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景観の持つ力とは何か 3 [小櫃川の水を守る会]

「御宿」と言えば、一定の年配のものであればだれもが「月の砂漠」の歌詞を思い出すであろう。

月の砂漠をはるばると
旅のラクダが行きました
金と銀との鞍おいて
二つ並んでいきました

有名なこの歌の歌詞は、詩人であり画家でもあった加藤まさをの作品である。彼は病弱であったので、夏になると画版を抱えこの海岸の集落へ療養を兼ねてやってきたという。満月の夜、あかり一つない砂浜に腰を下ろし、自然に浮かんだのがこの歌詞であったのであろう。
加藤まさをが御宿で亡くなる数年前、この歌詞の記念像が建てられた。

加藤まさをの、回想録には、次のような文言がある。
「その頃~ざっと半世紀前~の御宿は今よりもずっとずっと寂かな美しい漁村であった。二キロもある弧状の海岸に白い波が微笑み、小麦色の広い柔らかな砂浜には、砂丘が幾重にも起伏してその背中には牛がつながれて寝そべったり草を食ったりしていた。(中略)」

「僕はほんとに運の良い男であります。もしも僕が御宿に来なかったら、もしも「月の砂漠」を書いたのが御宿のあの砂山でなかったら、こんな立派な記念像は永遠に立たなかったでありましょう。御宿の皆さん本当にありがとう。」

「加藤まさをという詩人が創られていく御宿の風景(景観)は、人間をはぐくむ力としての大切な要素を持っていると私は思うのです」・・と先生は、景観が持つ力をここでも発見されている。

 つぶやくような先生の言葉が続く。
 今いたるところの海岸には、大きなマンションが林立し、そこに住む人自体が景観を独占することで、最も大事な自然の景観を壊している。どういう景観を作ることが大切なのかを考えることをしない・・・寂しいことです。(続く)

御宿2.PNG




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