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「水と安全はタダ」ではなくなった 2 [水の問題]

  なぜ日本の災害そして水を巡る世界の状況を書いたのか。その前になぜ「水と安全はタダ」であったのか。それは、利益を目的としない公益事業として、自治体(行政)が責任をもって行うことが、あるべき姿として定着していたからである。だから、水道料金の回収率も
99.9%であり、料金が安いことも当たり前のことであった。ただ日本の水道の弱点は、地震が多いので、施設修理に金がかかるという点、利益を求める企業にとってのリスクであった。

 ここに登場した麻生太郎副総理は、2013年4月、米国ワシントンにあるシンクタンク「戦略国際問題研究所」の席で「日本の水道はすべて国営もしくは市営、町営で出来ている。
こういったものをすべて民営化します。」とぶち上げた。これを「水道バーゲンセール」と呼ぶそうだ。この背景には、悪名高い産業競争力会議の竹中平蔵がいる。この発言に世界の水ビジネス企業は飛びついた。

 2018年5月、企業に運営権を持たせるPFI方を促進するPFI法が成立。その特徴は
① 企業に運営権を売却した自治体は、地方債の元本一括繰り上げ返済の時利息が最大全額免除される。その手続きも簡単にする。
② 厚労省の許可がなくても水道料金は届けだけで企業が変更できるようにした。料金の中には株主、役員等への報酬や、法人税、内部留保等も含まれる「原価総括方式」
③ 料金については自治体が上限を決めることができることになっているが、1地域1社の独占体制だから上限は簡単に放棄される。
④ 運営権を売却するときは議会の承認はいらない。
⑤ 施設管理権は自治体(地震があっても修理は自治体)運営権は企業

 かくて日本の水道運営権は、巨額の手数料が動く優良投資商品になった。

 さらにこの法律が有効に働く手続きとして「コンセッション方式」なるものが設定されている。その方式を「かずさ水道広域連合事業団」に当てはめてみる。

① 広域連携・・袖ケ浦、木更津、君津、富津の水道広域連合事業団の発足となった
② 老朽化対策・・袖ケ浦(11.2%)以外は木更津(42.4%)君津(56.2%)富津(49.2%)
   惨憺たる状況にあるといってよい。これを10年以内で完成し同一料金にするという
③ 官民連携・・できた段階で(あるいはそれ以前でも)運営権を民間に売却

 袖ケ浦は、にこにこ笑顔でこの泥船に乗り込んだ・・・。(続く)
 

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