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『少子高齢化は政府による人災』(その4) [国政]

(5)なぜ待機児童問題は20年以上解決されないのか?

 この40年間、子育て世代には、税金の負担増だけじゃなく、様々な負担がのしかかかってきました。その代表的なものが、待機児童問題です。この待機児童問題は、最近でもよく話題に上りますが、問題として認識されたのは1990年代なのです。実に20年以上、解決されていないということです。

 1990年代のバブル崩壊以降、サラリーマンの給料が減ったために、主婦が働きに出るケースが激増しました。現在は、夫婦共働きというのは普通のことであり専業主婦の方が珍しいですが、1990年代前半までは、「共働きの家庭」よりも「専業主婦のいる家庭」の方が多かったのです。当然、保育所の需要が増えたわけですが、保育所がなかなか新設されないために保育所に入れない待機児童が激増し社会問題となったわけです。

 この待機児童問題は、実はいかにも「現代日本」らしいというか、現代日本社会の政治の貧困が如実に表れたものなのです。

 待機児童問題というのは、実は解決しようと思えば、まったく簡単なのです。待機児童の数は2万人前後です。一人あたりに100万円かけたとしても200億円程度で済むのです。日本の国家予算は現在、100兆円の規模がありますから、わずか0.02%です。まったく他愛もなく解決するはずです。

 にもかかわらず、なぜ20年間も解決しなかったかというと、保育業界が強力に反対してきたからなのです。「今後少子化が進めば子供の数が減るから、保育所の数をこれ以上増やすな」ということで、保育業界全体が、待機児童問題の解決を阻止してきたのです。

 自分たちの利権のために、保育所の新設に抵抗し続けてきた保育業界も保育業界ですが、嘆くべきはたった200億円程度で解決できる問題を放置してきた政治の貧困さ、です。

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