SSブログ

「散歩道プロジェクト」砂漠化の実態5 [環境問題]

 かつてはここも私の散歩道のような自然豊かな場所だったことを思うと、なんだかとてもやるせない。ほんの数年前だ。ほんの数年前、この付近にきたことがある。そこは水辺があり、田んぼがあり、森があり、生き物たちがあふれていた。むせるほどの木々の香り、カエルや鳥たちの大合唱があった。今も、キジのケンケーンという声が聞こえ、ウグイスの声が遠くからひびいてくる。この破壊の後で、都会からきた人はそれでも自然の豊かなところだと思うかもしれない。しかし、それは違う。いずれその声はこの場所から消えていく運命にあるのだ。私はこの近くに住んでからずっとそういう風景をみてきたのでよくわかる。そうなるまでにたいして時間はかからない。あと何年、このウグイスやキジの声が聴けるだろうか。もう来年には聴けないかもしれないのだ。

 「関係者以外立ち入り禁止」の立て札が腹立たしい。「なんだよ!関係者って!」ええい!こんなもん!と砂漠の土地に入り土をつかんでみる。土は風化して本当にさらさらの砂になっている。

砂漠化2.PNG


 この砂は風が吹くとかなり遠くまで飛んでいくだろう。その砂は、周辺の豊かな森にまで影響を及ぼす。手にとってみると、本当にさらさらの砂だ。パウダー状だ。これは風に飛ばされてかなり遠くまで飛んでいくはずだ。

砂漠化3.PNG


 それは砂漠をさらに広げてしまう。私の散歩道にはこんな砂はもちろんどこにもない。かつて砂漠エリアが森だったとき、こんな砂はどこにもなかったはずだ。私の言う「砂漠エリア」とか、「砂漠化」という言葉は大袈裟に思えたかもしれない。単なる宅地造成地じゃないかと。いや、その実は「砂漠造成地」なのだ。その砂漠に木を植え、公園を、公園だぞ!公園を作ろうとしている場所がある。公園っていったいなんだ?さて、その砂漠公園(!)を撮ろうかとカメラを向けたらバッテリー切れで写真がとれない。「くそっ!ええい!俺はこの風景がどうしても撮りたいんだよ!」と苛立って一人叫ぶ。何度かトライするが、やはりもうバッテリーが切れてしまっていて撮れない。ちくしょー!

 しかたないので、急いで家までひきかえし、しばらく充電してからまた戻ってきた。絶対撮ってやる。この風景を撮って撮って撮りまくってやる。豊かな森を砂漠にして、そのうえに芝生や木や花を植えることの愚かさをよく見るがいい。

砂漠化4.PNG


 かつての森を知らない人は、芝生の広場があり、花が咲き、それはそれでよいと思うかもしれないが、それは違う。絶対に違う。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。