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住民投票を考える~その3・なぜ議会の壁は厚いのか~ [住民投票]

  議会が住民からの直接請求を否決した時、その理由に挙げる主要な論点は2点に絞られている。

  その第1は、「2元代表制の根源にかかわる問題で、住民請求をそのまま通していたのでは2元代表制を崩しかねない。」という論点である。この論の致命的欠陥は、主権者はだれかということを忘れ去り、自らが主権者であるといった錯覚に陥っていることである。デモクラシイの語源は「民衆の権力」(デモス+クラティア)である。直接民主主義があくまでも本来の姿なのだ。それが現実的に不可能になったため、選挙という方法をとり、政治を負託し、間接民主主義の形をとっている。

  しかし、議会がその負託にこたええない事態が生じたとき、やむなく住民が本来持っている直接民主主義の力を駆使しようとしているのが住民の直接請求なのだ。議会が住民の負託にこたえ、民意をくみ取る努力をしていれば、通常起きることのないものであることを銘記すべきである。


  第2は「大衆は。その時のムードに流され、将来を見通した政策を立案する力に乏しい」つまり「大衆衆愚論」である。その典型が破たんした夕張市で証明された。炭鉱廃山後、あの北海道の山の町を観光都市にするべく、市と議会が一つになって、次々と投資を続け、そのすべてが崩れ去った。隣の町の栗山町議会は、暴走を食い止めることのできなかった議会の在り方を目の当たりにして、夕張の教訓を自らのものとして、いち早く「議会基本条例」を作成し、議会を町民に公開し、議員相互の討論形式の議会運営を打ち立てている。

  袖ケ浦駅北側開発で袖ヶ浦市民は、圧倒的差をつけて「市自体が主体者となっての北側開発」を頓挫させたことに対し「あの住民投票結果は間違いであった」と発言した議員がいる。こういう認識こそ、議会と市民の距離を広げていることに気づかないのであろうか・・・。

                                                 kawakami

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