じ、幼児教育の拠点として唯一残されていた市立中川幼稚園の閉鎖も決定され、沿線の過疎化が益々進む様相となっている。偏った都市政策であるとの批判を避けるためにも支援策を具体的に講じるべきである。

 そもそも住民の足の便の確保のために、自治体が自らコミュニティ交通を運行したり、民間のバス等に財政支援することは行政施策の選択肢として当然であり、上総地域の各市ともに年間数千万円単位で赤字路線バスの財政補てんをしている事実がある。しっかりとした改善計画と検証を可能にすれば、住民代表で構成されている議会にも理解を得られるはずである。                               (つづく)











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JP久留里線存続に向けての意見書 3 [JR問題]

 [地域資源を活かしたストーリー性・連続性のある集客方策について]

 もちろん、事ここに至るまで、JR東日本千葉支社も傍観していたわけでなく様々な経営努力を重ねてきたことも承知している。過去には駅の無人化やワンマンカーの導入などの合理化策、また、資料にある各種の利用促進の取り組みをはじめ、直近では昨年秋のプロレス列車の運行や久留里駅隣接会場での房総地域の歴史ロマン小説「阿久留王」の著者による二日間にわたる講演会、本年春の君津市久留里新酒まつりとタイアップした駅からハイキングなどの仕掛けである。小生も列車を利用し講演会及び新酒まつりにも参加したが、講演会は房総各地に残る歴史的史跡や伝承などの講師の話に聞き入る近隣市はもちろん遠方からのJR利用での来訪者を含め満席であった。新酒まつり当日も、行き帰りの列車は込み合い、久留里駅を降りると各蔵元での新酒の飲み比べや旧藩士邸でのお茶席、街や史跡を散策する多くの来客で賑わいその効果を実感した。

 久留里線沿線には、検討対象区間はもとより、各地域に自然と住民が育む多様な地域資源が数多く存在する。
 特に前述の久留里駅周辺は、今、新旧の飲食や街歩きが魅力的だ。駅前広場には銘水を汲める井戸があり、リニューアルされた酒ミュージアムでは、久留里の蔵元を始め上総八蔵の地酒を試飲できる。
朽ちかけた狭いアーケードをくぐるとマスコミにも登場した素朴な町中華屋が繁盛し、地域の歴史的伝統工芸品である雨城楊枝の教室も覗ける。駅近にはアジアン雰囲気のタイ料理店、独特の田舎の雰囲気とそれぞれの味を醸し出す複数の手打ち蕎麦屋が客を呼び、商人宿を改装したコーヒーとケーキが人気のカフェには若人が集い、少し歩くと新規に開店した紅茶カフェレストランも女性に人気だ。
 この他にも独自の味と雰囲気を持つ食堂、レストラン、カフェが歴史を感じさせる旧街道筋に軒を連ねている。街道からトンネルをくぐり旧藩士が登城したであろう急な坂道を上ると展望が魅力的な久留里城と資料館が存在し、眼下に望める新井白石居住跡、黒田直養公の墓、土屋家の五輪塔などの史跡や寺院をめぐる旧城下の街歩きも同好者の興味を誘う。さらに足を延ばすと、周辺にはキャンプ場や新鮮野菜・果物等の直売・観光農園なども点在する。

 平山駅に下ると、知る人ぞ知る昔ながらの味を頑固に守る焼きそば屋がある。
上総松丘駅では、駅周辺の集落を抜け日本の原風景と言える山間の農村地帯を行くとSNSで人気で遠方からの客が列をなす村のピザ屋と蔵を改造した釜めし屋にたどり着く。
 終点の上総亀山駅から歩き出すと、日本一遅い紅葉で知られた人造湖の亀山湖、笹川湖があり、三石山やインスタ映えで有名な濃溝の滝(亀岩の洞窟)を繫ぐと絶好のハイキングコースで、秋の紅葉、桜の春、新緑の初夏と季節を問わずに魅力を堪能できる。濃溝の滝まで足を延ばすと帰路の足が心配だが、鴨川から千葉方面に向かう高速バス(カビ―ナ号)に君津ふるさと物産館のバス停で乗車しそのまま千葉方面に向かうもよし、久留里の駅近で降車し久留里駅から再び列車に乗り換えることも可能で小生も同様に利用した。

