SSブログ

袖ケ浦市の農を語る・田正男氏の講演・その3 [農業]

 まとめに入りたい。講演者の内容は、国の政策を具体化する最も先端的取り組みとして「農業のプロであると同時に経営者になること」を、ご本人の人生の信条として取り組んでこられた。軽快な語り口での成功の実践は、聴く者心を打ち意欲をたぎらせてくれる。

 しかし一歩下がって冷静に考えた時、国の「ノー政の結果」食料自給率は30%台、不足分を全面的に輸入に委ねることの危険性…主権の放棄につながる現実について、どのようにお考えなのかな・・と思う。

 ただ、お話の内容の中に、学ぶべきいくつかのヒントがあった。きっと、もっと詳しくお話をお聞きしたら、ただ「できないものは離農せよ・・」などと口では話されていたけれど、本心はそうは思っていらっしゃらないように感じ取った。

 ひとつは少しだけ触れられた農業共済のこと。一つは法人化での実践形態。
袖ケ浦の農業形態を見た時、地元の小さなことから、農業者が意欲を持って取り組み、農地の大小にかかわらず、誇りを持って農業に従事するヒントが私には見えた。
簡単である。「地産地消を徹底的に追求すること」

 例えば、袖ケ浦農業の特徴は、野菜農家の生産量が20億3千万(335戸)で耕種の中で最大である。それであれば農業委員会建議書にある、学校給食地元産30%台の現状では低すぎる。問題は一定量の種別野菜の供給が、可能になるシステムをどう作るのか?そうむずかしいことではない。野菜農家の法人化、あるいは農業関係職員の奮闘によって、供給農家の登録により生産調整等の事務的整理をすれば、それでOKではないのか?役所内の事務に埋もれるのではなく、農家1軒1軒を走り回る職員はいないのか。それを励ます上司はいないのか?
 学校給食に限らず、外食産業への販路の輪を一つ一つ広げていくことも同じである。
 「ユリの里」も、実質的経営権を地元農家集団、あるいはそのための法人組織にゆだねるべきであろう。

 例えば、稲作の収穫量は14億5千万(810戸)消費者である市民との直結登録。おいしいお米であり、販路が確定すれば意欲が湧き、販路が拡大すれば、「ブランド化」も進む。
ただ、農協との関係等については不明であるが、農業よりJAバンクの方が忙しくなっているような農協の姿には首をかしげてしまう。農協が原点に戻ることを講演者は話されていた。

 私は農の素人である。ただ、酪農規模を無理して拡大し、借金に埋もれた北海道根釧原野の状況を知っている。もっと確実に、もっと意欲のある農業政策は、見えるものでなければならないし、農地の大小で優劣をつけるような政策であってはならないと思っている。

 袖ケ浦市農業行政政策の一考を、あらためて関係者にお願いしたい。
田正男氏講演会に参加させていただいた感想を含めてのつたない提言である。
   kawakami

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0