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町長がJR本社に乗り込む [JR]

 一昨日掲載したJR問題の市民から、群馬県の上毛新聞の記事が送られてきた。例によってJRの駅無人化の問題だが、この町では、町長を先頭に議会も一つになって、JR本社へ抗議に乗り込むことになっている。こういうう自治体が次々と現れてきている。その記事をそのまま掲載する。
                       kawakami

 群馬県のJR上越線の後閑駅(みなかみ町後閑)が20日から無人駅となることが18日、分かった。通学定期などを販売するみどりの窓口の営業を19日で終了する。駅は利根商業高の最寄りで、通学や観光などで1日に平均800人が利用しており、「不便になる」「トラブル時に尋ねる駅員がいないと困る」と不満の声が上がっている。町はJR東日本に無人化の撤回を求める方針だ。

◎通学や観光で1日800人利用
 同社高崎支社によると、駅の利用者数や人員配置などを踏まえて判断したという。20日以降、切符は自動券売機のみでの販売となり、券売機で買えない定期券や特急券などは、近隣の沼田駅や水上駅で購入するよう呼び掛けている。

 利用客には町内の利根商業高に通学する生徒も多い。同高2年の女子生徒は「定期券の更新が不便になる。電車が遅れても、状況を聞ける人がいなくなってしまうのは困る」と不安を口にした。別の2年の女子生徒も「改札を出た所で駅員の方がいつもあいさつしてくれていたのに」と残念がった。

 同駅は与謝野鉄幹・晶子夫妻ら町の自然を愛した歌人が降り立ったことで知られ、鉄道ファンには現在走行しているSL「D51」が保管されていた駅として親しまれる。猿ケ京など町内の温泉地へ向かうバスも停車するため、みなかみ観光の玄関口にもなっている。

 町は生活と観光への影響を懸念する。同支社から2月に無人化が伝えられ、町と町議会は3月、撤回を求める要望書をJRに提出していた。20日には前田善成町長らがJR東日本の本社を訪問し、直接撤回を求める。前田町長は「駅は住民の生活の一部。住民に十分な説明もなかった。もっと地元のことを大事にしてほしい」と話した。

 町役場前ですが… みなかみのJR後閑駅 20日から無人化 高校生「困る」 町は撤回要望へ
県内のJR上越線の駅
 上越線は高崎駅と新潟県の宮内駅を結び、本線の35駅の中で無人駅は現在15駅。県内は土合、湯檜曽、上牧、岩本、津久田、敷島の6駅が無人となっている。
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鉄路の未来描けず [JR]

 18日の東京新聞に「鉄路の未来描けず」という大きな見出しで「路線存敗廃に揺れるJR北海道と地元」と題する特報部の記事が掲載されておりました。ふるさとが北海道という私は、廃線が予測されている最果ての地で奮闘している友人の顔が浮かんできます。この記事を書かれた記者のデスクメモを紹介することにいたしましょう。
「ローカル線が切り捨てられる一方で、兆の金を投じてリニアが建設される。鉄道は国の在り方に深くかかわる。住む人たちの足がなければ、地方が活性化するはずもない。経済性はもちろん大切。と言っても錦の御旗ではない。採算ばかり考えずに路線の要不要を見直さねばならない。」

 鉄道研究家・山の井さんが、実際に現地に行き確認された調査結果を報告されています。無人駅の実態です。なんとその数100駅を超えているというのです。一方に赤字路線を抱えるJR北海道があり、数兆円を内部留保しているJR東日本社があり、その大金持ちの会社での、一層進めようとしている合理化の焦点、あくなき無人駅合理化の実態です。今日は総ざらいに並べてみることにします。

★最初に、 愛知県の武豊線、九州の香椎線と筑豊線、大分市内8駅と新京成線は別途、調査を予定
遠隔操作は、早朝、早朝と21時台の1時間、終日と駅によって異なりますが、大半が早朝実施になります。

★ スタート時に導入駅・2014年2月より
片倉、八王子みなみ野、相原、成瀬、古淵、町田・ターミナル口、馬喰町・東口、鴨居、十日市場、田端・南口、大久保・南口、中山・地下鉄連絡改札、東京・京葉地下八重洲口と丸の内地下南口、淵野辺、矢部、東所沢、新座、王子・南口・・・ 東所沢は駅長配置駅

★ 2014年4月以降
千葉支社
舞浜・北口、市川塩浜、二俣新町、浅草橋・西口、両国・東口、亀戸・東口
検見川浜、千葉みなと、新検見川、西千葉、浜野、八幡宿、長浦
千葉駅西口→予定
舞浜駅北口は終日

