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景観の持つ力とは何か 2 [小櫃川の水を守る会]

 川村先生は日本文学研究者である。当初平安・鎌倉時代の和歌研究が専門であった。40台になってふるさと甲府に戻られ農業を始められた。農業をすると、土と水の大事さを分かったところに、浄水場の近くにゴルフ場計画が浮上した。水源地である。勿論反対運動に飛び込み、幸いなことにゴルフ場は実現させなかった。これが本格的な運動に飛び込む契機となった。

 研究という書斎生活と、数多くある豊かな自然をもとにした文学作品との結びつきはできないのか・・と考え、そのカギは「景観」にあることに思い付かれた。それから夏休みには日本各地の景観破壊現場に足を運ぶようになる。それを小学館の月報にまとめ、更に高尾山トンネル問題について、連載を書いた。「失われた日本の景観」という本を出版したのは、「景観の力とは何か」について追及したもので、今回の話もこれを中心に話したい・・とのことであった。

 冒頭、地元富津市の浅間山(せんげん)喪失の話から始まった。近代文明はコンクリート文明である。コンクリートは骨材として砂が必要になる。千葉の山は隆起によって生成されているので良質の山砂でできている。そこに目を付けた業者により、次々と山砂は採取され首都圏に運ばれた。浅間山はその犠牲になり山一つが喪失した。

 更級日記には、千葉から富士山が見えることが書かれている。浅間山の頂上からは富士山が見えたに違いない。富士山は火と水を祭る神の山である。富士信仰は各地にあって、千葉県内にも10カ所ほどの浅間神社がある。消失した浅間山にも神社があって、山砂採取のため移設されている。

 近代文明により、自然は破壊されると同時に、民族的信仰の対象であった山が消えうせたことになる。

 鬼泪山(きなだ)という山がある。浅間山が消えた後、業者はこの鬼泪山に目を付けた。ここは国有地であった。さすがにここからの山砂採取は禁止されたと聞いた。鬼泪山の由来は、ここには鬼が住んでいてヤマトタケルノミコトによって征服され、鬼が涙を流したということからの命名であるという。この伝承の中には、東北が大和朝廷に組み込まれていく歴史・文化が口伝で残されているのだが、その民族の記憶・歴史・文化を消し去ることになる。

自然破壊とは、日本民族の歴史・文化の消滅にも繋がっていくことを意味している。惜しまれてならない。(続く)


景観の持つ力とは何か その1 [小櫃川の水を守る会]

 9月10日「小櫃川の水を守る会第30回総会」が開催された。30回総会とは30年間続けてきたということである。

 この30周年の記念講演に川村晃生先生をお招きした。
講師の川村晃生先生は、慶應義塾大学名誉教授で、専門は国文学なのだが、いつしか、文学作品に登場する日本の優れた景観を描いた作品から、その作品を生み出した景観が持つ力に関心を持つようになられた。全国を回られる中で日本の素晴らしい自然の景観が、次々と破壊されていくことに心を痛められ、自然破壊に対する抗議の運動に立ち上がっておられる。自然保護連合代表、リニア・市民連合代表などをされ、圏央道が貫いた高尾山の問題、リニア新幹線の問題など広く環境保全の活動を全国的に行っていらっしゃる。

甲府から駆けつけてこられた先生に、関会長が
「アクアラインを通られた方が近かったのじゃないですか?」
とお聞きしたら、
「日本最大の自然破壊の道は通る気になれませんよ。」
とさりげなく話されたという。関会長は頭をかきながら、この報告を冒頭講師紹介挨拶で話されていた。何かずしんとした重たいものを、この一言から感じたものだ。

先生の名刺には、元々は古典の文学博士のはずが、肩書きに「環境人文学者」とある。新しい分野を開かれ、ご自分で命名されたもののようだ。
明日は、お話の内容を紹介したい。(続く)




失われた日本の景観 [小櫃川の水を守る会]

 9月10日「失われた日本の景観」と題して、川村先生の講演が、袖ケ浦市市民会館で行われます。 

 講演の内容については次のように紹介されています。
「自然がいかに貴重で人間にとっても生態系にとってもかけがいのないものであり、今急速に自然が破壊され、また破壊によって失われたものがいかに大きいか」を再認識する。という内容で房総の自然を織り込んでの身近なお話がどっさりです。びっくりすること請け合いです。

