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産廃施設第一期工事汚染水漏洩に対する陳情書 3 [議会ウオッチング]

 議案 陳情第4号 産業廃棄物最終処分場「君津環境整備センター」
  第1期処分場漏洩事故の改善を求める陳情書 袖ケ浦市議会本会議採決案件  2021年6月23日

建設経済常任委員会村田委員長報告
(残念ですが音が低くメモを取ることができませんでした。質疑以降はテレビの音を親切な職員さんが少し高くしてくれましたので、メモすることができました。質疑から委員長報告内容を推察願います。)

◆ 委員長報告に対する質問
塚本議員
① 「汚染漏洩水に 毒性は認められない」との報告であるが、塩化物イオンは有害物を測る指標になるものであること
② 「責任を果たしている」とのことであるが、現在も膨大な汚染保留水があり、責任を果たしているとは言えない状況であること。
◎ 未来の子どもたちの水道水系を守るためのも、本質的な原因究明と抜本的解決を求めるという意見書を提出するべきという意見はなかったのか。

村田委員長  大事であるという意見はあったが、詳細にわたる意見はなかった。

◆ 採決討論
▼ 「趣旨採決」に対する反対討論
吉岡議員
 意見書提出という陳情原案に賛成し「趣旨採択」という委員長報告に反対の討論をする。
① 汚染水保留の本質的原因と、抜本的解決を求めることは、千葉県が企業体に求めるべきものであり、当然のことであること
② 現在の千葉県が指導した基準水位を超えている状態にある。企業体はそれを放置したまま9年間も推移した。企業体がする気になれば、十分に実現可能性がある。
◎ 水道を共有する地域住民の切実な願いに応え、意見書の採択に賛成し「趣旨採択」に反対する。

▼ 「趣旨採択」に賛成討論
山口議員 「趣旨採択」に賛成である
① 視察し現場を確認した。千葉県の現状報告にもあるが、改善策が施されていること。
② 陳情にある「水は命である」ということは理解する。
③ 抜本的解決を早急に求めることの実現は困難であること。
◎ 引き続き、地元君津市の指導を継続してもらうことも含め「趣旨採択」に賛成である。

▼「趣旨採択」に反対討論
篠崎典之議員 原案に緒賛成し「趣旨採択」に反対である。
① 汚染漏洩水事故の勃発時点で県は搬入停止の措置をとった。以降9年停止中である。塩化物イオンを断続的に排出し、汚染水水位は高い。もしこの汚染水が地下水や小櫃川に流入されたら数十万の人たちの水道被害が想定される。
② 第一期から「そのような事故は起きない」と責任者から説明されてきたが、実態は現状のとおりである。
③ 建設経済常任委員会の討議に傍聴参加したが、「趣旨採択」という意味が分かるような討議ではなかった。指導責任のある千葉県に是正を求めるのは当然である。塩化物イオン漏洩のみではなく、いまだに企業は対策を放置したままである。
◎ 意見書も出さない「趣旨採択」には、「趣旨採択」の意味もない。

▼ 「趣旨採択」に賛成討論
伊藤 啓議員
① 搬入停止中であり、県は指導継続中である。モニタリングでも低下傾向にあること
② 2期、3期では、一期の経験に基づいて、対策をしていること。
③ 直ちに実施できるものではないこと
④ ただし「水は命」という陳情者の趣旨は理解
◎ 以上から「趣旨採択」に賛成する。

◆ 採決
議長 「趣旨採択」に賛成の方の挙手を求めます。「賛成多数」で「趣旨採択」といたします。

★ 議事録ではありません。一応発言を整理してわかりやすいように努めました。もし間違いがありましたら遠慮なくご指摘ください。すぐ直します。
                          Kawakami   khiro71@jcom.home.ne.jp

 


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産廃施設第一期工事汚染水漏洩に対する陳情書 2 [議会ウオッチング]

 昨日の続きです。質問 討議 執行部見解 採決へと進みます。どの議員が、どんな位置に立っての発言か、しっかり読み取ってみましょう。kawakami

 ◆ 質問  1
質問 吉岡議員  施設建設許可時点で、当時反対運動はなかったのか。
回答 当時から反対運動をしてきた。久留里では全自治会の組織 御腹川沿線対策協議会 小櫃川沿線全土地改良区が反対に立ち上がっていた。

質問 吉岡議員 塩化物物イオンの濃度をデータで見ると確かに増えている。地裁でも汚染水が出た結果であること認めている。問題はこの中に含まれている有害物質だ。その蓄積が人体に問題である。今回の陳情についての視察で「有害物質をどう考えているか」の質問に対し「係争中である」とのことで回答を得ることはできなかった。

回答 重金属が一番重要であるが、県と新井総合が出す値は塩化物イオン。君津市も調査をしてくれるようになったが、重金属についての内容をわたしたちがつかむことはできていない。
関陳情人補足 塩化物イオンとは処分場の他の有害物質も出ていると言うことでその指標になっている。高いことは有害物質を含んでいることを意味している。

質問 吉岡議員 第3期を終えた後第4期の可能性は?