常磐線
三河島、南千住
  →荒川区議会で平成26年11月定例会で全会一致で説明を求める意見書が採択
北松戸、馬橋、北小金
 →松戸市は容認の動き
南柏、北柏、天王台、取手・東口

埼京線
十条・南口→2015年9月、障害者団体と現地の都議と区議が働きかけなどあり
北赤羽・浮間口

川越線
日進から南古谷の4駅

高崎線
宮原から本庄までの上尾と熊谷以外の12駅と新町> ただし、神保原は遠隔はなし
倉賀野は夜間無人化駅

根岸線
新杉田、洋光台、港南台

横須賀線
逗子・東口、東逗子、田浦、衣笠、久里浜
 →衣笠駅で2015年2月に横須賀市の市民の声に不安の意見が・・> →逗子駅東口は終日

伊東線
来宮、伊豆多賀、網代、宇佐美→この4駅は終日。> 実施前2015年2月に熱海市内で説明会開催あり

南武線
稲田堤、平間、向河原、宿河原、中野島、矢野口、久地、矢向

東海道線
平塚・西口→平塚市議会で2016年3月に一部議員で動きが
大磯→2016年1月に大磯町議会の全員協議会で執行部より説明
二宮

水戸線
結城

宇都宮線
尾久、自治医大、石橋、雀宮、東大宮→さいたま市議会で2016年7月に現地の住民団体と働きかけの動きが
白岡→白岡市の執行部と議会が動きが2016年6月に。
東鷲宮、栗橋→平成28年6月の久喜市議会で動きが

武蔵野線
南流山、吉川、三郷、新三郷
→吉川については関係の工事実施前に吉川市への事前説明はなしに自治体側は激怒。執行部、市議会とも三郷市と連携しての動きあり。2015年1月と平成28年12月に

中央線
国立、東小金井

青梅線
昭島


神奈川県鉄道輸送力増強促進会議
27年度の要望内容で相模線への改善要望、28年度の要望は横浜線の矢部と淵野辺についての改善要望が

相模線
原当麻と上溝は早朝
宮山、倉見、社家、門沢橋、相武台下、下溝、番田は終日

埼玉県議会・29年2月定例会の秋山文和議員の質問やりとり
→県内の武蔵野線、宇都宮線、高崎線、川越線の28駅が遠隔実施。執行部は改善要望と、連絡会議を通じての協議も求めたようです。
→私の調査で28駅のうち25駅を特定しました。

別記
北高崎駅では朝と夕方のみ窓口営業
水戸支社では、駅のみどりの窓口設置や時間で柔軟なケースもある

遠隔操作でない早朝に改札が無配置の駅
物井、酒々井、横芝、袖ヶ浦、巌根
青梅線、五日市線の一部の駅
南武線の西国立、西府

2018年2月13日現在             以上 kawakami




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ビックニュース二つ [JR]

 ビックニュースふたつ・・JRに風穴を・・

「本日国土交通委員会におきまして、かねてからの懸案でありますJR内房線ダイヤ改正と、袖ケ浦LNGバンカリング拠点の問題を取り上げました。特筆すべきは政府参考人として藤井直樹鉄道局長より「次期ダイヤ改正より改善してまいります。」との前向きな回答を得たことでした。皆さまのご努力のおかげと存じます。引き続きこの件はトレースして参ります。」

 上記の文は青木愛参議院議員の昨日のブログにあったものです(12月7日)
ここには二つの重要なニュースが含まれています。

 一つ目は、内房線の木更津以降はすべて乗り換えねばならぬとか、特急廃止とかの無茶苦茶ともいうべきJRの内房線ダイヤ改悪に対し、立ち上がった市民の力は、5000筆を超える署名となって青木参議院議員を通じ、国土交通委員会の討議事項となり藤井直樹鉄道局長の裁断が下ったこと。

青木愛.PNG

 二つ目は、袖ケ浦中袖の先端にある東京ガスのLNG基地が、国策の一つとしてLNGバンカリング拠点として整備される方向にあること。

 LNGバンカリングとは、船舶からの排出ガスに対する国際的な規制が強化されるなか、現在主流になっている重油に比べ、クリーンな船舶燃料として、LNG(液化天然ガス)の利用が始まっています。今後、LNGを燃料とする船舶の普及が見込まれることから、LNGバンカリング(船舶への燃料供給)拠点をいち早く整備することにより、我が国港湾の国際競争力を高めることが必要です。(国土交通省)

 このことについて、青木議員が取り上げた経緯は、下記の議事録に掲載されているように、突然出てきたことではなく、今まで積み上げてきた事案であることが分かります。東京ガスの具体的対応をお聞きしたいと思っています。
 
