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残土条例  6 [残土埋立]

富津市大塚山の太平興産・管理型処分場は2期の積み上げた残土の廃液漏れが止まらないのに、県は2期に上乗せする3期の拡張を許可し、現在放射性廃棄物を搬入中です。ここの処分場について、最近の状況を報告した「小櫃川通信」から転載します。。

 大塚山処分場から出る汚染水はすべて水処理装置で処理されて」、排水口から湊川の支流,高宕川の源流に放流されています。この放流水の水質検査は、事業者も県も定期的に行うほか、当会も随時実施していますが、塩化物イオン濃度が非常に高く、農作物への悪影響が懸念されていました。

 2013年夏は渇水のため、塩化物イオン濃度があまり希釈されず、高宕川の水をくみ上げていた農家の稲が枯れる事件が発生しました。
調査した結果、放流口のイオン濃度は8000/1。田園の土壌調査では電気伝導率が222mg/mという異常値。県は直ちに事業者を指導しましたが、事業者はいまだに脱塩装置などの抜本的な対策を実施していません。

2013年6月、第3-3処分場増設申請
2014年4月条件つきで許可

 増設について、富津市は、市長も市議会も、県に対し、強硬に付帯意見を提出しましたが、県はこれを無視、条件を付けるということで許可しました。

 事業者は第2処分場の中央部に仕切り壁を設置、また第2処分場全体をシートで覆い雨の浸透を防いで、保留水の減量を図り漏洩水を減らす対策を施したとしていますが、現場を見学し、説明を聞いても対策の効果を実感することはできませんでした。

 私たちは今後もできるだけ機会をとらえて。、現場を見学すると同時に、水質調査を行い、私たちの実感する心配と懸念を、市及び県に対して、意見として提出し続けなければならないと考えています。

残土条例  5 [残土埋立]

 今日は、典型的な悪徳業者のことを書きましょう。それは鋸南町の「鋸南開発株式会社」というところです。
 この会社は1988年から35年間、2012年まで採石事業をしていました。その採石結果は、標高13mまでと決まっているものを、標高1mまで深堀し、それだけでも違反であるというのに、穴を埋め立てるべくとっておいた区域内の残土まで売却してしまって、整備や跡地造成もできなくなってしまったという2重、3重の違反をしていて、手の付けられない状態になっていました。

 そこへ産廃業者の杉田建材から、鋸南町の別の採石業者を通じて、「土壌汚染対策法」に基づく、処理施設への転換という話が持ち込まれ早速それに飛びつきました。穴地埋めに48万㎥、その上に100万㎥汚染土を積み立てるという計画です。その土の発生源も確かめたらでたらめでした。

 この計画の具体化のために行った業者の手法は、同社の職員である地元本郷区区長、金子庸一氏に、役員会・総会に無断で確約書を作成し職印を独断で捺印の上、提出させました。県はこの確約書をもとに許可書を作成、20123年12月16日鋸南町に持参し、町・区の役員は、この文書は偽造文書であることを指摘し、受け取りを拒否しました。

 県はこの文書を有効とし2014年1月17日郵送で送りつけてきたのですが、開封せぬまま返送。一方本郷区では、区長解任を圧倒的多数で決定、区長印を取り上げました。

 2014年6月には、反対協議会の呼びかけで、300人がバスを連ねて県庁前で抗議活動。7月には350人が事業者に対し抗議のデモを行っています。その後の経過は次のようになっています。

・2014年11月14日 千葉地裁木更津支部に操業差し止めの仮処分申し立てを行いました
・2014年12月11日~2016年4月7日まで  審尋8回
:2016年7月20日  汚染土壌処理施設の操業さし止め仮処分決定判決。

 一方千葉地裁に許可差し止めを求める行政訴訟15年2月に起こし係争中、鋸南開発は異議申し立てを行っているとのこと。裁判の進行について注目していきたいところです。

★ この間、鋸南町残土条例が策定されています。内容は君津の残土条例に準じていて県外残土の搬入禁止です。改良土も扱っています。昨年10月から施行されました。
★ 県条例による対応がいかに業者に甘いものであるか、そして形式的なものであるかが、この事例で明らかと言えましょう。


