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子どもの食が危ない [農業]

「東京新聞」5月2日号に「子どもの食は大丈夫か」という特集が組まれている。ここでは、昨年12月25日、政府がコッソリ公布した「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件」という告示に伴い、食品に残る農薬の基準値が大幅に緩和され、多くの人たちが日常的に口にする小麦が5ppmだったものが30ppmと一気に6倍に引き上げられたほか、ソバ、ライムギ、ゴマなどの残留農薬基準も緩和されたという。

 東京新聞では、これに伴って起きてくる心配を4項目挙げている。その4項目目が「有機農業の低迷」で、日本では耕地面積に対する有機農業の割合は0.2%にすぎない状況になっていることから、「子どもたちの健康保持のため給食に有機食材を使う自治体が広がっている」ことを指摘している。
それが下記の文章だ。(クイックすると大きくなります)

農薬2.PNG

 この中には、千葉県いすみ市では、学校給食では給食に使う米の100%地元地元の有機米に変え、その後、小松菜、玉ねぎなどの7種類の野菜も徐々に有機食材に変えてきているという。いすみ市の試行が軌道に乗ったことから、各地の自治体がその方法を取り入れているが、その中に木更津市でも実施に踏み切ったことが紹介されている。

 数年前に、私たちは、給食センターに、このことについて要望しに伺ったことがある。この時は地元食材を使うこと、残留農薬について、使用食材の調査を行うことを要望した。
 残留農薬基準緩和に伴い、一層その必要が迫られている。

 PTAを含む、親たちもぜひ関心を寄せてほしいものだ。政府は、なぜこんなバカなことをするのであろうか。「種子法改悪」も含め、日本の農業を外国に売り渡す「強欲資本主義」が国民に牙をむいて襲い掛かってきている現実に厳しい目を注いでほしいものだ。
                               kawakami




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農薬類の規制緩和 [農業]

 いかなる権威に対しても書けない記事は一行もない・・と胸を張って主張している「長州新聞」という新聞社があることを初めて知った。事務局長の富樫さんがその中の貴重な記事を紹介してくれた。それは知らないうちにこの4月から水道の残留基準が緩和されたというニュースである。このことを記録として書いておく。  kawakami

◆ 食品への残留基準も大分前に米国の圧力で緩和された
4月から水質基準見直し 農薬類の規制大幅に緩和社会2020年3月31日

▼ 厚生労働省が今年4月から水質基準を見直す。農薬類(7種類)の目標値変更や、新たな水質管理目標を設定するなど複雑な内容だ。そこには浄水で検出する農薬類の目標値を大幅に規制緩和する「見直し」も含んでいる。

 厚生労働省は水質基準の見直し方針について「内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえ、対象農薬リスト掲載農薬類(浄水で検出される可能性の高い農薬)3物質及び、その他農薬類(測定しても浄水から検出される恐れが小さく、検討の優先順位が低い農薬類)4物質について目標値を見直す」と明らかにしてきた。

 同省が2月19日に開いた第2回水質基準逐次改正検討会で示した農薬類の目標値改正案は次の通り。

【対象農薬リスト掲載農薬類】
▽カルタップ     0・08㎎/L(現行0・3㎎/L規制強化)
▼ジクワット     0・01㎎/L(現行0・005㎎/L規制緩和)
▼プロチオホス    0・007㎎/L(現行0・004㎎/L規制緩和)

【その他農薬類】
▽セトキシジム    0・2㎎/L(現行0・4㎎/L規制強化)
▽チアクロプリド   0・03㎎/L(新規設定)
▼チオシクラム    0・05㎎/L(現行0・03㎎/L規制緩和)
▽ベンスルタップ   0・06㎎/L(現行0・09㎎/L規制強化)

※▼が規制緩和、▽は規制強化、新規設定。

 そして厚労省は「このうち対象農薬リスト掲載農薬類については、パブリックコメント手続き(国民からの意見集約)、厚生科学審議会生活環境水道部会(3月23日に開催予定)を経て、見直しを行い令和2年4月1日から適用する」「その他農薬類については、厚生科学審議会生活環境水道部会における審議をもって、見直しを行い令和2年4月1日から適用する」と明記している。

 見直し理由については「令和元年12月末までに内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果が示され」「現行評価値と異なる評価値が得られたことから、見直しを実施すべき項目と考えられる」と説明している。

◆ 毒性強い除草剤や殺虫剤

 だが今回、規制緩和対象になったジクワットは収穫前のジャガイモの蔓枯らしに使われる除草剤の一つだ。細胞毒性が強く、体内にとり込まれるとフリーラジカル(活性酸素)を大量に生み出し、体の各臓器に組織障害を引き起こす。それは腹痛、下痢、口の中のただれ、中枢神経障害、肝機能障害などをもたらし、最悪の場合死に至ることもあるという。

