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 農業集落排水事業 [農業]

 5月1日発行の「広報そでがうら」には、28年度の市の財政状況についてのお知らせが書いてあります。このようなページは、よほど関心のない方以外はあっさり目を通して終わってしまいます。
 数日前に「小農学会」のお話を書きましたが、そこに登場した友人が、この広報を持ってきて、「この項目ですよ、典型的無駄遣いは・・・」と話してくれた項目がこの欄にありました。それは市債(借入金)現在高の項目で 19億9336万円というものです。見ただけでは何のことかわかりません。そこで調べてみました。

 そもそも、この「農業集落排水事業特別会計」とはいったい何のことでしょう。
話は1988年前にさかのぼります。
「ウルグアイランド」という言葉に記憶がありますか?インターネットで調べてみると次の言葉が並んでいました。

ウルグアイ・ラウンド(Uruguay Round、1986年 - 1994年)は、世界貿易上の障壁をなくし、貿易の自由化や多角的貿易を促進するために行なわれた通商交渉・・とあります。この交渉と日本はどんな関係にあるかと言えば、次の説明ではっきりしてくるでしょう。
日本におけるウルグアイ・ラウンド合意の影響を緩和するため、細川内閣は事業費6兆100億円、国費2兆6,700億円のウルグアイラウンド農業合意関連国内対策事業費を予算執行した。しかし予算の5割強は農業農村整備事業(土地改良事業など)に用いられ、日本の農業強化にはならなかった。という結論です。(ウイッキペディア)

 このときから始まった、大規模農業を目指す日本の農業政策の続きが「農業集落排水事業」であり、先日「小農学会」のブログで紹介した「経営体育成基盤整備事業」だったのです。

 さてこの「農業集落排水事業」は、袖ケ浦では、最初に高谷地区、次いで下泉地区、野里地区と進んだのですが、都市部の下水道と違って、集落の家々が離れているような場合、非常に効率が悪いことになります。補助金の率は高いのですが、市の負担も大きいため、金持ちの自治体でなければ簡単にはできません。市債がこれだけ残っている原因です。

 横田にお住まいだった会員の、故・飯田さんは、生前

「下水道を作ったところで、農家は土地があるため、配水管まで配管しなきゃならないし、それは自費、その上一戸宛負担金が20万円、そんなもの作るより、個別浄化槽の補助費を出してくれた方が、どれほどいいか・・国の言いなりになって、税金の無駄遣いとしか言いようがない」
と、この問題を指摘した友人と同じように、怒って発言されていたのを思い出します。

 日本の農業政策は、農政ではなく「ノー政」だというのがこういう金額にも表れているのです。袖ケ浦市行政には農業政策は無いことを証明している金額であることを、市民の皆さんは知るべきです。




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