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地域鉄道路線の振興 [JR東日本千葉支社の利用者切り捨て]

 千葉県のローカル線で、鉄道を使った地域おこしに取り組んでいるいすみ鉄道がビジネスパートナーや会社に有益になる提案を募集しています。この会社は、国鉄の赤字ローカル線を第3セクター方式に転換して存続している路線で、いすみ市の大原駅から城下町の大多喜を通り、大多喜町の上総中野駅までを結ぶ26.8㎞の路線です。赤字による廃止が検討されてきましたが、経営再建のため公募社長を2人迎え、現在の公募社長・鳥塚亮氏の努力と様々な施策により観光客の需要を増やし、鉄道の存続にこぎつけました。

 この鳥塚さんが、5月26日木更津高専で講演されました。その内容にいたく感激したSさん(JR問題の時参加された郷土愛に満ちた好青年)その内容を報告してくれました。少し長いのですが、その一部を紹介します。
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 いすみ鉄道や由利鉄のような地域密着の3セク会社は、社長が先頭を切って様々な施策を実施していく姿勢が基本ですが、JRの場合は大手の一路線だけに、支社間のバランスもあり融通の利く動きはできず、いすみ鉄道のように鉄道会社が自発的に動くよりも、地元の情熱・熱意に対してJRが応えるという姿勢が多いような気がしています。それが目に見える形で現れたのが新潟県糸魚川市。5月13日に行ってきたのですが、ここは北陸新幹線の駅が開業したところで、地域活性化のチャンスという恩恵を受けているところです。

 新幹線の糸魚川駅が開業しました。この駅には地元を走る久留里線のようなローカル線として、JR西日本が管轄する大糸線というローカル線があります。
その大糸線を走っていた旧型のキハ52が駅舎内の資料館「ジオパル」に保存され、模型のジオラマやプラレール・各種資料などが展示された資料館が駅にオープンしました。かつて駅のシンボルだった赤レンガ機関庫もまちの大きな財産で、ジオパルの施設の一部として生かされています。

 糸魚川といえば一般的にはフォッサマグナや糸魚川静岡構造線で知られる「ジオパーク」の土地で、日本で初の世界ジオパークに認定を受けた土地柄ですが、ここの米田市長さんは市内に点在するあらゆるツールを町おこしに生かそうと工夫を絞っており、大糸線をその重要なツールとして生かそうと模索されています。積極的で行動力のある糸魚川市で、市長さんのトップリーダーとしての実力で様々な地域活性化が行われています。

 なかでも感心したのは、4月から公用車でのマイカー通勤をやめ、大糸線での列車通勤に自ら切り替えたこと。マイカー社会の蜜に慣れた私たちは、なかなか久留里線を利用しようと思っても利用しません。そんな状況で、67歳の米田市長さんが市のトップリーダーとして自ら率先して列車通勤に切り替えたことは、なかなかやろうと思ってもできません。米田市長さんのトップリーダーとしての姿勢に感銘を受けます。野里に住む出口市長にも、ぜひ久留里線を利用していただき、米田市長さんの姿勢を見習っていただきたいものです。あの人、口だけな気がします。

 市議会の皆さんはあちこち視察に行かれると思いますが、なんでここ選んだの?というものばかりで、市政に反映されているようには見えません。ぜひ、市議会の皆さんに糸魚川市を視察していただき、鉄道のあり方と市長さんの姿勢を実感していただきたいものです。
久留里線に関しては、JRだからと言うおごりもあると思いますが、地元に危機感があるように見えません。市も他人事のような対応で、新駅舎の時も同じですね。

 駅舎に資料館があるのです。JRの新幹線の駅に車両・模型を保存するなんてなかなかできません。JR西日本にしてみたら、あんな広いスペースがあればエキナカでも展開したほうが・・・・になるのが普通の考えですが、完全エキナカ鉄道館・ジオパルを実現させたのは、米田市長さんの努力の賜物です。久留里線は高校生の乗車マナーの悪さでは、かなりの「悪ガキ」路線でした。そんな久留里線の高校生たちが、今ではこんな積極的な取組みを始めている。昔と今は大きく変わりましたね。鉄道は郷土愛をはぐくむ格好の教材でありますし、地域共生の取組みが乗車マナーにも影響を与えます。とてもうれしいこと。

 積極的ないすみ鉄道と違い、地元の久留里線は地味に徹してきましたが、危機感がないと感じていた状況を眺めていました。ただ、今回の講演と前後した5月から千葉商科大学を中心とした任意団体「久留里線プロジェクト」が立ち上がったようで今後に期待です。

 久留里線プロジェクトは千葉商科大学を幹事に、地元高校6校が参加しており、総合高校も参加しています。JR・農協・商工会の他、天下のJTBもこのプロジェクトに参加しています。
私の自宅近くの横田にある鉄橋で、第1弾のフィールドワークを行い、地元の鯉のぼりを揚げている団体の会長さんと探索を行ったようで、5月に本格始動したばかりです。


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