 新たな水質基準はこのジクワットの目標値を現行の2倍(5000ng/L→1万ng/L)に緩和している。また有機リン系殺虫剤であるプロチオホスは現行の1・75倍(4000ng/L→7000ng/L)、稲やジャガイモの殺虫剤であるチオクラシムは現行の1・67倍(3万ng/L→5万ng/L)の基準緩和になっている。

 もう一つうち出しているのは有機フッ素化合物のペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の暫定基準値の設定である。この二つは消化薬剤、コーティング剤などに使われる。

 毒性が強いため、世界的に製造・販売が制限されている物質だ。これまで「毒性評価が定まらない」ということで目標設定をせず、情報収集を進める「要検討項目」に位置づけていた。

 ところが今回はそれを「水質管理目標設定項目」に変え、暫定目標値として0・00005㎎/L(50ng/L)とした。それは事実上50ng/Lが浄水に混じることを容認する動きである。ちなみに国際的な基準は未設定で、目標値を定めている国が数カ国ある。その基準値(PFOS)を見ると

▽カナダ       =600ng/L
▽オーストラリア   =70ng/L
▽米国        =70ng/L
▽デンマーク    =70ng/L
▽イタリア     =500ng/L
▽スウェーデン   =90ng/L
▽オランダ     =530ng/L
▽英国       =300ng/L
▽ドイツ      =300ng/L

となっており、日本の目標値よりも高い数値を設定している。だが各国の目標値より数値が低ければ安全なのかは、疑問が残る内容といえる。

 そして大きな問題は全国民の生活や健康にかかわる飲料水の基準が、ほとんど国民に情報を知らせず、活発な論議も経ぬまま変えられようとしていることだ。このような状態が放置されることは、いつのまにか飲料水の水質が悪化しかねない危険をはらんでいる。



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子供に除草剤を [農業]

 子供に除草剤を食べさせたいですか?

 ようやく涼しい季節になってきて田園地帯を散歩するととても気分爽快です。
でもちょっと憂鬱になるのは田や畑の周辺至る所に除草剤がまかれ雑草が黄色く枯れています。びっくりするのは雑草だけでなく稲穂までも黄色くなっていました。
 でも数日後また散歩した時にはその稲穂もきれいに収穫されていました。 
 風のある日中に散布しているのでしょう、この地域は毎年稲穂にも除草剤が飛んで黄色くなっているのです。 これを見て誰かがこのコメを知らずに食べていることを考え、農協とかが除草剤の危険性を農家に知らせないのだろうか?といつも疑問に思っていました。

 幻冬舎の本【日本が売られる】堤 未果著 という本にも以下の内容のことが書いてありますので紹介し、多くのプロ農家さん、趣味の農家?さんにも知ってほしいと思い投稿しました。

除草剤を開発した会社  米国モンサント
製品名はラウンドアップとか色んな名前がついていますが成分はグリホサート、同種の化学構造物質 毒性   
 世界では国際がん研究機関IARCの発がん性発表を受けで抑制されています。
豪州でも2019年7月に全面禁止、ドイツは23年までに全面禁止、、、、
しかし米国では製造メーカーと政治家の癒着の結果、使用基準が逆に緩くされていて小麦の収穫前にさえ散布される。 散布理由は青い小麦が残っていても散布して枯らせばコンバインが使いやすいから

 その結果 当然小麦に残留し、本来日本には規制で輸入されないはずだったが、忖度得意の自公政権、米国の基準緩和に合わせ自国の基準を緩くしていたというびっくりの行政で◆除草剤入り食パン◆が売られるようになった。
農民連食品分析センターで今年4月に検出結果を発表

★ 残留基準大幅緩和の状況
品名    改正前     改正後     緩和倍数
ゴマ      0.1       40     400倍
ライムギ   0.2       40     200倍
ソバ      0.2       30     150倍
テンサイ   0.2       15      75倍
小麦    5       30       6倍
コーン   1        5        5倍
小豆類   2       10        5倍
という具合です。

言いたいこと 私たちがコンピ二やスーパーでパンを買って子供におやつとして与えれば除草剤を食べさせていることになり、注意が必要です。 学校給食でパンがたくさん出されると思いますが市はちゃんとこの残留農薬などの情報をちゃんと把握して献立を考えているでしょうか?

考える市、学校の例 https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1190856_1501.html 記事によれば下記のように

有機農産物の学校給食への導入は今まで限られたものだったが、自治体や企業の取り組みで少しずつ広がっている。有機野菜の宅配事業を行うビオ・マーケット(大阪府豊中市)は大阪府の2市で、昨年1年間に5.3トンを超える有機野菜を学校給食に導入、千葉県いすみ市は昨年11月から市内すべての小中学校で学校給食に地元産有機米を取り入れた。愛媛県今治市は早くから地産地消と食農教育を進める自治体として全国から視察が絶えない。

これらの運動は欧州では普通のこととして農家との連携がされているそうです。
この食品と農薬の問題は◆今後、袖ヶ浦市の課題 と言えそうですが、市長・議員の方々いかがお考えでしょうか?

