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安倍政権が続々打ち出す原発政策と事故処理「3つの落とし穴」(現代ビジネス) [原発災害]

野党の追及を避けたかったのだろうか。特定秘密保護法案の採決強行に揺れた臨時国会が閉会した途端、容易には了解を得られそうにない原発・東電政策が続々と飛び出した。現代ビジネスに掲載されている記事の概略を紹介しておこう。        kawakami


その第一は、「原発ゼロ」を撤回するエネルギー基本計画の見直しだ。経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(会長は三村明夫・新日鉄住金相談役)が13日の会合で原案に合意した。

「エネルギー基本計画に対する意見」と題した見直し案は、エネルギー需給構造の安定性を支える基盤となる重要なベース電源である〉と位置付けた。
そのうえで、〈安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、独立した原子力規制委員会によって世界で最も厳しい水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼動を進める〉と述べ、来春以降にずれ込むとみられている原発の再稼働を着実に進める方針を改めて強調した。

ところが、肝心の安全対策については、〈万が一事故が起きた場合に被害が大きくなるリスクを認識し、事故への備えを拡充しておくことが必要である〉と、具体策を何も明記せず、精神論にとどまった。

新聞報道によると、同省はこの案を来年早々に閣議決定して、政府の方針とする考えという。


第二は、東電救済策の拡充だ。12月14日付の日本経済新聞の朝刊によると、政府は月内に、原子力災害対策本部(本部長は安倍首相)の会議を開催して、青天井だった福島第一原発事故処理に関する東電の負担に上限を設ける方針だ。上限は8兆円で、足りない分は政府が肩代わりすることになる。

具体的にみると、東電が負担するのは、被災者への賠償と廃炉作業が中心になり、除染、汚染水処理、汚染した土壌の輸送及びその中間貯蔵、廃炉のためのロボットなど技術・研究開発費の多くは国の負担になるらしい。この国の負担は、いずれ税金として、国民にツケが回されることは必至なのだ。

加えて、政府は、国から東電への資金援助枠を現行の5兆円から2倍の10兆円程度にする方針だ。現在の資金援助は、原子力損害賠償支援機構が交付国債を貸し付ける形で行い、東電は借りた交付国債を現金化している。今後については、東電国有化に伴って原子力損害賠償支援機構が取得した東電株を売却して、その資金を貸し付ける案もあるという。

支援機構が保有する東電株の売却も、再び株主を増やすことに他ならない。つまり、将来の破綻処理のハードルを上げかねない政策だ。絶対に避けるべきだろう。
汚染水処理ひとつをとっても、12日、経済産業省は2013年度の補正予算に479億円を計上したが、今後さらに膨張が避けられないとみられている。また、政府として、中間貯蔵のための用地取得に来年度予算で1000億円を計上するという。原子力規制庁は来春に定員をほぼ倍増しようとしており、480人の増員を要求する方針だ。


第三が汚染土の中間貯蔵の具体策の問題だ。この点も「不都合な真実」扱いしていた民主党政権と異なり、石原伸晃環境大臣が14日、佐藤雄平福島県知事と会談し、同県内の3カ所を候補地にしたいと要請した。

ただ、福島県はあくまでも中間貯蔵地であり、最終的な処分場にしないと明記する「県外最終処分の法制化」に、政府が難色を示してきたことはいただけない。これでは、福島県民の信頼を得るのが困難になるだけだ。

ここは、単に30年後に汚染した土を県外の最終処分地に移すだけでなく、20~25年以内に、そのための最終処分地と処分計画を決定する責任を政府が負うことを明確にする法制も行うべきだろう。

マシンガンのように様々な政策が打ち出されており、丁寧にフォローするのは難しい。が、我々は、どれも問題含みであることを理解し、安倍政権任せにせずに注文を付けていく必要がありそうだ。




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