 また、川村先生についての紹介では、次のように書かれてあります。
「慶應義塾大学名誉教授、全国自然保護連合代表、リニア・市民連合代表などをされ、圏央道が貫いた高尾山の問題、リニア新幹線の問題など広く環境保全の活動を全国的に行っております。
『失われた日本の景観』という本を一昨年著しており、この中で富津市の鬼泪山の砂利採取、九十九里浜の護岸工事などの自然破壊も取り上げております。」

 いま、リニア新幹線で生じる残土をどこに持っていくか・・が、ひそかに画策されていることをある方から聞きました。

 9月10日は、ぜひ袖ヶ浦市民会館においでください。

 当日日程は13:30~14:00  「小櫃川の水を守る会」総会(参加自由)

 講演は  14:00から始まります。聞き逃しのないように・・・

(クリックすると大きくなります)

川村先生講演会.PNG



さわやかな初秋講演会 [小櫃川の水を守る会]

 一つの集いと、『さわやかな初秋講演会」のお知らせをします。市民の皆様のご参加をお待ちしています。kawakami

◎ 石炭火力発電所建設問題意見交流会の開催

日時  8月30日(火)午後2時~4時
会場  袖ヶ浦市民会館  2F  フリールーム
内容  参加者による自由な意見交換会です
主催  原発さよなら千葉  市民が望む政策研究会

◎ さわやかな初秋講演会・・失われた日本の景観

日時  9月10日(土) 午後2時~
会場  袖ヶ浦市民会館 3F 中ホール
演題  失われた日本の景観

講師  講師  川村晃生(かわむらてるお)先生
 慶應義塾大学名誉教授、全国自然保護連合代表、リニア・市民連合代表などをされ、圏央道が貫いた高尾山の問題、リニア新幹線の問題など広く環境保全の活動を全国的に行っております。
『失われた日本の景観』という本を一昨年著しており、この中で富津市の鬼泪山の砂利採取、九十九里浜の護岸工事などの自然破壊も取り上げております。

▼ 当日は、午後1時半より「小櫃川の水を守る会総会」が開催されます。総会にもよろしければ自由にご参加ください。

▼ 主催 小櫃川の水を守る会  市民が望む政策研究会


失われた日本の景観 [小櫃川の水を守る会]

 袖ヶ浦市民を含め近隣都市市民の命のもと「小櫃川」その流れと汚染防止に力を尽くしてきた「小櫃川の水を守る会」総会と記念講演下記日程で開催されるのでお知らせします。ぜひ多くの皆さんのご参加を呼びかけます。なお総会は1時半から2時、会員外の方も参加自由です。

日時  9月10日(水)午後2時
会場  袖ヶ浦市民会館3F中ホール

講演  失われた日本の景観(君津周辺も含めて)

講師  川村晃生(かわむらてるお)先生

 慶應義塾大学名誉教授、全国自然保護連合代表、リニア・市民連合代表などをされ、圏央道が貫いた高尾山の問題、リニア新幹線の問題など広く環境保全の活動を全国的に行っております。
『失われた日本の景観』という本を一昨年著しており、この中で富津市の鬼泪山の砂利採取、九十九里浜の護岸工事などの自然破壊も取り上げております。

主 催   袖ヶ浦市民が望む政策研究会   小櫃川の水を守る会 
連絡先  関 巌 080-6741-0001 川上 0438-60-2610



盤州干潟(ばんずひがた)をご存知ですか [小櫃川の水を守る会]

 盤州干潟(ばんずひがた)という名前をご存知ですか?小櫃川の河口から東京湾に広がる、最大で1400haに及ぶ広大な干潟です。日本の重要湿地500指定地に含まれる東京湾最大の干潟のひとつです。

 この干潟をラムサール条約に登録させるべく、自然保護の諸団体が、熱心に運動を進めていることも、この機会に知ってほしいと思います。

 ラムサール条約とは湿地の保存に関する国際条約です。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で、1971年2月2日に制定され、1975年12月21日に発効しました。1980年以降、定期的に締約国会議が開催されているのです。