以上 奈良輪さん投稿

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モンサント社 2  [農業]

 5月18日が「反モンサントデイ」であることは冒頭に書いた。2013年以降続いている世界的取り組みである。抗議行動は米国、ドイツ、スイス、オーストラリア、アルゼンチン、チリ、日本などで今年も行われた。なぜそのようなことになったのか。

① 遺伝子組み換え作物の種子を開発・推進し、その除草剤を販売するモンサントは、この除草剤の中に発がん性が指摘される「グリホサート」が含まれていることから、「除草剤ラウンドアップは販売中止」を求める運動になった。米国の裁判で皮膚がんとの因果関係が認められモンサント社に賠償を命じる判決が出たこと。また別の裁判では同社の除草剤でがんを発症した裁判で賠償金320億円の判決が出たことから、一気に反対運動は広がり、モンサント社に対する裁判は8000件を超えるまでになっているという。

② 「アメリカでは子供の12人に一人に何らかの食べ物アレルギーがあり、3人に一人が肥満児で、6人に一人が学習障害、20人に一人が発作性の疾患を抱え、68人に一人が自閉症…ちょっと異常だと思いませんか」
 遺伝子組み換え食品を拒否する運動の創設者ゼン・ハニーカット会長の言葉である。
遺伝子組み換え食品が含まれている食事をやめると、アレルギー症状は消えた。さらに調べると、遺伝子組み換え食品で使う除草剤の中に含まれている「グリホサート」が原因であることが判明している。(「日本が売られる」から引用)

◎ 株主利益を優先し企業が倫理を失うケースは珍しくないが、それが世界規模になると、国境を越えて大勢の人たちや環境に危険をさらすことになる。わたしたちは、そういう時代に生きている。だから市民は受け身ではだめなのだ。自分の頭で考えよう・・・
   (ロスアンゼルスの食品ジャーナリスト、サンディマクド―ウェル氏)

★ それでもまだモンサント社はあきらめない。遺伝子組み換え食品に甘い「日本」の市場がある。あなたが狙われていることに早く気付くべきである。(この稿終了)

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                            kawakami


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モンサント社 1 [農業]

 遺伝子組み換え種子を開発・推進し発がん性が指摘される成分「グリホサート」を含む除草剤を販売する米国「モンサント社」(ドイツバイエル社が買収)に対する抗議が、5月18日世界各地で展開されました。日本でも東京で東京駅のすぐ近くにある「モンサント社日本法人」前で行われたのです。

 一体モンサント社って、どんな会社なのか・・袖ケ浦には関係ないだろうさ・・と、思われるに違いありません。でもビバホームに行ってごらんなさい。農薬の棚にモンサント社の除草剤がちゃんと並んでいるのです。

 私は、退職後、南米パラグアイ共和国、イグアス移住地へJICA(国際協力機構)のシニアボランティアで3年間、その後頼まれてまた4年ぐらい個人的なボランティアで、この地にお手伝いに行っておりました。その時に遭遇したモンサント社と現地農家の実情に触れておきたいと思います。

 この移住地は戦後、最大で、最後の移住地として知られています。巨大なパラナ川の沖積地テーラロシアという赤土で、3年間は肥料がいらないと言われた豊かな土地です。広さ87763ha、袖ケ浦市の面積は9493haですから約9倍強の広さです。

 「指一本入らぬジャングル」と言われたこの土地が、今は豊かな大豆と、トウモロコシの生産地に変貌し、約200世帯を超える日系人家族が、現地パラグアイ人の中に溶け込んで暮らしています。

 当初、切り開いた土地の豊かな表面が、雨で流出し、それを保全することに様々な方法を試みましたが、その中で、不耕起栽培という耕さないで、種を植える方法を生み出しました。  
見事にこの農法が結実したのですが、この農法の問題点は除草です。このとき持ち込まれたのが、モンサント社の遺伝子組み換え大豆と、除草剤ラウンダップのセット販売です。
この遺伝子組み換え大豆は除草剤に耐性を持っています。農家にとって、除草しなくてもよいということは、これほど助かることはありません。その上、大豆の国際市場では、遺伝子組み換え大豆も、有機肥料による大豆も、同じ価格で扱われることから、一気に広がりを見せました。このセットは勿論特許製品ですから高価なものでした。

 日本では、遺伝子組み換え大豆の輸入は禁止されています。イグアス移住地の農家は、遺伝子組み換え大豆と、日本向けの有機栽培大豆の農家に別れ、農協はこの2種類が混合しないように苦労した経営を今も続けています。ただ、この除草剤自体が持つ毒性と、遺伝子組み換え大豆が持つ人体への影響が、世界各国で徐々に明らかになってきています。
(続く)                       kawakami




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夫婦農業 [農業]

 24日、広島から松田さんという方がいらした。火力発電の調べに歩いていらっしゃる、火力発電反対運動と同時に、植生や、温排水にかかわる調査をされいる学者ともいうべき方である。今回は袖ケ浦の大気汚染、特に光化学オキシダント汚染地区における、植物被害状況の調査であるという。