2017年6月1日の国土交通委員会議事録

 最後の質問となりますけれども、石井大臣に一言お願いできればというふうに思っております。  今年の一月に、参議院の調査団で、私、マレーシア、シンガポールを訪れさせていただきました際に、マレーシアの日本大使の宮川大使から、日・マレーシアの経済関係をお伺いした中で、横浜港のLNG、液化天然ガスのバンカリング拠点の整備を進めることが大事だというふうなお話を伺いまして、それ以来、私、この点について関心を持ってきたわけでございますけれども、実は千葉県の袖ケ浦市と富津市にLNGの基地が既に立地をしております。こうした既存ストックを有効活用しながらバンカリング拠点を整備をすることによって、また近隣諸国に対するコスト競争力の高いバンカリングが可能になるのではないかというふうに考えておりますけれども、石井大臣もこれまで様々な取組をされてきたと思いますけれども、一言御答弁をいただければと思います。
石井啓一 国土交通大臣  世界に先駆けましてLNGのバンカリング拠点を形成することは、我が国港湾の国際競争力の強化につながるものと認識をしております。  このため、昨年十月、LNGバンカリング推進に関する覚書を七か国の港湾当局と署名をいたしまして、本年四月にはLNGバンカリング国際シンポジウムイン横浜を開催するなど、LNGバンカリング港湾の国際的なネットワーク構築を我が国が主導して加速をしております。  一方、国内では、昨年六月に横浜港をモデルケースとして官民の関係者による検討会を設置し、LNGバンカリング拠点の整備方策を昨年十二月に策定をしたところであります。この整備方策では、三つのフェーズに分けて推進することとしておりまして、大型船への対応を開始する第二フェーズでは、既存ストックを有効活用する観点から、委員の御地元の袖ケ浦LNG基地を利用いたしましたシップ・ツー・シップによるLNGバンカリングを実現することとしております。  国土交通省といたしましては、我が国がアジアで先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することで国際競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。                                       kawakami


 

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JR千葉支社の利用者切り捨て [JR]

 鉄道研究家の山の井さんからのメールです。自分の目で確かめ、関係行政との連絡を取り、問題点は監督関係機関に通報し指導を求めるという活動を、地道に進めてくれている方です。下記の富津市の担当者との話し合いなど、心ある担当者であれば、皆さん同じ反応であろうと思われます。利用者切り捨てに対する静かな怒りの積み上げは、必ずいつの日か大きなうねりとなるでしょう。以下の指摘を読んでください kawakami

★ 本日は袖ヶ浦駅まで足を運びました。袖ヶ浦から岩井までの内房線の線路の枕木ボルトなしの箇所を注視して、4箇所調べましたが、いずれも改善なし。

★ 富津市役所の企画課にうかがい、10月の駅の合理化などの情報交換をしました。
富津市側にはJRより、上総湊駅のみどりの窓口閉鎖について、時期はしめさず、その方向である話があったようです。
私から、上総湊・岩井・安房小湊・久留里の4駅がみどりの窓口廃止対象ででている話をしましたら、担当者は落胆・・・。青堀から佐貫町までなんらかの駅の合理化で影響している富津市に対して、先にJRが話をしたのでしょうか、まともな事前説明とはいえないです。また、富津市の担当者は、直接、JRとの話し合いの場が必要と話されました。
いわゆる、期成同盟の組織と市町村の連携がうまくいっていないように想像します。

★ 先ほど、私のブログで内房線に関わる花火大会の臨時列車の掲載をだしました。来月8日は館山で花火大会がありますが、皮肉にも木更津から館山行きの臨時列車については、君津で総武快速の接続をとるようです。昨年は5分違いで接続ができませんでしたが、よほど、沿線からの不満を警戒をしているのでしょうか。



「内房線と地域を守る会」結成集会 [JR]

「内房線と地域を守る会結成総会」が、21日(日)館山市南総文化ホールで行われました。
100名定員の会場は満席で、椅子を搬入するほどの盛況でありました。
結成総会は、議事次第通り進行され、盛会裡に終了したのですが、私が一番、心を惹かれたのは、集会終了後、第2部として行われた、3月からのダイヤ改正によって、実際に困っていることと、次にJRに対し、こうすればもっと良くなるという、JRへの提案事項についての討議でした。そのことを報告したいと思います。   kawakami

★ ダイヤ改正により、東京までの特急廃止、直行便廃止・・これは県内唯一のものです。木更津から先の便にすべて乗り換えなければならないというダイヤになったのです。その上、早朝第2便がなくなってしまいました。その結果通勤に大きな支障をきたしています。

