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県のだまし討ちに住職、怒るの巻 [産廃処理場]

 皆さんの水道水源である小櫃川上流に、新井総合の管理型産廃処分場があります。
ここはまた久留里の自噴井戸水の水源地でもあります。
ここに業者はさらに大規模な処分場を計画しています。
この計画に反対する市民により、「処分場から久留里までの地層を調べるため連続したボーリング調査を行うよう」
千葉県議会に請願を出し全会一致で採択されました。
そうしたら業者は久留里までの連続ボーリング調査を行わず、処分場内に簡単な井戸を掘ってお茶をにごそうとしています。
 この業者の言い分を千葉県廃棄物指導課はそのまま認めて市民の請願を全く無視しました。
県議会採択の請願の主旨をすりかえた業者と県当局によるだまし討ちに市民は怒り心頭です。
 これを知った久留里にある円如寺の住職の竹井宗弘氏が怒りの文をフェースブックに載せています。竹井氏の了解を得て掲載します。
        関 巌

【県のだまし討ちに住職、怒るの巻】

Q. 新井総合施設の処分場の第Ⅲ期ってどうなってるの?
A. 環境アセスが終了、林地開発の手続きもほぼ終了で、廃棄物処理法のもとでの許可申請が提出されて一年以上が経っていて、審査は最終局面に入っているというのが現実かな。

Q. もう第Ⅲ期が作られちゃうってこと?
A. わからない。県議会での請願採択の話は知っているかな?新井は「処分場が作られる場所の地層は、久留里の井戸の水を取っている層(地下650mくらい)よりも下を通っていくから、万が一汚水が漏れても大丈夫」っていう主張を繰り返してきたんだけど、それは本当なの?ってことで、アセスの際に、地元から、きちんと処分場から久留里までボーリング調査して、地層がどうなってるか客観的にはっきりさせて欲しいと何度も言っていたんだ。結局、新井も県もそこは無視して、新井の主張を認めるかたちでアセスを終えちゃったんだけど、その後いろんな資料にあたったらやっぱり怪しいだろうってことで、今度は市議会、県議会に、県が新井にちゃんとボーリング調査して安全かどうか確認するよう行政指導しろっていう請願を出したんだよ。そうしたら市議会でも県議会でも全会一致で採択されたんだよ。それで一応、去年の9月に指導が出て、後はまあ、それが歯止めになるかどうかってところだったんだけど・・・

Q. 結局ボーリング調査はするの?
A. 今年の県議会2月定例会での環境生活警察常任委員会の場では、「新井がボーリング調査の計画を持って来たけど、それに指導したら文書を持って帰っちゃったから、具体的な内容は話せない」みたいな答弁があったようなんだけど・・・

Q. 計画作ってるくらいなら、少しは希望が持てるんじゃない?
A. それがね・・・

Q. どうしたの?
A. 4月に入って、指導を受けて修正したボーリング調査の計画が県に提出されて、担当の部署から請願でお世話になった議員さんのところに届いて、それを見せてもらったんだけど・・・ボーリング調査っていっても、処分場から久留里までの地層を明らかにするためのものではなくて、処分場の敷地内でボーリングしてモニタリング井戸を一ヶ所増やすってだけの話なんだよ。

Q. どゆこと?
A. えーとね、廃棄物処理法による手続きの中で、専門家による審議会で処分場の計画を検討してもらうんだけど、事務局側で議会で採択された請願を委員に紹介したら、「地層が異なっていて、地層と地層の間に水を通しにくい層があったって、大丈夫とは限らないよ~久留里なんてあれだけ地下水が自噴してるんだから、相当の圧力がかかってるだろうし、下から上に水が動いて混ざるってことあると思うよ~」っていう指摘があったんだ。

Q. へー。ていうか今更??
A. 実はこの数年前、アセスの方の専門会の委員会でもそういう意見があったんだけどね、そっちはスルーされてて、よくわかんないけど今回はそういう意見が重視されることになったんだよ。それで、地層がどうなっているかにかかわらず、処分場から何かしら漏れ出たら久留里に影響があるって前提で行けってな話になったわけですよ。

Q. 議論の前提ひっくり返ってない?どうなるの?
A. 要は漏らさない施設にして、もし漏れても揚水井戸作って汚水汲み上げるとかして、敷地内で汚染を食い止めましょうっていう、フリダシに話が戻りましたとさ。それで、モニタリング体制を強化しようってことで追加で井戸を掘って、地質についての基礎資料もゲットしておこうって計画みたいだね。

Q. んー???でも新井はずっと地層の構造から漏れても大丈夫って話をしていて、それが吹っ飛んだってことなんだろうけど、そこのケジメはどう付けるの?
A. そこなんだよね。丁寧に段取りしていくなら、新井が住民向けにこれまでの地層についての見解の撤回について説明会を開くとか、県が新井に対しアセスの評価書き直すよう指導するとか、更に言えば新しい前提のもとで手続きを全面的にやり直させるとか、いろいろやることはあると思う。

Q. 県と新井はどこまでやったの?
A. 何もしてないよ。どうなってるんだってことで、この前県の職員の話を聞きに行ったら、処分場から久留里まで地層がどうなっていても影響が出る可能性があるのなら、もうボーリング調査しても意味ないでしょう、請願の趣旨は久留里の水を守るってことなんだから、漏らさないもの、漏れても対処できるものを作らせることが、水を守るってことですよね~みたいな論理展開してました。

Q. わかるようなわからないような・・・。
A. 住民も議会も知らないところ、県と業者の間だけでいつの間にか議論の前提がひっくり返されていて、請願を出した本人たちに何の断りもないまま向こうの理屈で請願を都合よく解釈して、ハイこれでいいでしょーって幕引きに向かっているんですよ。上手といえば上手ですよ。学術的な立場からの意見を使って、請願を無効化してるんですから。でもそれをこちらの知らないところで進めてきたっていうやり方は許せないですよ。大体、計画にかかわる文書の縦覧とか、自治体への意見照会とか、住民への意見公募とか、地元側とのやり取りが終わって、土壇場の土壇場、瀬戸際の瀬戸際にきて最重要の争点となってきたところの話がいつの間にかひっくり返されてたなんて、フェアじゃないですよ!!

