SSブログ
自治会 ブログトップ

自治会は今 その5 [自治会]

▼ 自立と共生
 
 朝日新聞の「自治会は今・・・」シリーズに触発されて、自治会が抱える問題点のうち、主要な事項について並べてきました。このほかにも、宗教にかかわる問題、特に神社の祭典を巡る寄付の事、老齢化による役員のなり手不在の問題、町内会構成人数の減少等・・いろいろ問題点はあるようです。

 しかし一方、こんなに優れた活動をなさっているのか…と驚いた自治体もあります。最後に、袖ケ浦市内で目の当たりにした自治体の様子をお知らせしたいと思います。

 会長さんにお会いして直接お聞きした話です。

「私たちの自治会では、市の言う『自立と協働』ではなく『自立と共生』を自治体活動のモットーにしているのです。自治体としては自立を、ご近所同士ですから、自助・共助を大切に楽しいご近所付き合いを中心に考えています。自分たちでできることはする。市には、地域の実情を訴え、できることはするができないことの援助、いわゆる公助は最後にお願いする・・こんな考えで運営しています。
 市には、私たちはこんなことに取り組んでいる、しかし、これこれの点については、ぜひ市にも援助してほしい・・と言う形になります。それでも年間100件ほどの要請書は出しています。」

 この自治会では「自治基本条例」の説明も、説明がすいすいと皆さんに理解された感じがしました。気持ちの良い集会になったことを記憶しています。

 自治会には、高齢化に伴う〈見守り運動〉などの新しい課題も出てきています。人生でご近所同士になった共に過ごす人たちです。自治会が、その名称そのままに、民主的な運営の下、信頼でつながりあう地域自治の活動体になることを願います。

kawakami


 
 

自治会は今 その4 [自治会]

自治会は今  その4

▼ 集票マシーン化した自治会

 もっと大きな問題とは何でしょう。朝日新聞では次のような問題を取り上げています。

① 「自治会長の肩書で、候補者の選挙事務所に応援の張り紙があった」これは群馬県伊勢崎市の話。「これだと町会の住民が皆特定の人を後押ししていると思われる」と怒って話してくれた婦人のことが掲載されています。
② 「集票マシンとしての利用」これはあちこちで聞かれます。副会長などが支援賛同の署名集めをしたり、役員会で推薦決議をしたり、ほかの自治会にまで行って、その自治会からは立候補者がいないので、そこの自治会の推薦要請をしたり・・・これは袖ケ浦でもよく聞かれることです。

 自治会組織を、選挙にまで悪用することは、民主主義の基本を揺るがすことなのだという自覚を持たなければなりません。地盤、看板、カバンの選挙は許してはならないことです。

▼ 地位利用と行政

 もう一つ怖いことは、地位を利用して、特定の企業の利便を図り、還元利得を図るような働きをする方を自治会長などにさせてはいけないということです。

 地位を利用しての、企業からの勧誘・あるいは親戚から頼まれて、企業立地に同意の印鑑を押し、行政も、それを無条件に認めての紛糾があちこちで起きていることはご承知でしょう。近くの鋸南町における残土問題など、町全体を揺るがす、行政に対する抗議活動にまで発展しています。

 原発立地地域での、自治会の悪用・・これもよく聞かれます。住民投票を首長が悪用し自治会を使って、圧倒的な賛同票を集め実現させる。自治会が行政の「しもべ」になったとき、戦前の隣組に変質します。

◎ 朝日新聞シリーズが提起した「自治会は今・・」シリーズでした。明日はまとめに、袖ケ浦市内で優れた自治会活動をされている事例も紹介し、本物の自治会活動とは・・ということを皆さんで考えるきっかけを提起したいと思っています。

自治会は今・・その3 [自治会]

 自治会は今・・その3

 ▼ 会費の差・・組織・・ごみ問題 
 袖ケ浦には180を超す自治体があります。自治体では会費を集めていますが、その会費の額がずいぶんと違います。少額のところは年間額3000円。最高のところは24000円というから驚きです。なぜこのように差があるのでしょう。

 このブログを書き始めましたら、早速投稿がありました。そのまま掲載します。

 私たちの町内会は年間の会費が24000円です。内訳は区費・分区費・町内会費・寄付もろもろが含まれています。他の自治会を調べてみると6-7000円前後でこんなに高い町内会費を収めているところはありません。
かと言ってそれを是正しようという声はなかなか上がりません。田舎の特徴ですね。自治会費について行政が指導してくれたらいいのかなと思います。
新しく転入してくる人もこれでは入会することもないでしょう。ゴミ出しについても自治会費を払っていないと出すことが出来ない・・これも変な話だと思います。税金は払っているのだから誰でもゴミは出せるはずなのでしょうけど・・。