★ 高校の先生と、私学で通学用のバスのドライバーをしている方から、驚くべき状況が報告されました。それは、木更津から館山方面へ通学する生徒が徐々に減少傾向を見せていること。ドライバーの方からは、JRが不便になったので、木更津地域の私学では、通学バスを館山まで用意し、送迎するようになってきたこと。その結果、生徒の奪い合いのような状況が生まれてきていること。更に、JRのダイヤ改悪により、学校での部活をする生徒数が減少していること。これらのことが、切々と述べられておりました。

★ バスがあるからよいという意見があります。それに対して、幼児はバスの長時間乗車は、周辺に迷惑をかけるので、やはり電車の方が良いのだが、乗り換えで不便という話。

★ 千倉に実家のある方から・・市川に勤めているのだが、親の事情で家に帰っています。
ところが、千倉から館山まで行く便が不便。以前であれば、千倉が最終ということもあってなんとかつながっていたのですが、今は無理。館山中心の運動にならないように・・・

◎ JRへの提案
▲ 私たちも車に頼らず、片便だけでもJRを利用しませんか…という呼びかけや
▲ JRも、以前のように、東京周辺自由切符とか、今まであったサービスが、どんどんいつの間にか消えています。一方函館まで90万円を超えるような列車を作っているけど、お金持ちは乗るかもしれないけど、目の付け所が違うんじゃないのかな?
▲ WiHiなどのサービスを広めたら、電車の中でも仕事をしていけるよ・・

 最後は、JRのための提言まで飛び出した集会の声を、JRの幹部の皆さんに、聞かせてやりたいとまで思った集会でした。

国鉄民営化30年 4 [JR]

 国鉄民営化30年になるということを知り、この保線区労働者の悲惨な状態を取り上げたのですが、忘れてはならないのは、このとき起きた国鉄労働組合への弾圧の姿です。

 この記録をつづったKさんは、次のように述べています。
「分割・民営化」を前後したすさまじい国労攻撃、権利破壊、健康破壊、生活破壊、労働条件の一方的破棄、安全は鹿野の結果、いかに多くの事故が発生したか。この一覧表を見れば明白である。どんなに時がたとうが、このことは断じて忘れることはできない。」
 私の友人にも、多くの国鉄労働組合員がいました。退職強要・人事異動等全国に飛ばされていきました。

 浅田次郎の「鉄道員」(ぽっぽや)を読めばわかるように、国鉄時代の職員には、国民の足を守ることに対する自負と誇りを持つ職員が大勢いらしたように思われます。現在の職員がそうではないとは言いませんが、何か大企業の駒にされている感じが否めません。

 上記のようなことを含めて、東京新聞社説が昨年10月26日に総括的に取り上げている記事があります。全文は長くなりますので、その一部を紹介したいと思います。

【JR九州が株式上場を果たした。東日本、西日本、東海に続いたが、残る北海道、四国、貨物はめどが立たない。分割民営化から三十年、格差が鮮明だ。

「本州三社はぬれ手で粟(あわ)で大もうけだが(北海道、四国、九州の)三島会社と貨物は七転八倒だ。国鉄改革法に見直し規定を盛り込むべきだった」。
10年以上前に運輸相経験者が発した言葉だ。

 ドル箱路線の東海道新幹線や需要が大きい大都市圏を持つ本州三社は一九九〇年代に上場した。対して三島会社は当初から赤字が見込まれ、国からの持参金(経営安定基金)頼みの経営。当時7%台の高金利で運用益を充てるはずが超低金利で目算は崩れた。

◆のしかかる地方路線--------------------

 地方路線の窮状は今や北海道や四国に限らない。JR東日本は東日本大震災で被災した気仙沼線など二路線の鉄路を閉じ、バス高速輸送システムに転換。JR西日本は先月、島根県と広島県にまたがる三江線の廃止を決めた。

 国鉄再建法は、乗客減により鉄道からバスへ転換する目安を四千人未満(一日・一キロ当たり)と定めたが、現在は全JR路線のうちの半分がこれに該当する。

 高収益企業に成長したJR東日本、西日本でも過疎化や予期せぬ災害に遭えば廃線を免れない。言い換えれば、沿線自治体や住民は全国どの路線でも廃線は起こり得ると危機感を持つべきなのだ。

 納得がいかないのは「地方創生」を声高に叫びながら地方路線の存廃問題をJRと地元に任せきりの政府の姿勢である。整備新幹線やリニア中央新幹線に数兆円の財政投融資を決め、建設に前のめりなのとはあまりに対照的だ。

 そもそも国鉄が行き詰まった一因に、政治に翻弄(ほんろう)され続けた面があったはずだ。「我田引鉄」といわれながら全国津々浦々にまで鉄道を敷き、国鉄の巨額の設備投資は政治家の関連企業も受注したといわれた。利権には目ざといが、「負の遺産」の後始末は知らんぷりとの批判は免れまい。