 また、周辺には独特の色合いの温泉を楽しめる特徴ある施設が存在する。
亀山温泉は、房総ではお馴染みのヨード分を含んだチョコレート色の源泉かけ流しで、宿泊宿はもちろん、日帰り利用やグランピング施設もある。濃溝の滝近くの濃溝温泉千寿の湯も源泉かけ流しで重炭酸ソーダ泉の日帰り施設だ。さらに、亀山からは徒歩では若干距離があるが、久留里からデマンドタクシーを利用すると緑の山に囲まれた素朴な温泉宿七里川温泉にたどり着く。小生は、小グループにて近くの石尊山に登り露天風呂もある硫黄温泉で疲れを癒したことがある。

 上り列車で木更津方面に向かい馬来田駅で下車すると、うまくたの道は万葉の歌碑が設置され、季節によっては菜の花やコスモスが咲き湧水で有名ないっせんぼくにたどり着く、その先にはいくつもの特徴あるブルーベリー園が摘み取り客を待っている。
 さらに東横田駅では、イルミネーションなどイベント開催時期に東京ドイツ村に徒歩で向かう若者が列を成す。ドイツ村からは頼朝伝説に登場する万騎坂や市原市境の御所覧塚も近く、そこから鎌倉街道を行くと、国史跡の山野貝塚や袖ケ浦公園を経由して内房線の袖ケ浦駅、長浦駅へのハイキングも可能だ。
 この他にも、沿線地域には民話や伝説に基づく寺社や史跡、山城などが多数存在し、乗客を誘導する地域資源は豊富だ。

 しかし、これらの地域資源も単独では集客効果が限定的で、収益を改善し得る効果を生み出すためには、個々の魅力を繋ぎストーリー性を持たせるとともに、これまでのように単発でなく、四季折々に連続的・定期的に仕掛けることが大事だ。また、再三指摘されているとおり、現行のイベント列車は久留里駅までの限定的な運行となっているが、これを上総亀山駅まで延伸させるとともに、折角の魅力ある地域資源の利用を阻害している久留里・上総亀山間の便数削減も見直し、地域住民のみならず潜在的な観光客などを掘り起こすために利用しやすい便数に復活させることも検討すべきだ。

 さらに、駅からの回遊性を創るためのコミュニティバスやタクシーなど他の交通機関との連携やレンタサイクルの充実も図るべきだ。久留里駅に設置されたレンタル自転車も、内外への多様な発信による周知方策の充実と地域や事業者の協力を得たモデルコースの設定などのさらなる工夫が必要である。
民間とのコラボで、閉校した学校施設等の利活用も考えられる。さらに、何度でも乗り降りできる一日周遊券や、列車でのイベント参加者へJR関連施設は無論のこと地元商店や施設等でも利用できるポイント還元策とその周知方法の充実も検討すべきだ。加えて、恒常的な列車利用者も大切にし、行政の協力の基に駅近の公共施設や遊休土地などを活用した無料の駐輪・駐車場を各駅へ整備するなど便宜を図っていく必要もある。

 以上これまで述べてきた沿線地域の魅力や多様な地域資源、JR東日本千葉支社が実施している施策や仕掛け、自治体の取り組みなどについて、沿線住民だけでなく全国、外国人に向けても発信できる手段として、スマホやパソコンでいつでも検索出来るユーチューブ動画配信による久留里線専用チャンネルを設けるとともに、一般の人への投稿も呼びかけると認知・周知度は格段に向上すると思う。
(つづく)


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JR久留里線存続に向けての意見書 2 [JR問題]

 [住民説明会の運営改善について]