残土条例  4 [残土埋立]

 パソコンが壊れてしまい2日間休んでしまいました。会員のプロに助けてもらってようやく治りました。早速再開します。前のブログに引き続き、新井綜合のずさんな計測の誤りを指摘し、君津市議会の全一致の採択や、県議会への請願と続いた、活動を続けていらっしゃる、久留里のお坊さんがいらっしゃいます。ご本人の了解を得て、呼びかけをお届けします。 kawakami

 【遅い速報】小櫃川の水を守る会、御腹川と久留里地区の水を守る会、御腹川沿線公害対策協議会、ちば水源愛護会の4団体は、君津市久留里から新井総合施設株式会社君津環境整備センター(産業廃棄物管理型最終処分場)第Ⅲ期増設予定地(君津市怒田字花立)までの地層を明らかにするため、新井総合施設にボーリング調査を行うよう指導することを千葉県知事に求める請願を、昨年12月の君津市議会定例会に提出、全会一致で採択されました。
また千葉県議会にも同趣旨の請願を、君津選出議員のお二人の先生を紹介議員として、2月定例会に提出しました。
 そして2月22日、環境生活警察常任委員会にて審査され、継続審査6(自公)、採択5(その他)となり、継続審査という結果となりました。

 以上、何のことだかわからない方も多いことと存じますが、久留里在住あるいは出身の方、またこの問題に関心をお持ちの方にはお伝えした方がよいと思い、取り急ぎお知らせします。
 継続というのは喜ぶものなのか喜べないものなのかビミョーなところですが、ご協力くださいました議員の先生方に御礼申し上げますとともに、関係各位には今日までの東奔西走をねぎらい申し上げます。

「地元が反対したって許可するのは県だから」という諦めのセリフを10年20年に渡って繰り返すばかりで無気力の中にあったこの町でしたが、ようやく県政というステージに指一本引っ掛けることができたでしょうか。ここからあっさり墜落するのか、それともより髙く登れるかは、地元久留里の方々をはじめ多くの人の輪が、どれだけ集まり、どれだけ支え持ち上げてくれるかです。少数精鋭とはいえさすがにボロボロです。心が折れそうです。どうか今後予定される委員会審査の場には、地元住民多数のご参加ご支援をよろしくお願いします。

「久留里の人間、上総小櫃の人間、君津の人間は、水を地域の宝と思って大切に使い、活かし、守っていきたいと考えているよ!!」というところを、千葉県中にがつんと見せつけてやろうじゃありゃーせんか!!

 いや、考えているだけじゃなくて、実際に使って、活かして、守っているんでなきゃ意味ないんでしょうけどね。ですから、水を利用してお酒、お米、イチゴ、カラー、ホンモロコ、野菜、卵、豚肉、etc.をつくっている生産者の方々や、水源涵養域の集落で暮らしている人々と協力し合うような関係の中で、地域の将来を描けたらいいなと思うわけであります。


残土条例  3 [残土埋立]

 昨日22日、新井綜合へのボーリング要請を君津議会が満場一致採択したことを、ブログに書いていました。実はその最中、県議会にも同じ内容で提出した請願が、付託された委員会で討議されていたのです。その経過を関会長が報告してくれます・・kawakami

「県議会の環境生活警察常任委員会が開かれ、「新井総合にボーリング調査を行うよう行政指導をして欲しい」(別紙)との私達の請願が審議されました。
結果は継続審議となりましたが、常任委員会として新井を視察すること、その折り住民との
話し合いを持つこと、などを決めました。

継続に賛成した議員は11名中自民の5名と公明の1名の6名、他の5名(民進3,共産1,市民ネット・社民1)は採択を求めました。紹介議員には君津市選出の自民党の川名県議と民進の石井県議がなってくれました。
請願の時には、紹介議員の所属会派は賛成するのが普通ですが、自民党議員から「もっと調査をしたい」、ということで継続審議となりました。