回答 業者は言及することはない。しかし第3期の場合も、第2期の埋め立てと同時進行で着々と手続きを進めて来た。運転資金に200億の金を注いでいるので、埋め立てを続けなければ止まってしまう。周りの土地を君津市で買うことを提案したが、すでに50%が買われてしまっていた。
 第3期の埋め立て地には8000ベクレル以下の、どこにも持っていかれない放射能汚染土が搬入されている。宇都宮市の浄水場にあった汚染度が3500t搬入されていることが、宇都宮市議会議員によって明らかになった。情報開示を求めてようやく黒塗りの文書が出てきたが、その中に一枚、塗り忘れていた文書があって、契約書を発見。ここ(君津環境整備センター)が搬入地であった。
 自分たちのごみは自分たちの所で処理する。これが原則である。この施設をこれ以上続けることは許されない。子どもたちのためにも、市民と議会、行政が一体となってこの施設継続を差し止めたい。

◆ 質問  2
質問 笹生典之議員  力強い説明でひどい会社と思う。しかし客観的立場で考えなければならないのでお尋ねしたい。危険水がオーバーフローとのことであるが、企業の説明では対策を含めて行っている。危険性について信ぴょう性がどのくらいあるのか

回答 ここに出したデータはすべて県が公表しているものです。県は195m以下にせよと指導しています。しかし何と205mを超えている。10mも高い。一番上のシートで水を抑えその下は水浸しになっていることになる。井戸90本で汲み出しても水位は減らない。危険性はぎりぎりなのです。
 台風の時、電源が切れた。非常用電源で何をしたか。調整池に溢れた水を送り出した・・と言う。
 県に、(業者に対し)非常用電源を確保するよう要請したら、(業者の)県への回答は非常時にリース会社から優先的に借りる契約をしたとのこと。しかしその契約書もできていないという。危機管理が全くできていないという現状です。

質問 笹生議員 短時間で見ただけで理解がどこまでできているか・・と思うのですが、
水道法では、塩化物イオンの濃度は200mg/lあったと思いますが、観測井戸の濃度では下回っていると思うのですがどう考えますか?

回答 本来自然界で200mg/l 濃度などありえない。そんな濃度があったら搬入禁止になる値なのです。データでそのような数値がどこにあったのか、今日はすべてのデータを持参していないので不明です。
関陳情人補足 塩化物イオンは自然界では殆ど出ていないのが通常です。基準以上出ているということは処分場から汚染水が漏洩していると言うことで、有害物質が漏洩している証拠です。

質問 笹生議員  この施設が設置される以前には塩化物イオンは存在していなかったのでしょうか。
回答 埋め立て前(自然界では)20-30mg/Lで、三桁になる塩化物イオンは存在していませんでした。

6,執行部の見解
 ①「君津環境整備センター」は千葉県が平成16年4月に許可し設置されたものです。
 ② この産業廃棄物処理場は「管理型施設」であること。浸出水の処理施設は企業の責任において
  設置すべきものであること
 ③ 漏洩事故が起きたとき、市長、担当課長で訪問。事故解決につて厳しく申し入れを行った。
 ④ 目下係争中であり、市としての意見は差し控え、今後の動向を注視したい。

◆ 質問 吉岡議員 本市の水源地であり、市の対応はもう少し積極的であってよいのではないか
  回答 県の審査を確認しつつ、市としては見守りつつ対応したい。

7、討論
 ① 笹生議員  動議  趣旨採択の扱い提起
  理由 ・ 力強い説明であったが、残念ながら係争中でもあり細かなことは聞けなかった。
     ・ 塩化物イオンについて 上下しながら推移し、近年はブレ幅が小さくなってきている
     ・ 自分の資料でもこのことは確認していることもあり、判断できない部分もある。
     ・ 広報紙では 水質分析結果、社会的責任は果たしている
     ・ しかし陳情者の「水は命の源、安心安全な水を残していく」という願いもあり、継続し
てみていくことから趣旨採択としたい。

 ② 吉岡議員  陳情書を採択すべきである。
理由   係争中であり判決を待てば、最高裁まで行くとなれば長期になる。この間放置していてよいのか・・県に早急な指導を求めることが妥当だと考える。

 ③ 山口議員 趣旨採択賛成討論
   理由   現地視察から「県が指導していること」陳情者の願いは理解する。「しかし抜本的解決は困難であること」から趣旨採択に賛成

8、採決 趣旨採択について採択   
賛成5名(伊藤啓、伊藤章良、山口進、笹生典之、緒方妙子各委員挙手)
  賛成多数  趣旨採択決定

*(記録者注)この陳情の趣旨は「処分場の漏洩の根本原因を究明するよう、千葉県が業者に厳しく指導してほしい」、という意見書を袖ケ浦議会より県知事に出して欲しいという趣旨です。
趣旨採択とは陳情の趣旨には理解を示すが、意見書の提出は行わないと言うことで実質的には不採択と同じです。
  
    

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