裁判傍聴記(9) =証人尋問⑤= [新井産廃場]
裁判傍聴記(9) =証人尋問⑤=
5月17日に千葉県相手の行政訴訟裁判があり証人尋問がありました。前回まで被告(千葉県)側の証人尋問を書きましたが次に原告側(住民側)の証人尋問を書きます。
証人は千葉県環境生活部廃棄物指導課 杣澤(そまさわ)良介氏
2024/06/14 関 巌
(弁)千葉県がホームページで公表している物で2022年度と2023年度、現時点で 手に入る最新のデータです。これを見るとモニタリング井戸で2022年4月から塩 化物イオンが上がっていって300,400,500そう言う数値がずっと出ていま すよね。
(証)ピークが2022年2月でなだらかに下がっています。
(弁)(2022年)3月に380,4月に300とか出ています。評価はいいですよ。 あなたはなだらかに下がっているとおっしゃるけど。
これも平成24年に漏洩した物が土壌に付着していて今出ていると言うことですか。
(証) 結論としては原因が分からないが可能性の一つとしては平成24年のものと理解し ている。もう一つはこの近くで放流水を放流した影響によるもの、この二つが想定さ れると聞いています。また埋め立て地から出ていないくつかの証拠があると報告され ています。
(弁)それはいつ調査したんですか。
(証)いつというのは今分からないです。数値が上昇した後指示をしていますので昨年度と かと思います。
(弁)この裁判で資料として出ているんですか。
(証)記憶がありません。
(弁)それも確認してあるんなら出して貰いたいですね。
(証)そうですね。
(弁)可能性として平成24年に漏れたとき土壌に付着して11年、12年たって出てきた と言う主張なんですね。そうだったら汚染した土壌を業者に除去させるべきではない ですか。
(証)塩化物イオン自体は有害物質ではありませんので。
(弁)ちょっと待って下さい。塩化物イオンはそのものが有害でないのは分かっていますよ。 そんな論争をするつもりは無いです。だけど有害物質の指標でしょ。何か有害物質が 漏れているかも知れないでしょ。であれば有害物質かどうか先ず検査しなければいけ ないですね。 しました?
(証) してます。
(弁)2022年、2023年してますか。
(証)観測井戸においては廃掃法に定められた項目については検査はしています。
(弁)平成24年に漏洩したときの千葉県の行政指導で、県としては独自に実施した周囲の 観測井戸における漏水の指標とした塩化物イオンに加え、臭素イオンおよび有機フッ 素化合物(PFAS)が検出された調査結果から処分場内から流失したと判断しました、 と書かれている。有機フッ素化合物は自然界に存在しないから処分場内からと判断し てよろしいですね。
(証)そう言う判断で良いです。
6月17日(月)11時~千葉地裁601号法廷で新井処分場の漏洩汚染物質を撤去させる民事裁判です。傍聴を。
(つづく)