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旧進藤宅屋根茅葺工事参観 [その他]

 3月3日(土)袖ケ浦公園内にある旧進藤家住宅茅葺屋根改修工事見学会(第2回)に参加してきました。第一回目は昨年の12月10日でした。約3か月後にどのようになっているのか、日本古来の屋根葺きはどのように行われるのか・・・興味深く参観させていただきました。

 茅葺は、すでにカヤの束が何層にも積み重ねられ、棒杭が打たれ、徐々にその形ができつつありました。庇の部分もきれいに刈り込まれ、形が整えられてありました。7割方完成しつつあるようです。

 このような見学会では、そこに参加された方々との会話が楽しいものです。今回は、この建物が建てられてから170年もたっているのに、どうしてこのように堅牢さを維持しているのかという話題が盛り上がっておりました。

「鉄筋コンクリートは、約40年、長く持たせて50年しか持たない。それは鉄筋が腐食し、腐食すると膨脹し、コンクリート部分を崩していく。木更津の庁舎も、君津の庁舎も、そしてわが袖ヶ浦市の庁舎も、40年から50年で立て直す羽目になる。思い切って、庁舎なんかは、木造2階建ての、特徴ある、市民が使いやすい庁舎にした方がよいと思う。木造2階建ての高等学校の校舎が木更津にある。エレベーター、エスカレーターの必要もなく、災害での被害も少ない・・あのような建築物が見直されるべきだと思いますよ。」
「特に威容を誇るような意識丸見えの庁舎など、かえって恥ずかしいと思いますがね・・」

「昔は、隣近所数軒が共同して、カヤ山を作り、毎年交代で一軒ずつ順番に屋根葺きを行ってきたものだ。今はすっかりそういう文化も廃れ、共同体としての意識も薄れてしまったね。それと同時に職人さんたちもいなくなってしまった。今ではこうやって葺き替えをするにも、わざわざ新潟の職人さんが来てやっている。伝統工芸的仕事を維持する貴重な存在ですね。」

 話題はいつの間にか、日本古来の木造建築の精微な技術から、堅牢さから、現代文明批判にまで発展し、袖ケ浦市役所庁舎建設内容批判で決着したようである。

 見学会では、今回の工事で、新たに発見された建築上の問題なども報告されていた。最後にこの家屋をそっくり寄贈された進藤さんから
「近隣都市で、このような建築物が残されているのは、木更津に一軒あるだけで、袖ケ浦の方がそこより一回り大きい家ということもあり、幕末における制度、生活を知る貴重な文化財と言えましょう。行政を含め市民の皆さんがこのことを共有され、大切にしてくださることは嬉しいことでもあり、心から感謝申し上げたい・・」
との言葉がありました。

 8月ごろ完成とのことです。完成時にはまた来てみたいと思います。 kawakami

旧進藤宅茅葺工事.PNG





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