 この調査は、特定植物に顕著に表れるもので、今回は里芋にどのように表れているかを見てみたいという。友人に頼んで里芋を栽培している農家から話をお聞きしたいとのことだ。

 3軒の農家を訪ねた。あの大きな葉のどこにその傾向は現れるのか。先生は1枚1枚の葉をよく観察しながら、いろんな話をさりげなく農家の方に聞いていく。ふと立ち止まる。光化学オキシダント
は、流れる線のように、葉に付着し、そこは白くなり、葉脈は浮き上がり、やがて葉が枯れはじめ、やがて根に達すると枯れていく。そでが非常に繊細で時間的経過を観なければ判断できないようなものであるらしく、これは専門家に送ってみよう・・とか、これは何とも言えないな・・とか言いながら観察を続けている。

 農家の方が、「ここを二人でやっているんだけど、今年は雨が少なくて心配だ・・」とか
ひとりで薬剤を撒いていた方は、「このまえは、ハクビシンにすっかりスイカをやられてしまった・・・」とか、「ブドウの木をやられてしまった農家の話など、とにかく鳥獣被害がすさまじいもののようだ。」とか・・・あごからは汗がしたたり落ちていて、私ももう80を越したのだけど、だれもできるものがいないからな・・・」と話しておられた。

 周りには誰もいない。おひとりの農業である。今の農業の実態を見せていただいた感じであった。

 空気が汚れていく。農業人口は足りない。外国からの生産物がどんどん入ってくる。一体この国はどうなっていくのであろうか??
目の前の現実に、ふっと呆然となってしまった。          kawakami

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「JAきみつ」第25回総会  投稿 [農業]

 ヤフーの検索で「JA」という項目を引くと、真っ先に「JAバンク」が登場する。
いったい「JA」とは何が本業なのかを改めて確かめてみると、次のような解説が出てきた。
「JAとは、相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合です。」
 そこで年配の方々は「ああ、景気の良かったころの農協さんのことか・・・」と気づくことになる

 3月30日29年度の「JAきみつ」の第25回総会が開催された。なぜ「JA袖ケ浦」ではなく「JAきみつ」なのか・・これは、8年前の2009年、全国的に農協の広域合併が進められたことと併せ、当時袖ケ浦農協は(高瀬組合長)不良資産の比率が高い状況にあり、この呼びかけに応じ難局打開を図ったという経緯があった。木更津だけが財政問題もあり、独自路線を歩むことになり、袖ケ浦、君津、富津3市の農協合併という組織なのである。

 さてこの総会記録を読む中で、浮かんだ懸念材料があるので、そのことを、このブログ紙上をお借りして、表明しておきたいと思う。それは経営の中核となる役員人事のことだ。

「JAきみつ」の構成組合員数は、袖ケ浦2270人(19%)、君津6244人(52%)、富津3438人(29%)である。各地からの理事数枠は、袖ケ浦4人、君津12人、富津3人
婦人部3人、理事会推薦1人の合計26人(任期3年)である。この26人の中から、組合長、常務3人、代表監事・・以上5名が役員である。この5名全員が君津農協から選出されたという今回の総会結果であった。

 今まで、袖ケ浦から多田常務理事が選出されていた。それが任期終了ということでの退任になり、その枠が君津出身者で占められたという結果である。このことをどう考えたらよいのか。

① 袖ケ浦選出理事5名(婦人1名含む)中、役員勤務適応者が不在であるのか、あるいはそのことを考えての選出配慮はなかったのか。
② 山口市議がいらっしゃる。農協組織票を基盤に高位当選されている。農協運営にかかわっての、援助活動はどのようにされていらっしゃるのであろう・・という疑問がわく。
⓷ 2015年10月に、農業委員会からの建議書が提出されている。その中に「ゆりの里」の運営について、地元農家からの不満が書かれてある。以下その文言である。

「袖ケ浦産の取扱いが7割程度と説明を受けましたが、市外産や他県産の品物もかなり多く袖ケ浦産との競合が目立つことから、指定管理仕様書にある施設の設置理念が、適正に履行されていない状況となっております。そこで、袖ケ浦市の直売所としての設置理念に基づいた運営の見直しをしていただきたい。」

 「ゆりの里」の業務委託先は「JAきみつ」である。この建議書にある文言はどのように生かされているのか・・聞けば6996万円の予算を付けて、今年度「ゆりの里」の売り場拡張工事が行われるという。このままでは、建議書の意向が適切に反映されるのであろうか・・

 以上、総会資料「みずき」を読ませていただいて、袖ケ浦市農協組合員、並びに袖ケ浦市にとってこのままでよいのであろうかという懸念を表明した次第である。

                              袖ケ浦市一農民

 農業集落排水事業 [農業]