 以下、請願文を紹介します。

 
  千葉県議会議長  宇野 裕  様  

新井総合施設株式会社君津環境整備センター第Ⅲ期増設計画に関わるボーリング調査を求める請願書

君津市久留里市場175    御腹川と久留里地区の水を守る会 会長 栗原 良男 印
君津市末吉857       御腹川沿線公害対策協議会    会長 水田 安政 印
君津市小市部127      ちば水源愛護会         会長 竹井 宗弘 印
袖ケ浦市神納2977     小櫃川の水を守る会       代表  関  巌 印

請願理由

 新井総合施設株式会社が、平成28年12月7日、千葉県に提出した廃棄物処理施設変更許可申請書に添付されている君津環境整備センター第Ⅲ期増設計画に関わる環境影響評価書には、地層の分析に関して重大な誤りがあります。

 同評価書では、処分場の地層は久留里の上総掘り自噴井戸の取水層の下10mを通るので安全であると述べていますが、同評価書を元にしても、また他の文献や井戸の柱状図を元にしても、処分場の地層が久留里の上総掘り自噴井戸の取水層であることは確実と思われます。

 第Ⅲ期処分場予定地は、35万人の水道水や農業用水を賄う御腹川・小櫃川の源流域であるとともに、「平成の名水百選」に選定されている久留里の上総掘り自噴井戸の、取水層の地層の露頭であると思われます。

 もしこのままで増設計画が遂行された場合、施設の老朽化や地震・豪雨・漏水などにより、処分場に事故があれば、御腹川・小櫃川ばかりではなく久留里の上総掘り自噴井戸までも汚染されることが確実と思われます。万が一、地下水の汚染、という取り返しのつかない事態にならないよう、下記請願いたします。

願意

 第Ⅲ期処分場増設の前に、処分場から久留里までの精密なボーリング調査を行うことで、久留里の上総掘り井戸の安全性を科学的に立証するよう、千葉県として新井総合施設株式会社に行政指導を行うこと。


残土条例  2 [残土埋立]

 朝日記事の中の、「残土埋め立てが集中した袖ヶ浦で住民とのトラブルが絶えない状況が続いている」とありますが、近隣都市ではどうであったのか、そしてどうなっているのか・・その事例を確かめ、紹介してまいりましょう。 kawakami 

 君津議会満場一致・傍聴席拍手!

 昨年暮れ、12月20日午後の君津市議会の採決。議場と傍聴席は異様な雰囲気に包まれました。なんと4団体が提出した請願が満場一致で採決されたのです。
 当初の観測では委員会での採決も楽観できない状況でした。委員会で不採択になれば本会議で覆すのは厳しいと思われていたのです。それが委員会で全員賛成で採択されて驚き、さらに本会議では、何人かの反対が予想されたのが、予想外の全員一致採択に傍聴席から拍手が起きたのです。議員間にも明らかに衝撃が走りました。

 君津議会で採択された請願は「御腹川と久留里の水を守る会」「御腹川沿線公害対策協議会」「ちば水源愛護会」「小櫃川の水を守る会」の4団体が、昨年1年間かけて、新井綜合との懇談をはじめ、勉強会や話し合いを行いながら達した結論でした。

 新井綜合は第三期拡張工事計画を提出した際、「地下水脈は、久留里銘水水脈の10m下なので心配はいらない」と記述したのです。しかしこの水脈の下降角度は違うことを指摘されたことから、討議は紛糾しました。
 このように、排水の面でも、林地開発でも、水利の問題でも地元の理解を得ることはできませんでした。つまり地元は誰も納得していないのです。

 新井綜合は、事前協議を取り下げ、県の指導も無視する形で、一方的に許可申請書を提出したのです。それに対して4団体は「三期をやめろとは言わない。久留里の上総掘りの安全を確認するため、処分場から、久留里までの連続ボーリング調査を行うこと」という提案を決め、君津市議会に請願を提出したものです。こうして満場一致の可決となったものです。