 この投稿の中では、二つの問題が浮かんできます。
① 区費⇒分区費⇒町内会費+寄付・・寄付のことは昨日書きましたのでここでは省きます。
自治会の組織がいつの間にか、屋上屋を重ねたようになっています。屋根の上に屋根を重ねる無駄なことをたとえた言葉です。「自治基本条例案」づくりの時、多くの自治会に説明に歩いたことがありました。ある自治会の班長さんが、「どうぞうちでもやってください」と承諾したのですが、班の上の組織から「勝手にしてはいけない」と指示され中止になったことがあります。この組織はいつの間にか「上意下達」の組織になっていたようです。
 連合会というのがいつの間にかできて、その会館も建てなければならないと、寄付を積み立てているうちに収めない人も出てきて、寄付金が宙に浮いてしまって困っている自治会もあります。

② ごみの問題は大きな問題で、朝日新聞もこれを取り上げています。自治会には入りたく
ないけれど、ごみ処理のためにだけ入っている人がいるかと思えば、そういう人たちのため準会員制度を作り、ごみ箱使用を認めている自治会もあります。
法律的には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」というのがあって「自治会に入っていなくても一般廃棄物であり、市町村に収集や運搬の義務が発生する」という解釈であるということです。市によってはそういう人たちのための収集所を設置しているところもあるということを朝日新聞には書いてあります。

 ごみ問題はそれでも工夫すれば、何とかなりますが、屋上屋を重ねる組織問題は、なかなかそういうわけにもいかないようです。明日はこの問題が、もっと大きな問題を抱えていることにメスを入れましょう。(続く)


自治会は今・・その2 [自治会]

自治会は今・・その2

▼ 一連の義務的寄付の要請

 以前住んでいたところで町内会長をしていたことがあります。そこでも恒例の如く「赤い羽根募金」の時期が来ました。
「あくまでご本人の自発的意思による寄付で、強制ではありません」
という文書づきで例年通り行いました。

 ところが、ひと段落ついたところに、連合自治会長から、「貴自治会地域内での事業者からの特別寄付徴収委嘱について」という文書が来たのです。何かと思って読んでみると、
「町内会長として、自治会内の事業者宅を訪問し高額寄付の徴収に当たってほしい」という趣旨なのです。びっくりしました。直接連合町内会長あてお断りの手紙を出しました。

 「私は町内会の皆さんから選出されて、この地区の町内会長を務めています。私の業務の中に『赤い羽根募金特別寄付徴収』という業務はありませんしすべきではないと思っています。必要でしたら、『赤い羽根募金会』の役員の方々で行うべきでありましょう・・・」

 朝日新聞の記事の中には、転勤で移住した先で町内会から6万円の寄付を求められた話に始まって、社会福祉協議会の会費300円、公民館の地元負担金800円。年に2回ある水路掃除に不参加の場合は1回2500円・・・と言った事例が書かれていました。

 さて、この問題をどうお考えになりますか?自治会によっては、集めるのが大変だからと、一括徴収しているところもあるようですが、これは法律的には、最高裁で確定していることなのですが・・・・

 自治会費に募金を上乗せして徴収するとした総会決議は違法として、滋賀県甲賀市甲南町希望ケ丘の住民男性5人が、所属する自治会を相手に、決議の無効確認などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は平成20年4月3日、自治会側の上告を棄却する決定をしました(時事通信2008/04/03-19:42)。
 これで、「徴収は思想・信条の自由(憲法19条)を侵害する」として決議を無効と認め反対住民側の逆転勝訴の二審大阪高裁判決が確定しました。

 法的には最高裁決定です。でもそんなことにはかかわりなく、一括徴収を続けている自治会は結構あるようです。さてどうしましょう・・・判断はあなたです。

kawakami

自治会は今・・その1 [自治会]

今回も、会員のAさんから貴重な新聞切り抜きをいただきました。
「このシリーズは身近で面白いし、考えさせられれますよ・・」
との話です。少し前の朝日新聞に連載された「自治会は今」という記事です。この記事に沿って、袖ケ浦の自治会の現実に合わせながら(それは、各地域での実態の違いもあるので・・)、より良い自治体の在り方を考えるきっかけにでもなれば…と願い、いくつかの問題提起をさせていただこうと思った次第です。最初に私個人の体験から始めましょう・・・
                         Kawakami

 各自治会の今年度総会も終わり、新しい役員人事も決まって、活動に入られたことでしょう。もう全市の新しい会長さんが招集されて、市長から「市政協力員委嘱状」(名称不正確かも?)交付されたと思います。私は一度市民の意見欄に次のようなことを書いたことがあります。

「地域で選出され、一つの自治組織としての会長であれば、その活動の責任は選出してくれた地域住民に負うべきで、機械的・一方的に市政協力員に、委嘱とはいいながら任命行為を受けるのはおかしいのではないのですか?だからと言って市政に協力しないということではありません。袖ケ浦市まちづくりの理念は『自立と協働』です。市が自治会長に協力を要請するのではなく、市民と協働のまちづくりを願うのであれば、『市民協働推進委員』とでも名称を変更され、市と市民の協働を明確に打ち出されてはいかがですか。」

 この意見は一蹴されました。理由は忘れました。確か財政支出要件の関係などが書かれていたと思います。『自立と協働』と言いながら、一番自立していないのは行政側の意識にあるな・・・また一つその理由が見えた…とそのときに思いました。(続き)


自治会 ブログトップ