 5月1日発行の「広報そでがうら」には、28年度の市の財政状況についてのお知らせが書いてあります。このようなページは、よほど関心のない方以外はあっさり目を通して終わってしまいます。
 数日前に「小農学会」のお話を書きましたが、そこに登場した友人が、この広報を持ってきて、「この項目ですよ、典型的無駄遣いは・・・」と話してくれた項目がこの欄にありました。それは市債(借入金)現在高の項目で 19億9336万円というものです。見ただけでは何のことかわかりません。そこで調べてみました。

 そもそも、この「農業集落排水事業特別会計」とはいったい何のことでしょう。
話は1988年前にさかのぼります。
「ウルグアイランド」という言葉に記憶がありますか?インターネットで調べてみると次の言葉が並んでいました。

ウルグアイ・ラウンド(Uruguay Round、1986年 - 1994年)は、世界貿易上の障壁をなくし、貿易の自由化や多角的貿易を促進するために行なわれた通商交渉・・とあります。この交渉と日本はどんな関係にあるかと言えば、次の説明ではっきりしてくるでしょう。
日本におけるウルグアイ・ラウンド合意の影響を緩和するため、細川内閣は事業費6兆100億円、国費2兆6,700億円のウルグアイラウンド農業合意関連国内対策事業費を予算執行した。しかし予算の5割強は農業農村整備事業(土地改良事業など)に用いられ、日本の農業強化にはならなかった。という結論です。(ウイッキペディア)

 このときから始まった、大規模農業を目指す日本の農業政策の続きが「農業集落排水事業」であり、先日「小農学会」のブログで紹介した「経営体育成基盤整備事業」だったのです。

 さてこの「農業集落排水事業」は、袖ケ浦では、最初に高谷地区、次いで下泉地区、野里地区と進んだのですが、都市部の下水道と違って、集落の家々が離れているような場合、非常に効率が悪いことになります。補助金の率は高いのですが、市の負担も大きいため、金持ちの自治体でなければ簡単にはできません。市債がこれだけ残っている原因です。

 横田にお住まいだった会員の、故・飯田さんは、生前

「下水道を作ったところで、農家は土地があるため、配水管まで配管しなきゃならないし、それは自費、その上一戸宛負担金が20万円、そんなもの作るより、個別浄化槽の補助費を出してくれた方が、どれほどいいか・・国の言いなりになって、税金の無駄遣いとしか言いようがない」
と、この問題を指摘した友人と同じように、怒って発言されていたのを思い出します。

 日本の農業政策は、農政ではなく「ノー政」だというのがこういう金額にも表れているのです。袖ケ浦市行政には農業政策は無いことを証明している金額であることを、市民の皆さんは知るべきです。




小農学会を考える 3 [農業]

「小農学会」とはどんな集団なのでしょう。
安部政権の「攻めの農業」に対し、農家や研究者で創る九州発の実践家集団です。経済性優先では日本の農業は壊滅するという危機感を持ち、食の安全や、地域の暮らしを守るカギは、国がお荷物扱いにする兼業農家にこそあるという「小農」こそが日本の農業の中心になるべきと主張し実践する集団です。

 4月23日に福岡大学で開かれたシンポジュームには九州、関西、四国から100人以上の農家や研究者が詰めかけました。共同代表として農民作家の山下惣一さん、鹿児島大学の萬田正治名誉教授のお二人です。すでに全国に210人もの会員が参加しています。
 ではどんなことをしているのでしょう。

 耕作放棄地が増えた集落で、年会費5000円で、週末に草取りなどの田の手入れをしてもらう家族を募り、一回ごとに地域通貨で返礼する仕組みで、福岡の都市部を中心に年150家族が登録。これが年を追うごとに増え、昨年は2000人が農作業に従事したとのこと。

 家族で多品種の有機農業を続けている古野隆雄さんは「小農こそ、自分が食べるあらゆるものを作り、同じものを消費者に届けている」と言い、昨年は畑の雑草を簡単に取れる「揺動式除草鍬」を考案したとのことです。『日本では8割が兼業農家の小農です。世界を見渡しても大農なんでほんのわずかです。この除草機ならアジアの農民にも喜ばれることでしょう・・」と、自信をもって話しています。

 小農こそが、日本の農業の本流なのです。そこに光を当てた施策が自治体にこそ求められているのです。袖ケ浦では、その最も可能性の高い地理的条件がそろっていると言えましょう。
 横田地域、根形地域等・・農業が息づいているこれらの地域にこそ、本当は発展の可能性を秘めた地域であるのに放置されたままの状態が続いていることから、冒頭に書いた老舗スーパー「吉田屋」の悲劇も生まれてしまったことに、行政・市民はもっと心すべきではないのか…と私は思っています。 kawakami

小農学会を考える 2 [農業]

農家をしていたという友人が怒りを込めて訴えていたことがある。彼が指摘したことは
経営体育成基盤整備事業(ほ場整備事業)…という事業のことであろうと思う。
この事業、どのようなものであるかと言えば、市のホームページに掲載された通り転写すると、県と市の二つの事業がありその内容は次のようなことだ。