 水源近くに産業廃棄物処分場を造るなど、許されることではありません。この許可を与えたのは沼田知事。それも退任当日であったという。これ一つでとんでもないことであることがはっきりしていると思いませんか?県条例のずさんさを明確にさせた事案です。

~「小櫃川通信」から~
 

残土条例  1 [残土埋立]

 明日、2月22日から3月27日までの間、袖ケ浦市議会定例会が開催されます。通常3月議会、別名予算議会とも言います。今議会の第1号議案として挙がっているのが、再提案の「残土条例」です。正式には「袖ケ浦市土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例の全部を改正する条例の制定について」という難しい名称です。

 なぜいったん否決された「残土条例」が再び登場したのでしょう。「残土条例」を巡る問題にはどんなことがあるのでしょう?
第1回目は、朝日新聞・堤記者の署名記事がありますので、その紹介から始めることにいたします。
ぜひ目を通してみていただきたいと思います。全貌が見えてきます。(クリックすると大きくなります)

残土条例.PNG

残土条例パブコメ [残土埋立]

 袖ケ浦市の残土条例がこの3月議会に再提案されることになっています。目下その残土条例(案)に対するパブリックコメント募集中です。締め切りは明日の19日です。私は、残土埋め立ての現状や、館山市、鋸南町、富津市、君津市、木更津市と続けざまに起きている、残土を巡る裁判事例を見るにつけ、千葉県条例のずさんさと、住民の怒りを感じています。

 袖ケ浦市で、今回また廃案になれば、「日本一のごみ捨て場」と、市民が自嘲しているお隣の市原市のようになるのは目に見えています。条例自体の不備な部分も確かにあるのですが、ぎりぎりの選択としてぜひ今回は議会通過をしてほしいと願っています。

 この問題に対する基本姿勢と、本当は克服してほしいいくつかの点について、一応パブコメに提出する形で記録しておこうと思います。  kawakami

1、 基本的意見
 今回の再提案は、前回に比し、新たに起きた改良土に対する対処、あるいは地権者の責務等修正部分が付加され、袖ケ浦市の現状にあっては、ぎりぎりの判断であることを理解します。ぜひ採択されることを熱望します。議員各位の真摯な調査・検討・討議を要請します。

2、 議案討議における議員構成について
この議案討議に当たっては、家族・親族が当該事業者である議員は、討議参加を控えるべきであると考えます。

3、具体的事項についての要望事項・・可能であれば検討されたし   
① 第6章44条~47条
 資源開発社の贈収賄事件は有罪判決が出て、被告はその判決に従い終結しました。このことに伴い、当然事業許可書は無効になるものだと普通は考えます。しかし事業許可はそのまま継続であるという。不思議な話でした。こういうことについて罰則、あるいは規制はできないものでしょうか

⓶ 第11条第2項
 木更津市の条例はご承知の通り、事業区域周辺2kmの住民8割の同意が必要としています。袖ケ浦市は残念ながら300mです。過日、浜宿団地裏地の団地埋め立て事案にあっては、団地すべての住民が同意の対象とならなかったと聞いています。せめて茂原市の残土条例のように、500mあたりまで拡張してもよいのではないのかと考えます。

4、「残土特別委員会」設置について
 多発する残土問題について、千葉県弁護士会は、そのための特別委員会を設置し、対処しています。条例実施に当たっては・袖ケ浦市でも「残土特別委員会」のような一定の権限を持つ委員会を作られてはいかがでしょう。

△ 県条例を巡る裁判事例で浮かんできた、数多くの問題があります。その中から特に気になった部分のみ書いておきました。         以上

残土条例 4 [残土埋立]

 例えば、「資源開発社」の贈収賄が有罪となり、農業委員会の自浄力が発揮されて、農業委員会はその本来的機能回復が図られた・・・という事件がありました。ところが不思議なことに、このとき許可された事業についての事業停止にはならず、資源開発社は、何事もなかったかのように、今も事業が継続されているのです。

