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袖ケ浦福祉センターの少年死亡事件~その2~ [障害者問題]

2、施設理事者側の驚くべき場当たり的対応 
  

 捜査の入った14日夜には養育園入所者の家族を対象に説明会が行われた。この席上、家族側から、「この状況では、安心できない。監視カメラを設置してほしい」という要望が出された。それに対し理事者側から「わかりました。設置します」という回答が、その場でなされたという。
 家族の方々のせめてもの気持ちは十分理解できる。だが、表面的な監視カメラ設置で事が収まる性質のものでないことを、理事者はわかっているのであろうか。そしてこの監視カメラは、誰を、なにを、何のために監視するというのか?


 今回の事件を起こした職員の暴行犯罪は、勿論決して許さるべきものではない。司法の手で厳しく裁かれるのが当然である。


ただ、現場の施設職員の殆どの方々は、まさに献身的指導活動を続けていることを私たちは知っている。だからこそ、場当たり的対応でその場逃れの発言をしている現理事者の態度が許されないということを言いたいのだ。今まで、現場に直接入って、職員と入所者とのふれあいの実態を見、現場職員と一緒になって、困難を克服する努力を傾けた経験のある理事者はいるのか?そしていたのか?


 障害者は病状によって多種多様である。軽度の障害者から、他動的重症患者まで・・一人一人の病状に合わせつつ、入所者に寄り添い、その可能性を見出し、自立への道を探り援助していく。重症者であれば、希望の見いだせない状況が続くような中でも、その努力は続けねばならない。


しかし、泊まり明けで疲れていても、翌日も夕方まで残らざるを得ないような状況になっていること。5時には勤務終了のはずだが、定時には帰れないで、いつも2,3時間は残らざるをえないこと。入所者の無断外出や事故などがあれば落ち着くまでは帰れないこと・・・もちろん時間外手当などもらったことがない。


そんな中にあっても、入所者の小さな変化に心を躍らせ、日々の勤務に喜びを見出し、福祉に従事していることを誇りに思い、日々を過ごしている現場実務者が圧倒的であることを、私たちは知っているのある。
今回の事件の根底は、そういう良心に満ちた実務者たちが、多忙劣悪な実務環境の中で、相互の信頼関係が薄まり孤立化し、一部の福祉のあるべき姿勢を放棄した職員集団が、狂気に走った事件となったものとみる。


本来福祉の仕事というものは、人間の尊厳をたっとび、人権を擁護しつつ、入所者の自立を目指すという(職員倫理綱領)素晴らしい仕事であるはずなのだから・・・誰がこのような職場状況にしたのか、だれが責任を持たねばならぬのか、再生の道はあるのか・・・私たちの考えを次に述べたい。       

                            (次号最終号に続く)
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