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環境大臣意見 [石炭火力発電所]

今日は、横須賀石炭火力発電所の「環境影響評価準備書」に対し、環境大臣が提出した意見書の意見の一部を紹介する。全般の総論は4ページあるが、ここは省いて、後半の総論のまとめと、各論が具体的なので、その分を今日と明日に分けて報告する。環境省の意見は厳しい。一度目を通されることを呼びかける。  kawakami                       

平 成 30 年 8 月 10 日

株式会社JERA「(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機建設計画環境影響評価準備書」に係る意見照会について(回答) 環境大臣

以上の点を踏まえ、以下の措置を講ずること。

1.総論

(1)石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し、本事業を検討すること。

(2)このような国内外の状況を踏まえた対応の道筋を描くことにより本事業を実施する場合に は、ベンチマーク指標の目標を確実に達成するとともに、事業者全体として、所有する低効 率の火力発電所の休廃止・稼働抑制など、2030 年以降に向けて、更なる二酸化炭素排出削減 を実現する見通しをもって、計画的に実施すること。

(3)本事業の工事の実施及び施設の供用に当たっては、二酸化炭素の排出削減対策をはじめ、 排ガス処理設備の適切な運転管理及び騒音・振動の発生源対策等による大気環境の保全対策、 排水の適正な処理及び管理による水環境の保全対策等の環境保全措置を適切に講ず

2.各論
(1)温室効果ガス 温暖化制約が厳しさを増す中で、長期間にわたって、大量の二酸化炭素を排出することと なり得る石炭火力発電を行うことを本事業者の社員一人一人に至るまで自覚し、省エネ法に 基づくベンチマーク指標の目標達成及び自主的枠組み全体としての目標達成に向けて、社会 的な透明性を確保しつつ、できる限り具体的な方針を示して、以下をはじめとする事項に取 り組むこと。

① 本事業の発電技術については、本事業者は、局長級取りまとめの「BAT の参考表【平成 26 年4月時点】」に掲載されている「(B)商用プラントとして着工済み(試運転期間を 含む)の発電技術及び商用プラントとして採用が決定し環境アセスメント手続きに入っ ている発電技術」に該当し、高効率の発電設備を導入するとしている。 最新の「BAT の参考表【平成 29 年2月時点】」においても、「(B)商用プラントとして 着工済み(試運転期間等を含む)の発電技術及び商用プラントとしての採用が決定し環 境アセスメント手続きに入っている発電技術」に該当することから、当該発電設備の運 用等を通じて送電端熱効率の適切な維持管理を図ること。

② 省エネ法に基づくベンチマーク指標については、その目標達成に向けて計画的に取り組 み、2030 年度に向けて確実に遵守すること。その取組内容について、可能な限り評価書に 記載し、当該取組内容を公表し続けること。さらに、その達成状況を毎年度自主的に公表 すること。 現状では目標達成が見込まれる状況であるが、本事業者がベンチマーク指標の目標を達 成できないと判断した場合には、本事業の見直しを検討すること。さらに、今後、電気事 業分野における地球温暖化対策に関連する施策の見直しが行われた場合には、事業者とし て必要な対策を講ずること。

③ 本事業者が実施することとしている木質バイオマス混焼については、本石炭火力発電設 備からの二酸化炭素排出量を削減する観点からは一定程度の効果は認められるが、海外の木質バイオマスの調達に伴う環境影響もあることから、国際的な森林認証を得た材料の調 達等により違法な森林伐採等を回避するとともに、本事業者が取り組んでいる燃料調達段 階における二酸化炭素排出量の把握を継続する等総合的な評価を実施した上で、当該排出 の低減に最大限努めること。 さらに、供給状況を踏まえつつ、国内の木質バイオマスの利用に最大限努めること。以 上の木質バイオマス混焼に係る取組状況について定期的に公表すること。

④ 本事業で発電した電力は、原則、自主的枠組み参加事業者に電力を供給し、確実に二酸 化炭素排出削減に取り組むこと。

⑤ 本事業を実施することによる二酸化炭素排出量については、毎年度適切に把握すること。

⑥ パリ協定に基づき中長期的には世界全体でより一層の温室効果ガスの排出削減が求めら れる中で、商用化を前提に、2030 年までに石炭火力発電に CCS を導入することを検討する こととしていることを踏まえ、本事業を検討すること。具体的には、国内外の技術開発状 況を踏まえ、本発電所について、二酸化炭素分離回収設備の実用化に向けた技術開発を含 め、今後の革新的な二酸化炭素排出削減対策に関する所要の検討を継続的に行うこと。

⑦ 本事業を含め、事業者における長期的な二酸化炭素排出削減対策について、パリ協定や 今後策定される我が国の長期戦略等地球温暖化対策に係る今後の国内外の動向を踏まえ、 所要の検討を行い、事業者として適切な範囲で必要な措置を講ずること。(続く)

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