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館山の海と山の自然を守る会 [残土埋立]

「館山の海と山の自然を守る会」から送られた会報の中にある投稿記事です。 関巌 


 2016年8月31日 — 少し前の8月4日の記事になりますが、地元・ローカル紙の房日新聞に掲載された寄稿を、全文こちらに載せます。

 文中にもあるように、7月20日に掲載された寄稿「西岬の涙」(以前の進捗でお知らせしました)を読んでの寄稿のようです。ここ、安房の土地を愛する気持ちがよくにじみ出ている、優しい気持ちになる文章です。どうぞお読みください。

館山・西岬の残土事業「新たな申請」に驚き・・・鴨川 今西徳之

 美しく変化にとんだ海岸線をもつ海、そして緑豊かな里山。南房総の自然環境の魅力と大都市にはない生活のしやすさに惹(ひ)かれ、首都圏から多くの住民がこの安房地域に移り住んでいます。私もその1人です。放置竹林や害獣による田畑の被害など、里山はすでに荒廃の一途をたどってはいますが、森林や山からの湧き水は漁業や農業を支え、さらにはそこに住む私たちやこの地域を訪れる人々の心を癒し育んでいます。この素晴らしい自然環境は将来にわたって子孫へつないでいくべき大切な宝であり、安房の貴重な資源なはずです。

 そんな安房地域の自然環境をやすやすと潰してしまう、脅威と思われるもののひとつが残土処分場です。残土は首都圏の建設現場から排出され、埋め立てなどで再利用されないものが房総の山中のいたる所へ処分目的で運ばれています。館山市西岬地区の房の大山の谷あいにも残土処分場があります。

 本誌7月20日付の高山浩さんの寄稿「西岬の涙」を読みました。谷がひとつ丸々潰れたと聞き、私もグーグルマップの航空写真であらためて見てみたところ、山頂にかなり近いところまで残土が積まれている様子が分かりました。

 房の大山は歩きやすい山で、私も登った事があります。山頂からは富士山やその後ろの南アルプス、伊豆大島や三宅島などの伊豆諸島の大展望があり、足元には青い海が広がっています。そこから海までは500メートルもないかと思います。近年では特にゲリラ豪雨や大震災により、山の土砂が崩落するなどのショッキングな映像、画像をテレビや新聞でご覧になっていると思いますが、年々、特にその危険性は増しているように感じます。

 房の大山周辺を歩いて調査した地質学者によると、崩落の危険の高い地質(地滑りした跡が等高線に現れている)との意見もあります。万が一崩落があれば、住民の命はもちろん、土砂の流出により美しい海の環境も失ってしまうなど、取り返しのつかない出来事を危惧するのは、大げさな話ではないことを多くの住民が感じることと思います。

 そしてやはり、6月の千葉県議会においても「条例上新たな事業はできない、と指摘追及された」との新聞報道もありました。また、館山の海と山の自然を守る会という団体が、千葉県に対して新たな許可をしないよう求める要望書を署名3500筆以上とともに提出しているとのことです。

 都心に近いのに、海と山の自然環境が残されている貴重な安房地域が、「ごみ捨て場」になってはならないと思います。この地域の住民だけでなく、首都圏に住む住民にとってもかけがえのない財産である自然環境をより厳格に守ることが、千葉県、安房3市1町の行政の使命であることを強く訴えたいと思います。


館山の美しい海と山.PNG

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