 安倍晋三首相は「整備新幹線の建設加速によって地方創生回廊をできるだけ早くつくりあげる」と意気込むが、切実な地方路線問題にもっと目を向けるべきだ。これでは地域格差がますます広がり、過疎地軽視にならないか。

「鉄道がなくなると町が衰退する」「安易にバスに代替すれば、いずれバスも廃止されるのではないか」といった不安の声があるのは確かだ。だが、本当に鉄道の方が利便性や経済合理性にかなうのか。バスや乗用車の乗り合いサービスのような、より住民の意向を反映できる仕組みも考えられる。】

★ 社説の一部です。これを見ても分かるように、今や鉄道は、人口集中地域の乗り物になりつつあります。その典型を千葉県内JRの姿が証明している感じがします。そして人々も、そのような鉄道の姿を見はなしつつあるような気もします。今はどこで生きているのか??国鉄労働者であった友人たちの姿が目に浮かぶのです。(この稿閉じる)

 


国鉄民営化30年  3 [JR]

 ここに書く数は、国鉄労働組合の交流会資料に記載されていたものからの抜粋です。
特に、分割時点の1987年度~1996年度まで、10年間の記録です。(クリックすると大きくなります)

保線区の死亡者数.PNG

▲この表には死亡者数という欄があり、そこには直轄58名  外注264名という数が記載されています。合計322名のいう数にのぼるのです。すさまじい数・恐ろしいほどの数です。殺人職場ともいえましょう

◎ 死亡者原因
★ 保線区の事故とはどのようなものがあると思いますか。並べてみます。
触車  感電  墜落  圧重  狭窄  衝撃   交通事故 
この中で圧倒的に多いのは、走ってくる車両に触れてしまう触車の事故です。
直轄の労働者が24名  外注の労働者が75名という数は何を表しているのでしょう

★ 近年の特徴は数を見ただけで分かるように、外注化拡大により、下請け、孫請け労働者の犠牲者増大です。山手貨物線での5名触車死亡事故の時は、元受け社員が誰も現場におらず下請けに丸投げ状態にあったというのです(99,2,21)

◎ 記録されたKさんは、個人的に毎年の死亡者数を記録していらっしゃる。その1行1行に「除草作業中に気分が悪くなり休憩。タオルが落ちていると言われかがみこんで2.3m下に墜落。当日12時気温35度」「常磐新線工事で杭打機に挟まれ死亡」というように死亡原因を記録し、あるいは事故の増加に対する関係機関等の通達なども記録してあります。
 Kさんの怒りを込めた告発です。

「発注元⇒元請け⇒下請け⇒孫請け⇒曾孫請けと工事代金は減少、経費が必要なところにお金が薄くなる構造の中、労基法も、労安法もない、劣悪な実態であり、個人の努力や責任を言うのは犠牲者を愚弄するものだ。」

国鉄分割民営化の影の暗い部分に、すさまじいまでの労働者への犠牲があることを、この犠牲者の数は示していると言えましょう(続く)



国鉄民営化30年  2 [JR]

 2月24日、「上総の足を守る会」という集いがありました。国鉄分割民営化30年ということで、この間、日本の公共交通の柱である鉄道は、公共交通と呼ばれることにふさわしい姿であるのか…この間の推移と、現状の問題点を考える集いでした。

 JR東日本千葉支社における、県内路線での合理化のすさまじさが指摘され、特に内房線における、今回のダイヤ改悪は、利用者切り捨ての最たるものであることが次々と、具体的に話題になった後、「職場からの声」という項目があり、現場労働者からの報告がなされました。その中で、私が「これはひどい!」と思ったことがあります。それは「補線」に携わっている方の発言でした。

 保線の仕事は、文字通り、乗客の安全を保障するために、線路に問題はないのか・・を、確認し、補修する仕事です。この保線の間隔が、3か月に一度から6か月に一度というように、徐々に広がってきて、それも派遣・委託業務に移ってきているため、経験の少ない労働者が増加し、それに伴い事故が異常に増加しているという実態があることに驚きました。

 ちょうど私の後ろに座っていた方が、私の質問を聞いて話しかけてくれました。この方はすでに退職された方でしたが、国鉄分割民営化の始まった1987年4月から、退職された2009年7月までの22年間の保線区にかかわる死亡事故のことを、可能な限り記録されてきたというのです。その文書を、会終了後送ってくださいました。

 この文書には、日時・地域と線名・事故の起きた駅間・事故内容等が一覧表になって記されてありました。明日はその内容中、正規の記録に記載されている当初の10年間について、分析も含めお届けしたいと思います。

国鉄民営化30年  1 [JR]

 3月1日の朝日新聞には、一面を使ったJR東日本の広告が掲載されてあった。そこには「レールの先に、あなたがいる」というキャッチフレーズがあり、次の文言が並べてあった