Q. あれ?でも2月の議会だか委員会だかでボーリング調査の関係の答弁があったなんて話がさっきあったけど、その時は何も話出てこなかったの?
A. 県職員の話では、2月の時に持ってきた計画では、井戸を掘る位置がよくないから、変えるよう指導したんだって。つまりこの時点でもう地層の話はひっくり返って、請願無効化の方針になっていたんじゃないかな。答弁では新井が書類を持って帰ったから説明できないようなこと言ったらしいけど、そんなことないでしょ。答弁は課長がしたっていうから、じゃあ仕事の範囲が広くてそこまで把握してなくて説明できなかったのかなとも思ったけど、いつ書類を持ってきて、指導して、そしたら書類持って帰ったってところまで部下から報告受けてたら、当然その書類や指導の中身までわかってるでしょうに。そもそも課長なら審議会に出席してるから、審議の流れは知っているはず。まして県議会で全会一致で採択された請願もかかってくる案件なんだから、説明できない方がおかしいでしょ。委員会が紛糾するのを恐れて具体的なところは言わずにおいたんじゃないかってのが私の推測です。

Q. まあ・・・言いにくいだろうね(笑)
A. そうだろうね。でもあの答弁で、新井がボーリング調査の計画を持ってきたっていう話で、ああやっと少し前に進めたなあって思ったよ。私だけじゃないよ。この問題にかかわっている人たち、議員の先生方だって、きっとそう思ったと思うよ。2ヶ月、淡い期待を抱かせておいて、見事に人の心を踏みにじってくれたよ。県の連中は。「ボーリング調査」っていったら、当然、処分場から久留里までの地層の調査のためのものって思うでしょ。まさか敷地内で一ヶ所井戸を掘るだけのことなんて、想像しないよ・・・。

Q. これからどうするの?
A. 県のやり方が汚いってのは言ってやりたいよ・・・。だいたいあの請願、誰が出したって話だよ。私たちだよ。私たちが出して、それを議会が採択したんだよ。私たちと議会の意図するところ以外にあの請願の意図するものはないし、他人がいじくりまわす余地なんてないんだよ。その請願をどうして課長か室長かその上かわからないけど一介の県職員が手前の理屈で勝手に意図するところ捻じ曲げて幕引き計ってんだよ。それもこっちの知らないところで、業者と一緒になって。県民、議会への冒涜以外の何物でもないよ。県職員は請願は重いものと受け止めているって口では言ってるけど、どんだけ馬鹿にされてんだろう・・・。

Q. まあまあ。
A. 公務員が法律の縛りの中で働かざるを得ないこと、できることできないことがあるのは理解しているつもりだよ。だからきちんと審議会でこういう見解がまとまって請願の意味なくなっちゃうと思うんですがどうしますか?って連絡があればそれはそれで対応したし、指導しても業者はいうこと聞きませんでしたって報告があればそれはそれで受け止めるよ。正直にやってくれれば、例え許可が出されたとしても、職員を恨むようなことはないよ。でも今回は全く一線を超えてるよ。これまであちこちの反対運動調べていて、県の担当はひどい!って煽っているような文章読むと、そんな県の職員を悪者にしなくても・・・って思ってたけど、いざ当事者になってみると、冷静でいられないね。

Q. いやいや冷静でお願いします。
A. じゃあ冷静な話ね。そもそも処分場設置の審査で6キロ先の井戸への影響を考えるなんてのが異例中の異例だと思うよ。だから新井もアセスの方法書を出してきたとき、調査の対象に久留里の井戸なんて入っていなかった。それがまあ、普通なのかなとも思うよ。でも久留里は平成の名水百選だってことで、住民からも意見出して、それで方法書への知事意見の中で、久留里の井戸への影響も調査の範囲にしてっていう意見が含まれることになった。そこまでしてくれたのは、県のひとつの見識、良識だと思うよ。その後の議論が平行線になってしまったのは残念だけどね・・・。

Q. もう地層のことは議論する価値がないの?
A. どうなんだろう?県の考え方次第だけど、別に井戸を追加してモニタリング体制の強化を求める指導と、請願に基づくボーリング調査を求める指導と、二本立てでいいじゃんと思っちゃうんだけどね。ダブルスタンダードになるじゃんって言われそうだけど。あと、処分場がどうこうじゃなくて、自分たちが住んでいる土地の地層がどうなっているのかってのは知りたいよね。ていうか、そもそも名水の町とかいうなら、新井とか全然関係なしに自前でボーリング調査を行い、基礎的な資料揃えておいたらいいのにと思うんだけど。そうしないといつまで経ってもまわりに振り回されて後手後手に騒いでることになりそう。

Q. で、久留里の水はどうなるの?
A. どうなるんだろうね。どうなるのじゃなくて、どうしたいってことなんじゃない?
Q. どうしたいってこともないんですけど。

A. それが普通だと思うよ(笑)
(とりあえず完)



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