「水田や畑を大区画化するとともに、各水田等に道路、用水路、排水路を完備させ、大型機械を利用した効率的な農業が出来るようにするものです。
 また、水田を乾田化することにより転作を可能にし、麦や大豆、野菜等の栽培を行えるようにします。」「上記内容の効果をより一層高めるため、大規模経営農家や集落営農組合等の地域農業の担い手(経営体)に農地を集積して、地域農業の活性化を進めていきます」

 彼の言うことでは、この事業などしたい者はいない。でも上からの補助金が出ることもあり、してもらわなければ困るということで、引き受けてくれるところには、様々な恩恵を与えている。このような事業を引き受けると、普通は一定の金額負担がかかるはずのものが、一切不要である。周辺の土地まで整理するなどのサービス付きだ。まったくの税金の無駄使いと言ってよい・・と怒っているのだ。

 残念ながら、市の農業政策は、国の言う通りのことを消化するための事業を進めているだけ・・と言ってよいのではないのか?
この稿の冒頭に書いた「小農学会」では、兼業農家こそ日本農業の要と主張・・都市住民もつないで「市民皆農」を目指し大きな成果を上げている。
そして、横田地区の衰退の基本は、農業政策皆無の状態が生み出しているものであることを指摘したい。(続く)

小農学会を考える [農業]

横田地区の老舗スーパー「吉田屋」が店を閉じることになったという。このことを知らせてくれた老舗をよく知っている方は
「寂しいことだ、高齢者が増える、遊休農地が増え、人口は減る。大型スーパーが乗り込んできての過当競争だ。この店で働いていた地元の人もたくさんいたろうに・・時代とはいえ袖ケ浦市の5つの地域を同じように発展させる・・と言っていた約束事はどこかへ吹っ飛んでしまった。「吉田屋」も、その犠牲者と言ってよいのじゃないのかな・・・」
と話しておられた。

 数日前の東京新聞「こちら特報部」欄に「大規模化政策に異議あり」「挑む小農学会」「兼業が未来切り拓く」というような見出しで、農政の在り方を痛烈に批判しながら、着実に地域に根差した農業経営を進めている『小農学会』の活動を紹介していた。

 安倍政権の「攻めの農業」が念頭に置くのは、大規模経営のプロ農家。2015年11月の国会で、兼業農家や小規模農家の保護について問われた安倍首相は
「小規模ではコストが高くなるのは当然だ、基本的には大規模化を進める」
と、はっきり答弁している。しかし、その政策の具体化で考えている大規模とは、30h以上
というささやかなものだ。この方は、例えば南米の農家の耕地面積の広さをご存じなのであ
ろうか。すべて三ケタが並ぶ広さなのだ。200ha,300ha、広い人は500ha、700haと並ぶ。
 
 袖ケ浦市の農家の耕地についての資料がある。7年前でちょっと古いのだが掲載してみよう。
袖ヶ浦市農家の実態数である。(2010年世界農業センサス)

0,5ha       111 戸  
0,5ha~1ha      320戸
1ha~ 2ha     366戸
2ha~ 3ha     125 戸
3ha~ 10ha    143 戸
10ha以上       7戸
          972 戸  

 前に、いわゆる「攻めの農業」の成功例をとうとうと述べていかれた講演があった。数多くの農家の方々が聞いておられたようであるが、その聴衆の中に市長もおられた。ただただ感心して聞かれておられたのであろうか?袖ケ浦の農家のこの現実を、「攻めの農業」で打開できるとお考えになっておられたのであろうか?(続く)

kawakami

袖ケ浦市の農業問題~傍聴記最終~ [農業]

 今議会傍聴記は、となみ議員、塚本議員、茂木議員、粕谷議員、長谷川議員と書かせていただいた。最後に袖ケ浦の農業問題を追求した篠崎典之議員に登場していただく。
 つまり、現在市政が抱えている最大の問題点と、私が考えている事項に触れた質問を聞かせていただいたことの報告であったことはご理解いただけるであろう。
① 浜宿団地裏山残土埋め立て問題
② 海側開発区画整理不法「鋼製スラグ」埋め立て問題
③ 火葬場建設問題
④ そして農業問題である
以下、篠崎典之議員の質問を報告する。

篠崎典之議員は大綱2項目中の第一点目が農業問題であった。ここでは
① 袖ケ浦市の農業、酪農業をどのように分析し、その振興策をどう考えているのか
② 農業の担い手不足は緊急の課題である。どのような方策を考えているのか
③ 農業破壊、関税ゼロのTPP協定に対し反対の意思を表明する気はないのか
以上3点である。

★ この質問に対する回答の基本は、「国が決めたTPP協定に対しては、討議の行方を注視するが、提起された国の方針に従って対応していく」という市長の姿勢に尽きる。
 それに対し「袖ケ浦の農業、酪農が置かれている現状を分析し、その現状に即した、袖ケ浦市の農家の人たちが、農業に従事できる喜びと、収入を得ていけるような市としての政策を提起すべきである」と主張されたのが篠崎典之議員である。

