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平井憲夫さんの遺言  ~その1~ [原発災害]

平井憲夫さんは、現場監督として原発で20年働き、病気で引退した後、放射能被曝によるガンで他界する
1997年まで、「原発の真実・真相」を伝える活動をされていた方です。

 福島原発事故の起きた今でこそ、「原発は間違いである」と口にすることは容易ですが、平井さんが反原発活動をしていた当時(1997年以前)は、大変なことであったと思います。会員から、「平井さんのツイッターの文章を集めてみたので皆さんに読んでほしい」との連絡が入りました。3回に分けて紹介します。                               kawakami

1. 私は原子力発電所を20年間、作ってまいりました。 東海村で原発を作った時、私も参加しました。 夢のようで、参加できることがすごくうれしかったです。 私自身、日本の原発についてある時期まで自信を持っていました。 会社を辞めたのが1988年です。

2. ご存じのように、原子炉がひとたび事故を起こすと、取り返しがつきません。チェルノブイリやスリーマイルなどを見ればわかるように、世界中を巻き込んでしまう。日本の原子炉も、たびたび大事故を起こしていますが、地元の人以外は関心がないようです。

3. 世界三大原発事故はチェルノブイリ、スリーマイル、美浜原発の事故です※。 年間で公表されている事故…事故という言葉を政府はとても嫌いますが、実際は年間270~300件起きている。しかし公表されている数は去年で47件。 この47件も殆どの人が無関心ではないでしょうか。※96年当時

4. 96年8月、新潟県の巻町で住民投票を行い、反対派が圧勝しました。 住民の皆さんは必死に勉強しました。その結果が駄目だということです。 推進派は何も勉強してないです。原発を誘致すれば何百億円というお金がついてくるので、「町が活性化する」と、この話しか出てこない

5. TVでは評論家が「原発の反対なんて地域のエゴだ、扇動されて原発反対票を入れただけだ」などと言っているが、そうではないです。反対した人は2~3時間の原発論争ができる位勉強している。あれは都市部へ電気を供給するための原発です。東京辺りで使う電気のためです。地元の人は使いません。

6. なぜそれだけ反対するかというと、様々な問題があるからです。新聞を気をつけてみてもらうと、ほとんど毎日事故や故障の記事が載っています。特にここ10年(※96年当時)です。これがなぜかというと、困ったことに職人がほとんどいないためです。原発の98%は素人が工事をしてるのです。

7. 原子炉は非常に高度な技術で造られていると錯覚している人が多いです。 私は元々石油化学、化学プラントの監督をしていましたが、それらと比べると、10年以上遅れたやりかたで原発を造ってるんです。※講演は96年

8. 原発事故が絶えなくなったのは、工場で前もってパイプを作って持ってきて、現場で組み立てるマニュアルができあがってきてから。 昔は職人さんが、合わなければ合うように、自分で工夫してやっていた。それが積み木をもってきてやるようになり、さらに、マニュアル自体が間違っているんです。

【『ここが危ない日本の原発』
9. 私は高校しか出ておりません。ずっと現場一筋です。だからマニュアルが出た時に、これでは事故が起きるといったんです。マニュアルは役人が作ったもの。コンピューターで割り出したとか、机上のもの。だからとてもじゃないがその通りでは必ず事故が起こる、変えた方が良いといったんです。

10. けれども、官僚というのは、いったんやったことを絶対に変えないんです。事故が起きようと、人が死のうと。 それからとにかく事故が絶えなくなってしまった。 職人さんもまだいたんですが、素人の作ったマニュアル通りにやらなければならない。そうすると、職人さんはだんだん離れていく

11. 2週間前※も柏崎刈羽原発の定点工事が暦通りにいかないと新聞に出てました。熟練工がいなくなってしまったからです。 10年以上前はある程度の職人がいたからできたのに、今はできなくなってきている。いわゆる素人が工事をしている。危険を知らないままやってる。※講演は96年10月12日

12. 阪神大震災の時、翌朝私は神戸に行きました。そこでまず最初に感じたのが、ひっくり返った高速道路、倒れたビル、原発もこれと全く同じだということです。これは言い方が悪いかもしれないけど、建設現場で働いている人は、出稼ぎの人。原子炉で働いてる人も、出稼ぎの人です。

13. だからコンクリの橋げたの中に、空き缶が入っていたり、ベニヤ板が入っていたり、溶接がくっついていなかったり。 設計した人は、まさか現場でそんなことが起こってるとは思っていない。そういう要因があるんですね。やはり原発でもそういう事故がたびたび起きているんです。

14. 一番びっくりしたのは、福島第一原発で、長い針金が原子炉に入ってたんです。それを落とした人は知っていたんです。でもいうと怒られるから言わない。 「どういう事故につながってしまうか」、という意識がないです。だから、現場で今行われていることは非常に危険です。※講演は96年

15/次回の定検の時に(原発の配管の)ストレーナーを外してみると、ハンマーがあるわ、差し金はあるわ、溶接の棒はあるわ、もういろんなものがそこへ出てきている(講演映像はここで終わり)。

16/定検工事が終わり試運転が始まる。24時間動かすんです。現場にいると、カラカラと配管の中を道具や工具が音を立てて流れている。これは必ずあるんです。それ(工具)は、ストレーナーというところで止まっている。そのストレーナーを突き破る可能性は充分すぎる位あるんです。

17/というのは、そういうことが世間に出るということは非常にまずいんですよ。電力会社にすれば。殆どの人が被曝をする。でも、本人には知らせない。それから仮にそういうことが起きても、「いや大丈夫だよ」と、こういうことから始まるんですよ。私自身も、内部被曝は何百回もしてます

18/(平井さん講演映像)私が原子力発電所を辞めた理由、色々ありますが、一番何が問題かというと、とにかく夜が明けると嘘をつかなきゃ駄目だということなんですね。事故が起きる。でも一般の作業員には、「これは事故じゃないんだ」ということを一番にやらなければ駄目。

                                          ~明日に続く~




                                                





タグ:平井憲夫
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