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袖ケ浦市議会傍聴記 4 [議会ウオッチング]

 議会傍聴記 その4

議会を傍聴してのむなしい感想

  関 巖

 3月議会で議案第4号を審議した文教福祉常任委員会および本会議を傍聴して、なんともすっきりしなくむなしい印象を受けた。

 粕谷市長提案により18歳までの子どもの医療費を無償化すると言う素晴らしい条例案だったが除外規定があって親の扶養を離れた者は対象から外すという条例案が可決された。

 文教福祉常任委員会では、除外規定を削除し全員に無償化すべきと言う塚本幸子議員の修正案は可決されたが、本会議では否決され原案通り除外規定が入った条例案が可決された。

 審議の中で修正案に反対の議員も、子ども達全員を無償化すると言う考えには賛成すると表明していたが、現条例が保護者を対象とするという建前なので保護者から外れた子どもは対象で無いという。

 そして修正案が否決され結果として無償化から外れる子どもが出てしまった。

全議員が全員の子どもに無償化をすべきと考えているにもかかわらず、一部の子どもを外すという結果になぜなってしまったのだろうか。

一つには

 市長原案を作るとき、このことを考えなかったのかと言うことである。最初から全員を対象とする条例案にして提案すれば何の問題も無く全員賛成で可決されたと思われる。せっかく素晴らしいものを作ったが粕谷市長がもう少し思慮深かったならばもっと良いものが出来たであろう。画竜点睛を欠く、とはこのことだ。

二つには

 全員を対象とするという修正案が出たとき、現条例は保護者に助成するものなので、除外規定を外すと条例の整合性が取れない、と言って修正案に反対した議員が多いが、それならば継続審査にして整合性が取れるように更に修正するなり、市側に差し戻すなりして全議員が望んでいるような全員を対象とした無償化の条例を作れば良い。

 18歳以下の全部の子どもの医療費を無償化すると言うまともなことが通らなかったことの最大の不幸は市民である。

 このようなことが出来ない市長や議員に正直がっかりした。



重複したりしますが細かい感想を補足します。

1.但し書きの、婚姻や就職した場合を無償化から除く、と言う粕谷市長提案は聞いていて全く説得力が無かった。私は高校の教員をしていたが、授業料が払えずやむなく退学する生徒を何人も見てきた。むしろ高校に通える子の方が経済的に恵まれていると言える。

このように退学して就職したら無償化から外すと言うことは全く納得できない。

 最近は結婚の前に同棲している場合が多いが、同棲の時は無償化の対象になり婚姻届を出すと無償化にならないと言うのも説得力にかける。届けを出しても出さなくても生活実態に変わりはないのだから。

委員会審議で修正案に反対の議員から、40代の裕福な人と結婚した場合でも助成する必要があるかとの意見が出たが、扶養者がいて助成を受けている家庭で裕福な家庭が沢山ありこの子は助成されると言う事なのに、それには何も言わない。こんな極端な場合を出して否定するなどただ単に反対のために反対しているとしか聞こえない。



2 修正案を受け入れない市側および修正案反対の最大会派の清風会所属の議員の主張は、ただ一点、助成の対象が保護者であり婚姻や就職によって保護者から離れるので助成する保護者がいないから、と言う形式論である。

 他の市ではそのような条例でも運用で全員を対象としている市もある。

また除外規定を削除すると条文の整合性が取れないとか建て付けが悪くなると言って反対しているが、それなら整合性がとれる条文に変えれば良いだけの話しだ。

 そのことをせず形式論にこだわって修正案に反対するのは説得力が全くない。

木を見て森を見ずとはまさにこのことだ。

3.隣に住んでいる子が高校に通えて医療費が無償、一方自分が授業料を払えずやむなく退学して就職すると医療費を払う、このような不公平なことを市民に与えることになることを予想できない市長、清風会は想像力に欠けると言わざるを得ない。

 政治は常に少数者、弱者に目を向けることが大切である。市長や清風会にはそのような視点が無いのが哀しい。

 せっかく他市に先駆けて18歳以下の子どもの医療費を無償化するのであれば、平等に全員を対象にすれば絶賛されるであろう。

4.子どもの医療費を無償化するのは医療にかかれない子を少しでも無くし、健康な生活を過ごすことと、医療にかからなく病気が悪化しむしろ医療費が増大することを防ぐことにもなる。

5、この条例の第1条には目的として、「子どもの保健対策の充実及び保護者の経済的負担の軽減を図り、もって子どもの健康の向上及び福祉の増進に寄与すること」とあります。

この文言を読むと扶養を外れても無償化にすることは出来るはずだし、現に他市ではそうしているところも多い。なぜ除外規定にこだわるのか。

 委員会で砺波議員の質問で、例外規定を入れるメリットは何か、に対して市側の回答は無く、本会議で篠崎議員から再度同じ質問が出たときはメリットが無いと答弁している。

逆に除外規定を入れ除外の対象かどうかを審査する事務量の方が大変でデメリットの方が多い。

6.討論の際、賛成、反対の議員がいろいろ意見を戦わせよりよい案を作るものと思っていたが賛成、反対の意見をただ表明するだけの言いっぱなしで、委員同士で話し合いよりよい案を作ろうとしていないことに驚いた。学校では意見の相違があったときは話し合いでよりよい案をつくることが当たり前のことで、それが討論です。

条文の整合性などは議論して直せばいいだけの話しだ。

子どもができて大人が出来ないのは恥ずかしくないだろうか。

7.傍聴者には議案が配布されていなく、耳で聞くだけでは正確に理解できない。傍聴議員はタブレットで議案を見ているので、傍聴者にもタブレットを用意して欲しい。かずさ水道広域連合企業団議会では昨年秋に傍聴者にも議案を見せて欲しいと要望したところすぐに今年の2月の議会では傍聴者に議案が配られた。このようにやろうとすればすぐに出来ることだ。

8、もっと質の高い議論があると期待していたが期待外れであった。

                                以上

                                                         
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