★ 真っ向から対決しているように見えるが、その中でも討議の中で2点の前進ある回答を引き出している。
① 最大の課題である、農業の担い手の呼び込みと、育成については、空き家対策とも関連し「住む場所」「農地の保障」「農業技術の習得」の保障体制を作り上げ、就農希望者を取り巻く環境が人間関係を軸に構築されること。そのための体制づくりに、行政がコーディネーター的役割を十分に果たすこと。実現に向けた庁内連携組織を作り上げること。

② 農業委員会の建議書提出にかかわっての質問回答が、教育委員会であることに、ちょっと首をかしげたが、それが建議書中、学校給食野菜食材に関することから出たものであろう。このことも入札を含め様々な課題があるが、関連するすべてに機関の連携を図りながら進めるとの回答が得られたこと。

★ 最後にこのブログに2度ほど登場したが、現状分析の上で、最も必要である資料の一つ。袖が市の農家の耕地面積所有者戸数一覧表をもう一度記述しておく。この現実からTPP協定を克服して農業の振興をどう実現していこうとするのか。TPPに対応した振興策は、だれのための振興策なのかをお互い考えあいたいものだと思う。

袖ヶ浦市農家の実態数である。(2010年世界農業センサス)

0,5ha  ・・・111 戸  
0,5ha~1ha・・ 320戸
1ha~ 2ha・・ 366戸
2ha~ 3ha ・・ 125 戸
3ha~ 10ha 143 戸
10ha以上・・・・ 7戸
        972 戸  

TPP全農産物関税撤廃か [農業]

 2日付東京新聞朝刊一面の記事は、『全農産品関税撤廃の恐れ』という見出しで、TPP交渉が米国の言いなりであったことを暴露している。TPP協定案の日本語訳がまだできていないことを、このブログでも紹介したが、何のことはない。日本語訳ができれば「強力なネゴシエーター」などと持ち上げていたTPP担当の甘利大臣などの、嘘っぱちがばれるからであることが明確になった。これはTPPの違憲訴訟弁護団が、協定案の英文を分析した結果であるから間違いない。

 日本の食料自給率は26%である。オーストラリア241%、フランス174%、アメリカ125%、あの北朝鮮ですら100%は切っているものの、77%を保っている。(農水省食糧需給表H24年度)
選挙の時、あれほど「TPP絶対反対」を謳っていた自民党であったのに「TPP協定除外規定なし」という結果で、このままいけば7年後には関税なしの食料が国内になだれ込んでくることになる。

 袖ケ浦市の就農人口と耕作地の実態という調査のことは以前紹介した。袖ヶ浦市農家の実態数である。(2010年世界農業センサス)

0,5ha  ・・・111 戸  
0,5ha~1ha・・・ 320戸
1ha~ 2ha・・・ 366戸
2ha~ 3ha ・・ 125 戸
3ha~ 10ha ・・ 143 戸
10ha以上・・・・・ 7戸
         972 戸  

 国の政策は、当面して30ha規模以上の農業企業化を図ることで、世界に対抗できるし、食料品輸出も可能である・・・などと、企図しているようであるが、そうなれば袖ケ浦の農家は全滅である。まして「耕作放棄地」
がすでに328ha(袖ヶ浦海側開発の広さは40ha)もある袖ケ浦である。
 市の農業政策も、国の政策に準じたままで、市の独自農業政策はゼロに近い。
第一 昨年10月1日に提出された「袖ヶ浦市農業施策等に関する建議書」はどうなったのであろうか?

 この現実を見て、農家の方々は、怒りを感じないのであろうか??お上の言うことだから、言ってもしょうがないと思っておられるのであろうか?本来政治とは、住民のためのものであるはずなのに・・・

kawakami


袖ケ浦市の農を語る・田正男氏の講演・その3 [農業]

 まとめに入りたい。講演者の内容は、国の政策を具体化する最も先端的取り組みとして「農業のプロであると同時に経営者になること」を、ご本人の人生の信条として取り組んでこられた。軽快な語り口での成功の実践は、聴く者心を打ち意欲をたぎらせてくれる。

 しかし一歩下がって冷静に考えた時、国の「ノー政の結果」食料自給率は30%台、不足分を全面的に輸入に委ねることの危険性…主権の放棄につながる現実について、どのようにお考えなのかな・・と思う。

 ただ、お話の内容の中に、学ぶべきいくつかのヒントがあった。きっと、もっと詳しくお話をお聞きしたら、ただ「できないものは離農せよ・・」などと口では話されていたけれど、本心はそうは思っていらっしゃらないように感じ取った。