 日本では51か所が登録されていますが、そのうち千葉県ではただ一つ谷津干潟(1993年6月10日登録・習志野市)が登録されているだけです。

 盤州干潟と同じように、三番瀬もその候補に上がっています。現存する三番瀬は、浦安市の埋め立て地の東沖に位置します、江戸川(江戸川放水路)の河口付近の干潟および浅海域を指し、船橋市、市川市、浦安市、習志野市の沿岸に接しています。東端には船橋航路や千葉港があり、西端には猫実川河口や新浦安駅付近の埋立地が広がっています。埋立が進む以前は、より西側の旧江戸川河口付近まで干潟や浅海域が広がっていたとのことです。

 7月19日、全国自然保護連合加盟の3団体(三番瀬を守る会、千葉の干潟を守る会、千葉県自然保護連合)と小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会、日本湿地ネットワーク(JAWAN)」など計8団体で環境省に上記二つの干潟のラムサール条約登録に力を入れるよう要望書を提出しました。

 ラムサール条約登録で、一番の問題は「地元自治体の賛同」がカギになっていることです。
この点について同省は、「地元自治体などの賛意が得られなければラムサール条約 湿地には登録できない」と答えました。紋切り型の回答です。これでは、重要湿地は あいかわらず消失・悪化が進むことになり ます。ラムサール条約締約国としての責務を果たせません。

 すぐ近くにこのような貴重な湿地帯があることを、私たちはもっと多くの地元の人たちにわかってほしいと願っています・・・自然保護運動を進める団体からのメールにあった言葉を伝えます。

ラムサール条約登録を求めて.PNG





「小びつ川の水を守る会総会」案内 [小櫃川の水を守る会]

  「政策研」も団体会員になっている「おびつ川の水を守る会」の総会が開かれます。

8月24日(日)13時30分~16時30分木更津中央公民館3階会議室
・講演「放射性廃棄物撤去問題・手賀沼処分場」
・各地からの報告
・意見交換

総会に寄せて
   おびつ川の水を守る会会長  関   巌
 
 小櫃川の水を守る会ができて今年の8月で丸26年が経ちます。このような住民運動が四半世紀も続くのは希有のことです。
 この間各市に水道水源保護条例の制定、残土条例の制定などに中心的な役割を果たしてきました。また、残土処分場や会の発足のきっかけとなった廃棄物処分場の建設反対や問題点を明らかにしてきました。
 この地域には全国で屈指の規模の管理型処分場がいくつもあります。小櫃川上流にある新井総合、湊川上流にある大平興産、この2つの処分場は共に汚染水の漏洩事故を起こし未だに解決していません。それにもかかわらず両者とも処分場の拡張を行い、千葉県知事はあいついで処分場の拡張の営業許可を認めました。このような欠陥事業者に知事が営業許可を出すことに全く納得できません。千葉県知事は住民の健康や安全よりも業者の側に立っていると言っても過言ではないでしょう。

 また3年前の福島原発事故で出された8000Bq/kg以下の放射性廃棄物もこの2つの処分場に今も大量に運び込まれています。さらに、8000Bq/kg以上の高濃度に汚染された放射性廃棄物の処分場を各県に1箇所ずつ作るという環境省の方針で、千葉県内にもその候補地が近々発表されようとしています。もしかしたら私たちの地域が候補地になる可能性もあります。私たちはこの放射性廃棄物の処理はそれを出した東電とその政策を進めてきた政府に全責任があると考えています。しかし、東電は拡散した放射性物質は無主物(持ち主がいないこと)と主張して責任を持って処理しようとは全くしていません。私たちが出したのではないこのゴミをなぜ私たちのところで引き受けなければならないのかその理由が100%わかりません。どこかで引き受けなければいけないので自分の所さえ来なければいい、というのはエゴ(自分勝手)であると言う人がいますが一番のエゴは東京電力ではないでしょうか。

 総会ではここに書いたようないくつかの問題を皆さんと共に考えていく場にしたいと思っています。ぜひ総会に参加し意見を述べて下さい。


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