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袖ケ浦市議会一般質問傍聴記~最終~ [議会ウオッチング]

 傍聴記も最後である。最終登壇者は笹生猛議員であった。笹生猛議員は大綱2点について質問したが、その中の1点目は「子育て環境日本一」についてである。この部分についての、討論的質問は聴きごたえがあったと言ってよい。もう1点の「ソーシャルメディアを活用した袖ケ浦市の情報発信戦略について」を省いて、1点目について報告しようと思う。

 笹生議員は、出口市長の公約である「住みやすさ№ワン・子育て環境日本一」がどのように進化発展してきたのか・・その評価を正面に据えて質問を行った。いわば市長との正面対決である。

「子育て環境日本一」についての市長の戦略的構想は、私が答弁を通して理解したことは、次のような段取りを取る。
1、行政的取り組み
① 中学性までの医療費無料措置
② 保育園の充実
③ 放課後の学童保育
④ 学校校舎の耐震化
⑤ 給食センター
⑥ 通学路の安全
⑦ 身近な相談所の設置
2、市民との協働で取り組まれるもの
 ① ファミリーサポート
 ② その他さまざまな学校支援等

 これら様々な施策を通して、実感した市民の口を通し『袖ケ浦の子育て環境はいい』という声が広まり、その成果が、実質的に微増ではあるが人口増にもつながってきているとの自己評価である。

 笹生議員は、これらの事業は効果は上がっているかもしれないが、その評価の仕方は、内部の自己評価であり、相対評価上では必ずしも自己評価程の位置に至っていないことを、公的な機関における自治体の評価位置づけを例示しながら迫った。また、市長の「子育て日本一」についての理念共有についても、部長幹部職員間でもあいまいなものであることを具体的に追求した。

 この追求の中で決定的であったものは「市民意識調査」の結果である。平成23年度、26年度の調査結果を見ると、児童福祉や義務教育の項目で満足度は下がっているのである。これで「子育て日本一」などと言えるのか。「日本一という言葉は外してはどうか」と畳みかけた。市長は「市民に伝わっていない。成果を『見える化』しなくてはいけない」と答えたものの事実として認めざるを得なかった。

 「行政改革審議会」の傍聴に行ったことがある。行政改革についての膨大な文書があった。すべて一つ一つの事業に対する取り組みと、結果、そして到達点についての自己評価で構成されていた。「これは行政の効率化で行政改革ではない」と思ったし、パブコメで指摘した。「無駄なことをしているものだ。これこそ改革すべきことではないのか」とも思った。そのことと同じことを、笹生議員は相対評価の必要性を説きつつ、具体的事実を示しその破たん状況を追及、市長は認めざるを得なかった。

 市長の戦略的構想の破たんを明らかにした質問であったと思う。このようになった背景には、市民の意見に耳を貸さない独断的傾向が生じてきた反映と私は見ている。市民参加の項目が下がったことがその証明になっている。

 市長の独断性に、きちんと物申すプレーンがいないことも一つの理由であると思う。ちょっと市長が気の毒になった。

 傍聴した6人の議員さんについて、自分なりの率直な想いを書きつづった。失礼にあたる部分があったとすればご寛恕いただきたい。以上で傍聴記を閉じる。次回は9月議会である。登壇者の増加を願っている。

kawakami

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