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鋸南町残土闘争記~その1~ [産廃処理場]

 木更津の地元「故郷を守る会」による残土埋め立て施設建設計画を「木更津市残土条例」を力に、ついに計画を断念させた勝利集会については報告したところです。
 その際、現在裁判闘争を続けている鋸南町『子どもを守る会』の永田さんが、その報告をされています。感動的報告です。ご本人の承諾を得ましたので、2回に分けてその報告を掲載させていただきます。ぜひお読みください。  kawakami


    鋸南町の環境と子供を守る会の活動について  永田正則
 
 私達の活動が皆さんの活動に少しでも役に立てばいい。今日はそういう気持ちで参りました。

 鋸南町は人口が八千五百を切りました。私が鋸南に住み着いた十数年前には一万八千人はいました。人口は減る一方の小さな町です。平成の大合併の時に鋸南町は合併しなかったんです。選挙があり、合併推進派と合併反対派ががっぷり四つに組んで闘いました。五十六票の差で合併反対の候補者が当選しました。そういうわけで鋸南町は「自分たちの町は自分たちで運営していくんだ」という自治の意識が強いんだなあと感じました。

 これは残土の問題についてもまたしかりです。この海と山との自然に恵まれた鋸南町で禍根を絶対起こしてはならんということで取り組んでいるんです。もう反対運動を始めて三年八か月になります。この間、事業をしようとしている業者を抑え込んできているんです。彼らも必死です。なぜかと言いますと、地元の業者ではありますがバックが鹿島建設なんです。なぜあの大手のゼネコンがついてるかというと、自分たちが発注する国や県からの事業で汚染された残土を斡旋することも間々あるわけです。そうするとその持っていく場所に困るわけです。それをきちんとしないと国や県の仕事もなかなかもらえにくいという現状があります。国の方は残土を処分できる場所をしっかり確保しなさいという指導なのです。

 ゼネコンも自分の力で残土の場所を確保するというのはなかなか難しい。だからどこに行っても反対運動が起こる訳です。それは厄介だから自分の息のかかったところに押し付けるんです。県が発注する工事またしかりです。鉛や窒素などを含んだ非常に悪い残土があちこちの現場で出てきます。それを業者に押し付ける訳にはいかないという側面もある。つまり残土は発注する国や県が責任を持つということになっている。これはタテマエです。

 ゼネコンが取り下げないというのは国や県がバックについているからなんです。私の目から見ても国や県も業者よりです。住民の声には全く耳を貸さない。鋸南町でいうと十六の区があるんですが、十六の区が反対決議を上げて、また漁業組合も反対決議をして県や町や業者にも提出しました。つまり町を上げて反対運動が行われている訳です。皆さん沖縄の基地の話を聞いたことがあると思いますが、いくらやっても国は耳を貸しませんよね。同じような構造なんです。

 私達がいくら反対運動を積み重ねても相手は耳を貸さない。今は事前協議が終了したという段階になっています。同時に業者は県に正式に手続きをしました。で、いつ正式な許可がでるかわからない状況です。私達も県を相手に訴訟を起こしています。行政訴訟です。もう一方事業者に対して民事訴訟も起こしています。つまりこの事業を取り下げろということです。裁判闘争はなかなか容易ではないです。私達は訴える側ですが、県は「どうぞ訴えてください、最高裁までどうぞ。」というスタンスです。(続く)



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