 許可の取り消しが論議されたましたが、県段階で、それはそれ、これはこれという何が何だか不明な理由で許可の取り消しはなされなかったと聞きました。市民の常識では、有罪が確定した時点で、この事案の事業許可も取り消されるのが当然と考えます。行政とは時折このような、市民の常識は行政の視点からは非常識と見えるらしいのですね。

 このような罰則についての規制も、内容的にはもっと吟味する必要があるのではないか・・と思ったりするのですが、議会の現状を見ると、厳しくなればなるほど、機械的反発が強くなるのが目に見えているようです。改良土を取り上げたことだけでも、本当は大変なことなのかもしれません。

 お隣の市原市では、心ある人達は日本一のごみ捨て場と自嘲しています。大気汚染は県内一。残土・不法投棄、その上にゴルフ場の数もすごい。自然がズタズタにされているし、最近は改良土の埋め立ても多くなっているということです。特定廃棄物(放射能8000ベクレル以上の含有廃棄物)処理場に話もあり、我慢しきれなくなった市民有志による反対運動が昨年は盛り上がりました。

 そんな街にしないためにも、ザル法化している県条例にこのまま委ねていてはいけません。
今回の再提案には、担当課のぎりぎりの判断が込められているのであろう・・とみています。
 下の図面は、市原市の現状です。袖ケ浦市もこのような地図を作るとどんな図面になるのでしょうか・・今ならまだ間に合います・・・残土条例はぜひ成立させねばなりません。

 3月議会での討議と、議員一人一人のこの問題に対する判断を厳しく見つめていきたいと思います

  Kawakami (この稿終了)

市原市.PNG

残土条例再提案3 [残土埋立]

 残土条例についての討議の中で、必ず出てくるものは地権者の権利侵害という事項です。私有財産である土地の賃貸借や、売買について、みだりに行政権力が介入することは避けるべきであるという意見です。残土埋め立て地は山林に多い事業であり、山林の売買や賃貸は、確かに地権者にとって、絶好のチャンスでありめったにない機会でありましょう。あっさりと業者に売ってしまったり、あるいは「原状回復」を条件に、土地の貸与を承諾する地権者が多いことは「さもありなん」とうなづけます

 しかし、そのことで起きるリスクは多様にあります。一番は異常気象による水害・崩落です。次に搬入土壌の有害物質の混入による、埋め立て土壌から流出する有害溶液です。更には、事業途中での放棄による原状復帰など全くできない状況になってしまうこと。(いくつも事例アリ)

 今回の条例には、特に項目を設けて(36条)「埋め立て事業にかかわる土地所有者に対する措置命令」として、これら事故の場合、「搬入土壌の撤去や、崩落などの場合、災害の防止する措置を命ずることができる」となっており、地権者の責任が明確に定められています。
地権者も、新たな事態として、自然保護、公共福祉の立場から、土地の売買、貸借について、その土地利用内容をしっかり吟味してかからねばなりません。

 内容の中には、木更津のような事業周囲2km以内8割の同意や、県外残土の搬入禁止項目など、君津や木更津のような厳しい条項は見当たりません。しかし、袖ケ浦市では、平成14年9月議会で、下記のような表題の意見書が、全会一致で採決されていることを思い出してください。当時の議員さんたちは非常に先進的な意識をお持ちだったようです。当時の議員さんの中には、実際に埋め立て事業をなさっていた方もいらしたようで、「よくぞまあ全会一致とは・・」と感心させられます。

「県外の残土を持ち込ませない」県条例ならびに
「残土埋め立てに実効ある規制を求める」県条例の制定を求める意見書について

このような表題の意見書が 提出者  林  弥雄 
             賛成者  岡田  実
                  石井 正信
                  渡辺 広行

