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「環境アセスメント説明会」横須賀の場合 [石炭火力発電所]

 東京湾の向かい側に建設予定の石炭火力発電所JERAの「環境アセスメント評価準備書」の説明会は、1月30日と2月4日の二回に分けて開催されました。

 まず参加者数です。前回20~30人ほどしか集まっていなかったのですが、今回は10倍近くの人が集まり会場が2会場とも満席になりました。久里浜会場は満席どころか、第二・第三会場が用意され、別部屋での視聴になりましたが、そちらの席も満席でした。

 この会場での特徴は、説明に対して、会場からの質問と、それに対する事業者の回答という対話形式で行われたことです。昨日説明した、蘇我の会場とは雲泥の差でした。最も横須賀の説明会に参加した「千葉パワー」の職員が、この様子を見て、急遽質疑応答形式を変え、一方的説明形式に変更したのかもしれません。

 会場からは、生々しい参加者からの質問が次々と繰り出されました。その質問内容は住民自身の日ごろの生活からにじみ出たようなものが多く、参加者は皆質問にうなづいているように思われました。そのいくつかを紹介しましょう。

▲ 火災ということになった場合の倉庫建屋は全部石炭が燃えたらどうなるのか?今まで石油タンクがあって非常に怖かった。それがなくなってよかった。石炭がきたらどうなるのか?
▲ 新潟県知事が柏崎火力で130とか110。あれが稼働したら同じ発電能力なので、横須賀は必要ないんじゃないか。それでも動かすのか?
▲ 40年前に引っ越してきたが、ベランダが汚れる。洗濯物やふとんが汚れる。また近くに送電線がじーっとなっている。それで今は静かになってよかったのに、また復活するのかと思うとうんざりする。

 このような内容の質問が次々と続き、質疑時間も前回は30分の延長、2月4日は1時間半の延長となり、数多くの疑問が投げかけられ、石炭が問題であるということを多くの人が認識しているということが事業者側にも伝わって本当によかったです。
 また質問者も幅広く、「もともと大企業に勤めてた人」とか、ちょっと若手の研究者っぽい人とか、なんとなく市民運動と毛色の違う雰囲気の人たちもガンガン質問していたのも印象的でした。

 JERAは、地域との共存、自然との共生をすごく全面に出して強調していましたが、質疑応答の時に、その空回りっぷりが浮き彫りになったように思います。パリ協定との整合について指摘されたときも「とりあえずCO2をゼロにするかは横においておいて・・・」と前置きして、CCSの研究などにも積極的に協力する、とまともに回答できておらず酷いものでした。

※ 以上は、袖ケ浦からの参加者と、東京湾の会の会員記録から跋渉して紹介したものです。

 袖ケ浦での「方法書説明会」の時は、時間制限の上、質問は用紙で提出させ、その説明を読み上げ、それだけであとは一方的に打ち切って終了というひどいものでした。市民の参加が少なかったということもありましたが、「準備書説明会」ではこのようなことは許してはなりません。準備書は、新年度に入ると公表される予定と聞いています。袖ケ浦の空から、年間580万トンの石炭ばい煙を、40年間ふり注ぎ続けることを、住民として許すのかどうかが問われる最終意見提示の説明会です。心して参加したいものです。      kawakami

 下記の写真は、世界第2位、インドの光化学スモッグ風景(会員撮影・早朝風景とのこと)

インドCO2.PNG 
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