その先にどんな人が待っているだろう  その先にどんな暮らしが広がっていくだろう
その先にどんな未来が描かれていくのだろう お客様を安全に、そして快適に送り届ける
そんな鉄道会社の原点を何より大切にしながら
JR東日本は、鉄道会社という枠を超えて、あなたの毎日のために走り続けます。
人と人をつなぐ、街と街をつなぐ、想いと想いをつなぐ。
地域の力を信じ、地域とともに前へと進む。
鉄道会社にできることはまだまだあるはずだから。
その先にいるあなたの顔を思い浮かべながら、今できることを一つ一つ前へ。

 30年前に国鉄は分割され民間経営に移りました。現在JR旅客6社(単体)経営状況比較を東京商工リサーチは次のように記述しています。
----6社の単体業績をみると、JR東日本とJR東海は、そろって2016年3月期に国鉄民営化後で過去最高の売上高と当期純利益を計上、JR西日本も過去最高の当期純利益を計上した。JR九州の2016年3月期の決算は、上場に向けた固定資産の減損処理などで大幅赤字を計上したが、売上高は過去最高を塗り替えた。
 
 6社の本業である鉄道事業の営業利益は上場3社が黒字に対して、3島会社はそろって赤字だった。JR九州は赤字幅が年々縮小しているが、2016年3月期で115億円の大幅赤字を計上、3島会社では赤字幅が年々拡大しているJR北海道に次いで赤字額が大きかった。---(東京商工リサーチ)

 赤旗日曜版は特集、で「北海道の路線・半減の危機」と題して、その廃線予定図を地図に表しています。無惨としか言いようがない状況です。

 過日、内房線沿線自治体議会6カ所に、陳情あるいは請願を出しました。館山市議会では全会一致で採択され、それが発展して、市民の足を守る会が組織され、活動を開始しています。JR東日本千葉支社は、ここ数年、県内各駅の無人化、「みどりの窓口」閉鎖、ひどいところでは駅の「遠隔操作」による管理が行われるまでになってきています。
 ダイヤは、毎年のように改悪が進み、内房線では、館山―東京間の直通列車は、特急から快速になり、そしてとうとう皆無になりました。

 冒頭の広告文言は、国鉄時代の公共鉄道を謳った文言を、この機に思い出させるものとなりました。一体民営化はこれでよかったのか・・問題を提起したいと思います。(続く)
(クリックすると大きくなります)


北海道JR.PNG

内房線沿線住民の安全と利便性確保の陳情 [JR]

 13日の袖ケ浦市議会・総務企画常任委員会(9:30)で、鉄道研究家の山の井さんと、山の井さんの活動を支援する、館山市の松苗さん、そして私たちの「袖ヶ浦市民が望む政策研究会」で、提出した陳情審議があります。

 陳情の表題は「内房線沿線住民の安全と利便性確保を求め、沿線自治体の連携強化による要請活動を求める陳情」で、JR千葉支社に対する要請活動が狙いです。

 陳情の具体的内容は次の6点です。

▲JR千葉支社への具体的要望事項。
① 内房線のすべての踏切において、安全装置である踏切障害物検知装置または踏切支障報知機の設置を積極的に進めること。

⓶ 内房線にある第四種踏切すべてに警報機・遮断機を早急な設置を求めること。

③ 内房線における強風対策のための防風柵の設置、沿線の倒木対策、生活道路との立体交差の箇所については防災も兼ねた安全対策を施す工事をJR千葉支社側に求めること。

④ 合理化に際し、障害者差別解消法でいう合理的な配慮を踏まえた対応、地元自治体との事前協議の実施をJR千葉支社に求めること。

⑤ 本年の視覚障害者の方々に関する事故増大を踏まえ、なおかつ、高齢者、幼児同伴の利用者の安全確保の観点から、駅のホームへの可動式ホーム柵の整備を含めた、ホーム柵の設置をJR千葉支社側へ求めること。

⑥ エレベーター・エスカレーターの設置に関しては、障害者差別解消法の合理的配慮の部分を考慮した整備を求めること。

 なおこの陳情は、袖ケ浦市、富津市、鋸南町、南房総市、館山市、鴨川市それぞれの議会と千葉県議会にも提出しております。興味、関心のある方はぜひ傍聴にいらしてください。

kawakami





内房線が危ない・・一斉陳情  3 [JR]

JR千葉支社の内房線における、利用者及び沿線住民への安全対策と利便性は、ここ数年間、合理化の名のもとに急激に悪化の傾向をたどっていることは異常の現実からお分かりになられたことと思います。単独自治体での対応は無視され、千葉県JR線複線化等促進期成同盟を含めた、県段階で集約提出されている要望事項も形骸化されている現状にあります。私たちは、沿線自治体の一致した取り組みでこの現状を打開していただきたいものと願い。関係各自治体議会にこの現状打開のための陳情をすることにいたしました。