以上議員によって提出され、満場一致の採択がなされたのです。「今では考えられないほどすごいことをしたものよ・・」と思います。

(この稿続く)
         

残土条例再提案 [残土埋立]

 皆さんは「残土」と「改良土」の違いをご存知ですか。一般的には「残土」は、建設発生土を指します。しかしこの中にコンクリート塊やアスファルト、建設汚泥、建設木材なども当然出てきます。これらは産業廃棄物、あるいは油類は特別管理産業廃棄物などの名称で厳しく分別しなければなりません。

 さてこの残土ですが、原則的には、建築現場での活用が求められていたものが、大規模な開発に伴い、大量の現地活用余剰残土が生じるようになり、千葉県でいうと、首都圏からの残土がどっと埋め立て残土として流れ込んで来たという経緯があります。

 一方、残土の有効利用ということで、人工材料を付加し改良した土が作られるようになりました。これを「改良土」と言います。しかし有効利用するはずのものが、残土埋め立てへの規制強化で、逆に残土に何らかの手を加えた改良土として埋め立てる・・・という業者が現れ始めました。「これは残土ではないので、法律に引っかからない。地権者の許可があれば勝手に埋めてもよい」ということで、残土条例の網をくぐっての不法投棄が、急速に増加したのです。(この中には産業廃棄物を加工したものなども含む)

 木更津市の「改良土」不法投棄をその筆頭として(この不法投棄地の一部は袖ケ浦市内)
当袖ケ浦市でも、数か所ソーラーパネル設置の地盤整備を名目の、改良土埋め立てが行われたことを聞いています。

 「改良土」は、確かに、従来の「残土条例」の対象外の土であったため、行政は全く手を出せない状況でした。今回、再提案される「残土条例」には、このことに対する対応が、明示されています。このことは他市にはない画期的なことと言わねばなりません。再提案の最も重要な部分です。高く評価したいと思います。(続く)

Kawakami






残土条例再提案 [残土埋立]

残土.PNG 

 上記写真ではっきりとわかります。袖ヶ浦港に積み上げられた残土は、以前に増して大きな山になっています。君津市では「県外残土の搬入禁止」を打ち出した残土条例を作りました。その理由の一つに、県外残土が港に積み上げられた時点から、発生元が不明になることが記されてありました。条例成立以降、残土埋め立て申請はゼロの状態が続いています。
また、この間行われた市長選で、残土条例廃棄を狙った候補は落選しました。

 木更津市下郡地区の高尾産業による残土埋め立て計画は、2km以内8割の住民同意という残土条例の壁を破ることができず断念に追い込まれました。住民側の固い団結が、残土条例に守られて勝利を勝ち取ったことになります。この取り組みを支えた市議会議員は、党派を超えたメンバーが並んでいます。木更津もこの事案と、改良土の不法投棄を除いて、埋め立て申請はありません。

 今回、袖ケ浦市で再提案される。残土条例案の提案趣旨の冒頭に、「規制対象外の土砂等による埋め立てに関する課題」には次のような文言が記されています。

「本年度に入ってから、市内で建設汚泥処理土等による埋め立てが急増しており、近隣住民の不安を払拭するためには、早急な規制の必要がありますが、県条例の適用を受けている現状では、独自に規制強化を図ることは困難となっています。」

 まさに、私たちが指摘してきたとおりの現実が、いま表れてきているのです。また前回議会否決後、県に対して要請した「県条例の厳しい適用要請文書」も、市民に向けてのアリバイつくり的な手続きにすぎなかったことも明白になったと言えましょう。

 さて、それでは、今回再提出の残土条例の内容には、問題はないのか? 内容を吟味してみたいと思います。(続く) kawakami


君津市議会意見書提出 [残土埋立]

 昨日に引き続き、君津市議会の知事あて意見書を紹介します。

君津環境整備センター第Ⅲ期増設計画に関わるボーリング調査を求める意見書(案)