 ひとつは少しだけ触れられた農業共済のこと。一つは法人化での実践形態。
袖ケ浦の農業形態を見た時、地元の小さなことから、農業者が意欲を持って取り組み、農地の大小にかかわらず、誇りを持って農業に従事するヒントが私には見えた。
簡単である。「地産地消を徹底的に追求すること」

 例えば、袖ケ浦農業の特徴は、野菜農家の生産量が20億3千万(335戸)で耕種の中で最大である。それであれば農業委員会建議書にある、学校給食地元産30%台の現状では低すぎる。問題は一定量の種別野菜の供給が、可能になるシステムをどう作るのか?そうむずかしいことではない。野菜農家の法人化、あるいは農業関係職員の奮闘によって、供給農家の登録により生産調整等の事務的整理をすれば、それでOKではないのか?役所内の事務に埋もれるのではなく、農家1軒1軒を走り回る職員はいないのか。それを励ます上司はいないのか?
 学校給食に限らず、外食産業への販路の輪を一つ一つ広げていくことも同じである。
 「ユリの里」も、実質的経営権を地元農家集団、あるいはそのための法人組織にゆだねるべきであろう。

 例えば、稲作の収穫量は14億5千万(810戸)消費者である市民との直結登録。おいしいお米であり、販路が確定すれば意欲が湧き、販路が拡大すれば、「ブランド化」も進む。
ただ、農協との関係等については不明であるが、農業よりJAバンクの方が忙しくなっているような農協の姿には首をかしげてしまう。農協が原点に戻ることを講演者は話されていた。

 私は農の素人である。ただ、酪農規模を無理して拡大し、借金に埋もれた北海道根釧原野の状況を知っている。もっと確実に、もっと意欲のある農業政策は、見えるものでなければならないし、農地の大小で優劣をつけるような政策であってはならないと思っている。

 袖ケ浦市農業行政政策の一考を、あらためて関係者にお願いしたい。
田正男氏講演会に参加させていただいた感想を含めてのつたない提言である。
   kawakami

袖ケ浦の農を語る・田正男氏の講演・その2 [農業]

 国の農業政策を確かめたうえで、この農業政策で袖ケ浦農業はどうなるかを付け合せてみよう。

★ 袖ケ浦農業就農人口と耕作地の実態(2010年・世界農林業センサス)

0,5ha   ・・・・   111 戸  
0,5ha~1ha・・・・・ 320 戸
1ha~ 2ha・・・・・  366 戸
2ha~ 3ha・・・・・ 125 戸
3ha~ 10ha・・・・・ 143 戸
10ha以上 ・・・・・ 7  戸
            972 戸  

 よくこの耕地面積と、戸数を確かめてみてほしい。5年前の統計なのでこれよりまだ減少していることが予想されるが、その実態の中で袖ケ浦市独自の農業政策は、「農業集落排水施設整備」と「合併処理浄化槽設置」しか見当たらない。それ以外は、「農地拡大」も「担い手の育成」も「ゆりの里」も、国の方針通りの政策の具体化で、そのほか市独自の地元農業者のためになる政策というのが見つからないのだ。高齢化問題も含め328haという耕作放棄地が生まれているという実態もあるというのに・・。

 つまり、農地拡大という国の政策をそのまま実行することが、袖ケ浦の就農者にとって、本当に良いことなのかという疑問である。

★ 国の目標は20~30haの農地集約であり、そのために農地を譲ったものに対し「農地集積協力金支給」と「離農奨励金制度」が設定されている。袖ケ浦で農地拡大可能と考えられる農家は、10ha以上の7戸と、頑張って3ha~10haまでとしても、150戸が対象になり、あとは離農せよと勧めているようなものではないのか?
全体戸数の15%程度の農家のための政策、それはそれとして、袖ケ浦市の農業者全体のための政策というのはないものか?

 別な言い方で言えば、講演者が幾度も繰り返し話された、資本主義経済が、企業倫理を投げ捨てて、「弱肉強食」の世界に入っている・・・・だから講演者はその波に乗り『農才と商才』の必要性を説き、力を付けて、勝者になれ!それができないものは離農なさった方がよい・・と説いているのだ・・・それで本当に良いのか?

※ 私事ではあるが、南米に10年間ほど滞在し、移住者支援ボランティアの仕事をしてきた。戦後移住の人たちの移住地であったが、移住40年の奮闘でテーラロシアという肥沃な赤土と、不耕起栽培の普及もあり、1農家耕地面積は200ha~500haという大豆畑が実現していた。この移住地からは、東北大震災の際、100万丁もの豆腐に当たる大豆が、復興支援のために寄贈されている。国の政策の20ha~30ha程度の農地拡大政策で、輸入農業生産物流入の嵐に負けぬ力を日本全体の農業力として、蓄えることができるのであろうか?

★ 政策とは、その地に生きる人たちの生活を、より良くするための仕組みをどう作るのか・・そのことが基盤になるべきであると私は思っている。そのための試みはないのか?そのために、行政は手を貸す意志やアイデァは生まれないものか?(続く) 

   kawakami