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荒井総合行政裁判 意見陳述 その3 [産廃処理場]

「原告意見書」最終号です。  kawakami


そんな中で平成30年8月6日千葉県は新たな第Ⅲ期処分場増設事業に係る変更許可を出しました。
その直前の平成30年4月5日に新井総合施設は突如として自らがこれまで強く主張してきた、処分場の地層と『上総掘り』自噴井戸群取水層である被圧帯水層は異なる地層でその間には不透水層が存在するため処分場で事故があっても『上総掘り』や御腹川小櫃川には全く影響を与えないとする見解を完全に方針転換し、千葉県に対し文書で「地層が異なっていても地下水が混ざり合うことを前提として、安全対策を検討すべきとのご意見をいただきました。」それにより「敷地境界の外側へ汚染を拡大させない対策を行うことが何よりも重要なことと考えております」との新たな方針を出しました。

 この新井総合施設の見解の突然の転換を受け、その後の私達の調査で以下のことが判明しました。
  平成26年9月22日に行われた『千葉県環境影響評価委員会』で水文環境担当委員から
「川の断面は一様ではなく、砂層と接する部分などがあるため必ず川の水から地下水へ涵養される分が出てくるはずである。表流水に放流したからと言って、地下水へ影響がないというのは専門的見地からは言えない。」
と指摘され、さらに平成27年12月18日同じ委員から
「上下での水の交換が起きる。地層に沿って水が流れるわけではないので、帯水層が異なるので影響がないというのは、現在の地下水学の観点からは認められない見解である。」
と厳しく指摘されていたのです。

 また、この新井総合施設の方針転換により千葉県は初めて千葉県議会『環境生活警察常任委員会』委員に対し、これまでは一貫して審議内容を非開示としてきた平成29年8月25日『千葉県廃棄物処理施設設置等審議会』の審議内容を公表しました。そこでもまた「久留里には自噴井戸が多いことから、地下水が上昇しようとする力が強いと考えられ、地層が異なっていても地下水が混ざり合う可能性が高い。したがって、処分場の地層と自噴井戸取水層の地層が同じか否かにかかわらず、万が一、処分場からの漏洩が生じ、敷地外へと汚染が広がってしまった場合には、久留里の自噴井戸の地下水が汚染される可能性も否定できない。」と上記とは別の水文環境担当委員からも厳しく指摘されていたのです。

 これらの水文環境の専門家からの厳しい指摘は非常に重大で深刻な事態です。地下水および表流水が汚染されれば取り返しのつかないことになります。

 つまり、第Ⅲ期処分場の排出水によりしだいに御腹川の水質悪化が進めば御腹川小櫃川から取水する農業用水に重大な影響を与える可能性はもとより、その御腹川の表流水が地下に浸透することによって久留里や小櫃の『上総掘り』自噴井戸群も水質悪化する可能性があること。さらに今後万が一第Ⅰ期処分場のように漏洩事故が起きた場合には地下水の汚染により御腹川や下流の大寺浄水場で千葉県・木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市の35万人に水道用水を供給する小櫃川、また平成の水百選に選ばれた「生きた水久留里」に代表される小櫃・久留里・上総地区の『上総掘り』自噴井戸群に甚大な被害が出る可能性が大きいことを私達は非常に危惧しています。

  川で遊び、川で育ち、『上総掘り』の清らかな水でのどを潤し育まれた私達、今もなお様々に水の恩恵を受け暮らしを立てている私達、その愛するふるさとの清らかな水を、そして地域の誇りを守る為、千葉県による新井総合施設株式会社君津環境整備センター第Ⅲ期処分場に係る変更許可の取り消しを求め、私達はここに行政訴訟を提起致します。

                              以上


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