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「びゅうプラザの窓口」閉鎖 [JR東日本千葉支社の利用者切り捨て]

 公共交通に深い関心を持つ研究者として、このブログに登場する鉄道研究家の山ノ井さんのことはご存知でしょう。過日もう一人、袖ヶ浦市民の方が、このブログに登場したことも、ご記憶に新しいと思います。今回その方からの寄稿がありましたので紹介します。皆さんが気付かれないところを指摘してくれています。kawakami

 木更津駅・茂原駅・成田駅にある旅行カウンター「びゅうプラザ」が廃止される計画が明らかになりました。

駅の「みどりの窓口」は全国のJRの切符のほとんどを発売できる窓口ですが、旅行窓口である「びゅうプラザ」は更に取り扱い範囲が広く、JR主催の旅行商品やパックツアーを取り扱うだけじゃなく、飛行機の航空券も取り扱っています。パックツアーではなく個人で旅行に行く場合でも、旅の相談窓口として、旅行のプランの立案も受け付けています。旅に関するあらゆることを、特にJRについては一番精通して取り扱っている窓口です。

「びゅうプラザ」がどういう窓口なのかは、駅にJTBや近畿日本ツーリストのような旅行屋さんがあると思えばわかりやすいと思います。廃止対象の3駅では海外商品を取り扱っていませんが、千葉駅や船橋駅など、一部の駅では海外旅行や海外行きの航空券の手配も取り扱っています。通常のみどりの窓口では、基本的に旅行商品やパックツアーは取り扱っておらず、旅行ツアーや航空券はJRではびゅうプラザでの購入になります。JR東日本において主力商品である東北・新潟・北陸方面などの「びゅう旅行」の商品については、みどりの窓口では取り扱っていません。

 例外的に、袖ケ浦の人が身近に利用できる地元駅が主催する旅行として、久留里線沿線ふれあい号として運行されるお座敷列車や、正月の成田山初詣の団体貸切列車については、館山駅や君津駅、姉ヶ崎駅などのみどりの窓口で取り扱うことがあります。成田山への貸切列車は、和田浦や館山発で内房線各駅に停車して成田まで直通するもので、各駅に停車するので袖ケ浦駅や長浦駅でも乗降できます。成田山への貸切列車は、千葉支社にお座敷列車「ニューなのはな」があった頃はこれを使用していましたが、お座敷列車がなくなったため現在は特急さざなみの車両を使用しています。

 びゅうプラザのある駅は、みどりの窓口がある駅よりも更に限られており、千葉から下り方面には木更津、茂原、成田の各駅にしかありません。この計画通り、木更津、茂原、成田の各駅で廃止されると、千葉から下り方面のびゅうプラザはすべて全滅することになり、JRを使って旅行やツアーに行くのがとても不便になります。廃止されると、びゅうプラザの最寄りの窓口は千葉駅になり、袖ケ浦や木更津の人はもちろん、館山・鴨川や銚子といった房総の先端部に住んでいる人も、びゅうプラザを利用したければ千葉駅まで出向かなければなりません。廃止される影響は3駅近隣に留まらず、館山や銚子も含めた県内広域で不便が生じる大きな問題です。

 旅行に行く時の選択肢が、千葉駅まで行ってびゅうプラザを利用するか、JTBや近ツリといった他社を利用するかのどちらかになってしまい、房総半島に住んでいる人がJRで旅行に行きたい時にとても不便になってしまいます。

 特にJRが独占的に取り扱っている「びゅう商品」「びゅうツアー」を利用することがとても不便になります。

(※ 例外的な取り扱いとして、他の旅行会社でJRびゅうツアーの代理発券ができる場合がありますが、時間も手間もかかり現実的ではありません。)



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