 新井総合施設株式会社は、君津環境整備センター第Ⅲ期増設計画に関わる環境アセス準備書において、第Ⅲ期処分場が立地する梅ケ瀬層は、久留里駅前の深さ670mの上総掘り井戸の10m下を通過するので、処分場に事故があっても井戸には影響を与えないとしている。
 しかし、その準備書が唯一の根拠としたという「日本油田・ガス田」と、その基礎となった「三梨論文」の双方が示す国本層の厚さから判断しても、あるいは「三梨論文」と久留里近辺の2本の上総掘りの柱状図が示す地層の傾斜から判断しても、久留里では地下455から475mより下は梅ケ瀬層であるといえる。
つまり、準備書が上総掘り井戸の10m下を通過するとした第Ⅲ期処分場の地層は、実際には100m以上も上方にあって、久留里の上総掘り井戸の取水層である可能性がかなり高いと思われる。

 準備書では、地層の厚さの作図についても明らかに無理がある。
さらにいえば、Ⅲ期増設計画地内にある梅ケ瀬層最上部層は、準備書自体が上総掘り井戸の取水層であると認めている地層である。
これらのことは、地震や事故、老朽化等によって万一処分場で漏洩があれば、環境省が「平成の名水百選」に選定した久留里の上総掘り井戸が汚染されることを意味する。

 以上のような指摘にも関わらず、新井総合施設株式会社がⅢ期処分場は安全であると主張するのであれば、千葉県知事として、新井総合施設株式会社に対し、処分場から久留里までの連続ボーリング調査を行い、安全を確認するよう求めることを要望する。

 また、それでも連続ボーリング調査が実施されない場合は、君津環境整備センター第Ⅲ期増設計画の許可権者である、千葉県知事の責任において、連続ボーリング調査を行い、地域住民の不安を払拭し、安寧な生活の確保に努められるよう併せて要望する。

 なお、君津市及び君津市議会では、当初の第Ⅰ期処分場の設置から第Ⅱ期処分場の増設、及び第Ⅲ期増設計画まで、一貫して反対の姿勢をとっていることを申し添える。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

                       平成28年12月20日
                         君 津 市 議 会
千葉県知事 あて

君津市議会意見書採択 [残土埋立]

新井総合に対する知事宛意見書採択

 君津市議会12月議会で表記意見書が全会一致で採択されました。

 私達の飲料水源である小櫃川の上流部、久留里の奥に東洋一を誇る新井総合施設株式会社の管理型処分場があります。管理型と言うことで有害物質を含んだ産業廃棄物や放射性廃棄物が搬入されています。第一期の処分場では汚染水の漏洩が起きて現在県の指示で搬入中止になっています。漏洩が起きているにもかかわらず県知事は第一期に隣接した第二期の処分場の営業許可を出して第二期処分場に現在搬入が続いています。

 新井総合はさらに第三期として、隣接して今までの倍以上の広大な処分場を作ろうとしています。それに伴う環境アセスメントで出された資料では、処分場の地層は久留里の上総堀りの取水層の10m下を通るから問題なしとしていますが、小櫃川の水を守る会の分析によると、処分場の地層は正に久留里の井戸の取水層であることが判明しました。これでは万一汚染水が地下に流れ出したら久留里の井戸は全滅となります。

 そこで水を守る会と久留里の自治会、水利組合など四団体で君津市議会に対し、「新井総合はボーリング調査を行い、地層をきちんと調査すべき」という内容の知事宛意見書を出すよう請願しました。議会では全会一致でこの請願を採択し別紙のように知事宛意見書を出すことになりました。

 袖ケ浦市民の飲む水の水源である小櫃川の上流にこのような問題が起こっているわけで、袖ケ浦市民、市行政、市議会はこの問題にもっと関心を寄せ、私達の問題として考えねばなりません。
                  小櫃川の水を守る会 会長 関  巌

(明日のブログに、知事あての君津市議会としての意見書を掲載します。)

市原市で「市原の水・土を守ろう集会」 [残土埋立]

