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マクロン大統領あての手紙 [その他]

 日本が初めて議長国となるG20サミット(20か国・地域首脳会議)が大阪で28日~29日に開催されます。この会議に日本は地球温暖化対策の「長期計画」を提出するとのことです。この「長期計画」は2020年までに作成し国連に提出を要請されているものです。日本はG20サミットにこれを提出すべく、準備してきたのです。

 4月30日のブログで、この内容が非常にずさんなものであることを指摘しました。そこで、トランプ大統領が、パリ協定を離脱した時、フランスのマクロン大統領が、厳しく批判したことを思い出し、マクロン大統領あて手紙を書きました。マクロン大統領あての手紙は、1日1000通を超えているそうです。でもそれがきちんと整理・分類され、内容に即して大統領や各担当あて届くことになっていることを知っています。フランスの友人が、フランス語に翻訳してくれて、今月3日に発送できました。読んでください。


フランス共和国
大統領 エマニュエル・マクロン  様
                             かわかみひろし
                        
 2017年6月1日深夜、あなたは、パリの大統領府からテレビ演説をされました。その時の文言は、今も強烈に私の胸に焼き付いています。
 パリ協定を離脱した米国・トランプ大統領に対し「米国民に対しても、地球の将来にとっても間違いをおかしたことになる」と断言され、「プランB(代替案)はない。地球Bはないからだ」という歴史的な発言をされました。そのうえで、ドイツなど欧州や世界のパートナーとともに「パリ協定での責任を果たし、温暖化との闘いを続ける」と強調されたのです。

 以降2年間、地球温暖化防止のための世界的取り組みは、人類の存亡とかかわるのだという認識となって国境を越えて、急速な広がりと、深化を見せ、「化石燃料から自然再生エネルギーへ」という呼びかけは世界の常識となりつつあります。

 私の住む東京湾岸には、4か所の石炭火力発電所建設計画がありました。しかしこのうち3か所について、パリ協定実現を目指す市民運動を展開することで、計画断念に追い込むことができたのも、世界の趨勢が大きな力となって後押ししてくれたからであろうと思います。

 一方、パリ協定は2050年までの長期戦略を、2020年まで提出するよう、各国に求めています。
日本国は本年6月に開催されるG20大阪サミット(6月28・29日)で気候変動を重要な議題のひとつに位置づける意向を示しました。そこで日本はこの機会に、議長国として、日本の「長期戦略」を提起すべく準備にかかりました。しかし残念なことに、この「長期戦略」は、パリ協定が示す水準から見ると決して満足できる内容ではありません。

 私は現在87歳の高齢者です。残された人生も数える程度です。しかし自国を愛するだけではなく、地球人類の生存のために、尽力されているあなたの姿に、私も重ねたいと願います。

 あなたの一層のご健闘を祈念します。そして機会があれば、我が国日本政府へ、米国に対しての発言と同じく、善意に満ちた厳しい忠告をしていただきたく願い、お手紙を差し上げた次第です。 フランスと日本の一層の友好と親善が深まると同時に、パリ協定が一歩一歩実現に向かって力強い歩みを続けますように、そしてその先頭にいつも、マクロン大統領が輝いていらっしゃることを祈り、私からの手紙といたします。 
                                   


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