袖ケ浦市議会、富津市議会、南房総市議会、鋸南町議会、館山市議会、鴨川市議会、そして千葉県市議会です。

 今新たに、合理化をさらに進めるべく準備している情報があります。対象になる自治体は市原市、木更津市、君津市です。この情報はまだ具体的内容が公開されていませんので、今回の陳情からは外してあります。各議会での積極的なご検討をお願いしたいと思っています。

 最後にJR千葉支社には。具体的に下記項目についての取り組みを要請します。

① 内房線のすべての踏切において、安全装置である踏切内障害検知器または踏切支障報知機の設置を積極的に進めること。
⓶ 内房線にある第四種踏切すべてに警報機・遮断機を早急な設置を求めること。
③ 内房線における強風対策のための防風柵の設置、沿線の倒木対策、生活道路との立体交差の箇所については防災も兼ねた安全対策を施す工事をJR千葉支社側に求めること。
④ 合理化に際し、障害者差別解消法でいう合理的な配慮を踏まえた対応、地元自治体との事前協議の実施をJR千葉支社に求めること。
⑤ 本年の視覚障害者の方々に関する事故増大を踏まえ、なおかつ、高齢者、幼児同伴の利用者の安全確保の観点から、駅のホームへの可動式ホーム柵の整備を含めた、ホーム柵の設置をJR千葉支社側へ求めること。
⑥ エレベーター・エスカレーターの設置に関しては、障害者差別解消法の合理的配慮の部分を考慮した整備を求めること。

▲ 沿線自治体と、JR千葉支社との共同で進める事項
本年の通常国会で成立し施行の改正踏切道改良促進法に基づき、いわゆる、危険と思われる踏切について、JR千葉支社と内房線沿線自治体が共同で調査の上、国への指定の働きかけを行うこと。

 以上です。  kawakami


内房線が危ない・・一斉陳情 2 [JR]

今、内房線で、どのような合理化が進んでいるのかを、列挙してみましょう。

▲ 踏切問題
① 本年9月27日、内房線の千歳から南三原の区間の仲原踏切にて人身事故
が発生。この踏切は警報機・遮断機がない第4種踏切です。また、つい先日の11月5日には、久留里線・袖ケ浦市内横田駅、中川橋近くの第四大通踏切で、同じく人身事故が発生しています。久留里線袖ケ浦市内区域には、この種の踏切が3カ所あります。
② 29年1月にSL臨時列車が運行予定の勝浦から館山までの区間には、7箇所
の第4種踏切があります。非常に危険と言えましょう。)
③ また、本年施行の改正踏切道改良促進法に基づき、内房線では袖ヶ浦駅近
くの柳町踏切が危険踏切に指定を受けましたが、内房線沿線には数多くの危険と思われる踏切が存在します。沿線の踏切や駅構内と軌道沿線の安全対策は早急な課題であり、ぜひ実現していただきたい事項と考えます。

▲ 利便性
① みどりの窓口の廃止
② 駅の直営から委託業務への格下げ
③ 主に早朝の時間帯に駅での出改札の駅社員の無配置とする駅の合理化が行われています。

袖ケ浦市内には、内房線13カ所、久留里線袖ケ浦地域内第4種踏切が3カ所あります。国から最大危険踏切として指定された柳町踏切をはじめ、渡り切ったらすぐ道路という馬場踏切など事故が起きないことが不思議なくらいです。早急な対策が求められます。
kawakami

内房線が危ない・一斉陳情 [JR]

2年前の5月15日の私たちのブログに次のような文言がありました。
JR東日本本社のホームページを開くと、真っ先に冨田社長の経営理念が述べられていて、その見出しに「地域に生きる」とあります。社員が毎日斉唱する「行動指針」には、「お客様と地域の皆様のご期待を実現します」とあり、コンセプトワードとして「地域に生きる世界に延びる」とあります。

なんと現実と遊離した言葉でしょう。この文言には一つ抜けている言葉があるような気がしてなりません。抜けている言葉は「搾取」です。明日から「地域を搾取して生きる」と変えられることをお勧めします。

 JR東日本社の内部留保金額は2012年度決算で、2兆3634億円に達しています。たしか、お仕事は「旅客鉄道事業株式会社」つまり公共サービス事業です。「公共サービス」は抜けて、株主のための利益優先どころか、利益追求会社に堕ちたように思われてなりません。

 先日再度JR東日本本社ホームページを開いてみました。するとどうでしょう。いつの間にか「地域に生きる」という文言がなくなっていました。私たちの言うとおりになってきています。