 住民説明会で示された資料や説明内容ついて、参加者から呈された疑問や意見についても真摯に応えていく必要がある。
 例えば、「久留里線の経費や収益の算出方法等について」疑問が呈されたが、全国的な算出方法である、との回答で、質問に正面から答えたものでなく、会議設置の理由の一つに収益率の低下を暗ににじませたJRの主張を踏襲するもので疑問が残った。
 また、「久留里・上総亀山間の利用客が減少していることについて、効率的な運営の名のもとに列車本数を大幅削減したことが一因で、利用したくても利用できない状態となっている」との声にも明確な回答はなかった。
 この点はまったく同感で、経営効率に重点を置こうとしているように見えるJR東日本本部当局と沿線住民の実態を理解しようとしている久留里線を統括する現場事業所の思いとのかい離が感じられた。
   
 また、今回の住民説明会における会議時間の設定にも主催者の住民に寄り添うきめ細かい姿勢の欠如が如実に表れていた。
 つまり、当日説明会は14時30分から開始であったが、久留里地区が該当になっているものの第1回目及び2回目に参加できなかった亀山・松丘地区からの参加者も想定される中で、亀山方面から久留里駅への到着列車は、午前中の9時9分以降は14時54分到着まで無く、検討会議の俎上になっている地区から久留里線を利用しての参加は事実上無理であった。
 小生も久留里線を利用し参加したが、この機会に上総亀山まで下り地域散策をした後に再び上り列車を利用しての参加を検討したが叶わなかった。数多く出された沿線住民からの切実な要望と意見、並びに後段で述べるが該当地域の豊富な地域資源の利活用にも水を差す結果となっていた。

 さらに、説明会の運営にも改善が必要だ。会議の参加者からは、久留里線(久留里・上総亀山間)の存続へ向けて、住民の思いからの様々な観点から質疑や意見・要望・アイデアが次々と出され予定時間を大幅に超過した。
 しかしながら、同じ観点からの同様の趣旨、第1回目及び2回目に出されたものと重複していると思われる内容も散見された。説明会冒頭に司会者から口頭やプロジェクターで前2回の説明会で出された項目の紹介はあったが、事前に概要を整理し紙面にて当日参加者へ配布するなど、事務局の労力を惜しまない姿勢も必要であった。

 また、限られた時間の中で多くのことを訴えたいとの参加者の思いをかなえるためには、文書での事前提出も可能とすべきであった。これらによって、会のより効率的な運営が可能になり、さらに多くの住民の声に耳を傾けることかできたと思う。司会者の対応についても苦情が発せられたが、司会者はあくまでも会の進行役に徹すべきで、発言者の趣旨は来場者それぞれが個別に感じるべきものであり、整理しすぎたり回答役と誤解される対応は避けるべきであった。
 また、質疑の内容からして回答は主にJR委員が行い、行政側の見解が示される場面は少なかった。まだ検討過程のためやむを得ない対応でもあったが、住民としては行政がいかに自分たち住民の思いを汲み取ろうとしているのか、その姿勢を確認したいところでもあったと思う。
 また、今後検討会議における検討が進展しその内容や経過について、再び住民説明会等を開催するに至った場合には、内容によってはその機会・回数、対象範囲を広げることも必要だ。
                               (つづく)










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JR久留里線存続へ向けての意見書 [JR問題]

 久留里線存続に関する意見交換会が7月から8月にかけて開かれ地元で議論されています。私も大事な問題として関心を寄せていたところ、前市長の出口清さんがこのことに関して意見書を出したと知人から聞き早速読ませていただきました。なかなか示唆に富む意見書でしたので出口さんにお願いしてこの意見書を当会のブログに掲載させていただくことにしました。  

 上記の文は、私たちの会の関会長からの文です。皆さんも是非目を通されて、久留里線問題に関心を持っていただければ幸いです。
                               令和5年8月3日
久留里線(久留里・上総亀山間)沿線地域交通検討会議
委 員    ○○ 様
委 員    ○○ 様
委 員    ○○ 様
委 員    ○○ 様
委 員    ○○ 様
委 員    ○○ 様
委 員    ○○ 様
オブザーバー ○○ 様
オブザーバー ○○ 様
オブザーバー ○○ 様
オブザーバー ○○ 様
住所 電話番号
出口 清