「日本一のごみ捨て場」と言われている市原市の市民が起ち上った。下記日程で抗議よ「残土条例策定要請」の集会が開かれる。ぜひ可能な方のご参加を要請したい。  kawakami

日時  10月23日 (日)午前10時~12時    
会場  なのはな館(南部保健福祉センター・市原市牛久377-1) 徒歩10分  
主催 養老川の水を守る会
連絡 090-1882-7744(太田)

▼ 呼びかけチラシには、次の文章が掲載されてある。

千葉県はこれまで首都圏で残土・産廃の処理を負わされてきた。そして市原市は、産廃不法投棄全国ワースト1位という不名誉な町として有名となり、今もそのまま各地の里山に放置されている。

 その後、産廃の不法投棄に対する規制が厳しくなり、処理業者の手法が残土と称した手口に変わり、これに悲鳴をあげた18市町は残土の独自条例への改正を行った。隣接する袖ヶ浦市・茂原市も改正作業を進めている。このままでは残された市原市にさらに汚染土が集中することになる。

 本年6 月、これにストップをかけるため町会組織を主体とした54団体が、市条例改正を求め立ちあがった。しかし6 月・9 月市議会は、これを継続審議とした。昨年、放射性廃棄物問題を争点とした市長選で残土条例改正を公約に当選した市長もまた県条例の改正を求めるだけで、市条例の改正には前向きではない状況となっている。

 今はさらに業者の手法は規制のない再生土埋め立てという手口に変わり、私たちの生活道路にまで違法改造した過積載の大型ダンプが我が物顔で入ってきている。議会答弁では「土地所有者の権利」のみを保護する主張が繰り返されるが、これはよくテレビで話題となるごみ屋敷の主の言い訳と同じようにしか思えない。
 なぜ私達市民・住民の思いが条例に反映できないのか、もう一度じっくり話し合いたい。
         濱屋郁生( 鶴舞在住)


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木更津・「ふるさとを守る会」勝利! [残土埋立]

本日(13日)づけの朝日新聞朝刊に、木更津市で残土埋め立て事業計画中の高尾産業が、厳しい条例をクリアーすることができず断念したことを報じている。このスクープは堤記者の署名記事である。

 事業者は高尾産業(市原市)で、21万㎡の埋め立てt地に東京五輪関係の工事残土204万㎥を埋め立てようとするもので、用地の8割は買収済みであったという。ご承知のことと思うが、木更津市の残土条例は、事業地周囲2㎞の住民8割の同意が必要であるが、この事業に反対の住民が「ふるさとを守る会」を立ち上げ7割以上の反対署名を集めて市に提出。市議会も住民からの陳情を採択した。

 業者は、反対運動の差し止めを求める仮処分を千葉地裁に申し立てた。しかし最終的には取り下げた。断念したとある。

 房総半島内浦湾沿いでは、
① 館山市の坂田処分場の県条例にも違反すると思われる4年間の事業を終えたにもかかわらず、事業延長を許可したことでの、地元住民との争い。
② 鋸南町での、区長独断で印鑑を押したことで、許可の出た汚染土壌埋め立て問題での、町ぐるみの反対運動
③ 富津での太平興業残土問題
④ 君津での新井綜合の事業延長を求めることでの争い
⑤ 木更津での高尾産業と「ふるさとを守る会」との争い
と、残土問題の争いは軒並みに発生している。今回木更津市が、独自条例によって、業者を断念に追い込んだことは、今後の独自条例策定に向けた自治体の動きが、活発になることが予想される。

▼ 袖ケ浦はどうか、木更津、君津両市は、条例策定後の事業申請は、木更津のこの1件である。この間11件もの事業申請が袖ケ浦市に集中し、袖ヶ浦港の残土は港に山積みされている状況にある。発生源もこの山積みの状態では、めちゃくちゃになっているに違いない。残土条例再提出が予定されていると聞く。市議会議員選挙での選出される12月議会では、どのような判断を下すのであろうか?市民は新議員の動向に、厳しく注目する必要がある。

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