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景観の持つ力とは何か 4 [小櫃川の水を守る会]

ヘッドランドとは何かご存知か。川村先生が講演の中で話された九十九里浜のヘッドランドについて、実は、講演会場にもいらした「千葉県自然保護連合」の中山さんが、詳細に報告されている。詳しくは「九十九里浜の環境破壊を食い止めるために~人工岬「ヘッドランド」をめぐる攻防~」で検索するとよい。(下記URLをクリックするとすぐ出てくる。)

http://www.jawan.jp/rept/rp2015-j110/07.html

*「九十九里浜 やがて消滅か

 千葉県の九十九里浜は侵食が深刻になっている。2010年9月1日の『毎日新聞』(千葉版)は、「九十九里浜 やがて消滅か」というショッキングな見出しをかかげ、この問題を大きく報じた。

 砂浜侵食のいちばんの原因は海食崖(かいしょくがい。波浪の作用によって形成される海岸の急崖)の侵食を止めたことである。九十九里浜の両端には、屏風ヶ浦(びょうぶがうら)と太東崎(たいとうざき)の海食崖がある。その海食崖が太平洋の荒波に削られることによって大量の土砂が堆積していた。土砂は沿岸流の力でゆっくり移動し、堆積する。一説によれば、九十九里浜は6000年間で形成されたという。 

 こうした自然の営みが人の手によって阻害された。1960年代以降、屏風ヶ浦と太東崎の崖の前面に県が消波堤を築いた。目的は海食崖の侵食を食い止めることだ。そのため、九十九里浜への砂の供給量が激減した。また、漁港の防波堤整備が潮の流れを変えた。さらに、水溶性ガス採掘による周辺地域の地盤沈下も指摘されている。

 そこで県は、1988年からコンクリート製人工岬「ヘッドランド」の建設工事をはじめた。ヘッドランドは、宮城、千葉、神奈川など23道県に2009年3月末現在で計190基ある(着工未完成を含む)。そのうち千葉県は、九十九里浜に22基ある。北九十九里浜に12基、南九十九里浜(一宮海岸)に10基である。建設費は1基で約10億円である。(続く)

 川村先生は、具体的にヘッドランド設置以前の海岸と、設置後年月を経てどうなったのかという写真を明示された。(この海岸線がズタズタになった記録写真の場所名を記録できなかったが、惨憺たる状況が一目ではっきりした。)

 結論的には、このような人口構築物で砂の流出を阻むことは不可能であることを指摘された。蛇籠を置いて砂の流出を止めようという試みも、アカウミガメの産卵を妨げている。、
 砂の流出を防ぐには、森林を荒らさないこと・・それが自然の営みの中で砂を常に補給し続けていることを述べられた。

 九十九里浜におけるヘッドランド反対の運動の記録も含めて、中山さんの論文をぜひ立ち上げて最後まで読んでほしい。(続く)

99里浜.PNG

ヘッドランド2.PNG









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