 なぜこのことを書いたのでしょう。実は内房線の安全や利便性が、急速に合理化の名のもとに悪化しつつある現実があるからです。その現実と、そのことに対し7つの沿線自治体議会に対し、一斉に陳情書を提出し受理されましたので、その報告を2~3日続けます。
kawakami

踏切事故 [JR]

5日、袖ケ浦市内久留里線横田駅―東清川間の踏切で、普通列車と軽乗用車が衝突し車に乗っていた20代ぐらいの男女二人が軽傷を負った・・

東京新聞は、17日第4種踏切について「事故多発・遮断機も警報器もなし」という見出しで半ページを使って特集を組んでいる。その冒頭の文章が、上記袖ケ浦で5日に起きた事故のことであった。

10日のブログでは、袖ケ浦市内に、内房線で13カ所の踏切があり、久留里線内では、事故のあった踏切を含めて袖ケ浦区域で3か所の第4種踏切があることをお知らせした。

今日の東京新聞の調査では、千葉には1320か所のふみきり中100か所がこの第4種踏切であるという。今日は袖ケ浦市内16カ所の踏切が、第1種から第4種まである中で、どの種の踏切が当たるのか、わかりやすい絵で説明しておこう。

ふみきり1.PNG


ふみきり2.PNG


ふみきり3.PNG


ふみきり4.PNG


 整備が進まないという原因に、鉄道赤字と書いてあるが、赤字はローカル線で、JR東日本は2兆円を超す内部留保をため込んでいる(2013年段階)不思議な公共事業体である。整備が赤字で出きないということではない。沿線住民の安全性確保のため、整備すべきところは、積極的に整備していただきたいものだ。 kawakami













袖ケ浦市・柳町踏切 [JR]

袖ケ浦市内に何カ所の踏切があるかご存知ですか?今回も、鉄道研究家の山の井さんから教えていただいた資料です。まずはご覧ください。

先週土曜日には、久留里線・袖ケ浦市内横田駅、中川橋近くの第四大通踏切で、人身事故が発生しています。ここは第4種踏切で(信号機・遮断機のない踏切)久留里線の袖ケ浦市内では、この種の踏切が3か所あります。

内房線には、なんと12か所もあるのです。長浦の方から並べてみましょう。この踏切名で、「ああここだ」とお分かりになられた方は、鉄道通と言えましょう。
 笠上 箕和 馬場 蔵波 境 勝下 本堂 神明前 大井戸 柳町 第一市の坪
 中島合 見岳
以上13カ所もあるのです。

 この踏切について国土交通省では「踏切安全通行カルテ」というものを出しています。その内容を紹介します。

国土交通省では、平成19年4月に緊急に対策の検討が必要な踏切として1,960 箇所の踏
切を抽出・公表し、対策を講じてきたところです。
 この度、その後の対策の進展等を踏まえた見直しを行うとともに、新たに、通学路における対策が必要な踏切や事故が多発している踏切を追加し、アップデートした形で緊急に対策の検討が必要な踏切1,479 箇所を抽出したところです。(平成28年6月17日)

 これらの踏切について、新たな試みとして全国の鉄道事業者と道路管理者が連携し、踏切の諸元、対策状況、交通量、事故発生状況等の客観的データに基づき、「踏切安全通行カルテ」を作成しました。踏切安全通行カルテは、踏切の現状を「見える化」しつつ、今後の対策方針等をとりまとめたものであり、今後の対策の実施に当たっての基礎になるものです。

踏切安全通行カルテ作成一覧(別添1)
 緊急に対策の検討が必要な踏切 :1,479箇所(重複除く)

     開かずの踏切 :        532箇所
     自動車ボトルネック踏切 : 408箇所
     歩行者ボトルネック踏切 : 599箇所
     歩道が狭隘な踏切 :      164箇所
     通学路要対策踏切 : 159箇所
     事故多発踏切 :  83箇所

この中に千葉県内での危険踏切は77か所あり、JR関係はそのうち19カ所、リストアップされています。なんとその中に袖ケ浦市の「柳町踏切」(奈良輪田町1204-1))がこのリストに危険踏切として指定されているのです。
 説明資料の中には、通行車1日1508台、通行人229人という資料もついています。
(国土交通省ホームページ)

この踏切は、「緊急に対策の検討が必要な踏切」と指定されたのです。ただ市民の目から見れば、馬場踏切の方がずっと危険な感じがしてなりません。

今後踏切についての道路管理者と(市)とJR千葉支社との交渉が始まるのでしょうが??また全額負担などということのないよう、腹を据えた交渉をお願いしたいものです。

柳町踏切.PNG

Kawakami