JR久留里線存続へ向けての意見書

前略、貴検討会議委員並びにオブザーバー各位におかれましては、標記課題を精力的に検討されていることについて敬意を表します。

さて、小生は君津市主催による7月15日(土)上総地域交流センターで開催された「JR久留里線(久留里・上総亀山間)の現状に係る住民説明会(久留里地区)」に、回覧で周知された該当の地域住民ではありませんが、久留里線沿線住民・利用者の一人として参加させていただきました。
その際、小生も発言の機会をいただき拙い意見を申し上げましたが、発言を希望する方も数多く,また時間も押しておりましたので十分意を整えた発言が叶いませんでした。
そこで、誠に僭越で恐縮ですが、今般改めて、説明会の運営、検討会議のあり方、さらにJR久留里線存続へ向けての方策等について、文書での意見具申をいたしたくよろしくお取り扱いをお願い申し上げます。

[現状認識、検討会議への期待と運用改善策について]
 JR久留里線の久留里―上総亀山の区間について、JR東日本千葉支社からの申入れを受けて、千葉県と君津市、JR東日本千葉支社の三者による検討会議が始まった。一方、急遽運動を始めた同線の存続を求める署名も沿線住民等の組織「久留里線と地域を守る会」からJR東日本千葉支社に提出された。
検討会議は、利用者減少に伴う経営環境の悪化を理由に、沿線地域の現状や課題を共有し、今後の同線を含めた交通体系のあり方をについて話し合うことが目的とされている。沿線地域の人口減少と車社会の進展、並びに利用者減少の現実を直視するとき、何らかのアクションを起こさざるを得ないことは理解するが、今後各委員が持つ豊富な知見や組織力を活用し多様な角度から検討され、沿線住民のみならず様々な利用者や全国に存在するJR応援団の願いでもある久留里線存続のための前向きな成果を得られるよう、沿線住民の一人としてノスタルジックな思いも込めて期待するところです。

 まず、検討を進めるにあたっては、検討会議規約第3条にある調査・検討事項はもとより、久留里線が今日まで果たしてきた役割と現状(経営状況等)について、正確な情報を基に検証し共通認識を図ることが重要だ。また、関係機関(者)や住民の理解を得るためには、会議の傍聴や議事録の公開は欠かせない。現在、会議が非公開となっている点について、事務局である千葉県総合企画部交通計画課に確認したところ、会議開催を伝達した記者発表において、非公開とすると説明したとのことであるが、このことは会議規約にも明示されていないし、第一回検討会議で確認された形跡もない。然るに、税を投入し行政が関与するからには会議の公開ないしは、最低でも議事録の公開は当然であるので再考を求めたい。かつ、今後の検討の内容や経緯についても、多様な手段を用い適宜透明性を持って広く知らしめることも大事だ。

 検討会議の委員の拡充と分科会方式の導入など、運用の充実・改善策も必要と思われる。
説明会では、久留里線の利用促進に向けて、多くの要望・意見・アイデアで出された。また、小生も地域資源を活かしたストーリー性・連続性のある集客方策として愚策を後段で述べるが、それらを整理・検討して実現可能な方策として展開していくためには、鉄道分野のみならず、まちづくりと地域の活性化策、バス等他の交通政策、観光や商業、地域の人々の生活、歴史や文化など、様々な分野の知見や地域事情に精通している人材の登用が必然となる。さらに、検討区間は、久留里・上総亀山間となっているが、改善策を実行していくためには、久留里線全体の利用促進策を合わせて検討しなければならないことの必然性はだれの目で見ても明らかである。 そのため、沿線に有効な地域資源を持ちながらも人口減少の課題を合わせ持つ木更津市並びに袖ケ浦市について、オブザーバーから正規の委員に格上げし、積極的に検討に加わってもらう必要がある。これらの委員を拡充したうえで、検討会議での議論をより専門的にかつ充実・深掘りしていくためには、分野別の分科会方式の導入や委員の皆さんによる地域の実情を把握するための現地踏査や聞き取り調査も必要と思われる。
                                    (つづく)


 
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