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公民館・図書館がなぜ市長部局に移行されたのか [市政全般]

 昨年、12月20日・22日に書いた袖ケ浦市議会傍聴記。ここには12月議会の突然上程された「公民館の管轄を教育委員会から市長部局に移す」という、びっくりするような議案のことを書いた。なぜこのようなことが起きたのか。その原因を探ってみた。

2018年8月18日(土)
公民館・図書館 首長部局へ移管の特例。「社会教育行政衰退の恐れ」   中教審分科会報告 学会から批判

 文部科学相の諮問機関である中央教育審議会の生涯学習分科会は今月上旬、公民館や図書館、博物館などの「公立社会教育施設」の所管について“自治体の判断で教育委員会から首長部局に移すことができる特例を認めるべきだ”とする「審議のまとめ」を中教審で報告しました。これに対して、関係学会から「社会教育行政の衰退を招く恐れがある」との批判の声があがっています。

 政府は昨年12月、公立博物館について、観光行政などとの一体的な取り組みを推進するため、首長部局に移管可能とすることを検討する方針を閣議決定しました。今年3月には、林芳正文科相が各社会教育施設の所管の在り方も含めた検討を中教審に求めていました。
 「まとめ」では、首長部局への移管で「観光」や「まちづくり」など他の行政分野との一体的運営による効果が生まれる可能性があると強調。移管の特例を認めるべきだとしています。

 一方で、条件として「社会教育の適切な実施の確保に関する担保措置」を講じることをあげています。
 具体的には、施設の専門性を確保するための教委による関与などを例示。また、個人の要望に基づく多種多様な学習機会の整備が重要となる社会教育で、行政的な視点が優先され、住民の自発性が阻害されることのないよう留意すべきだと記すなど移管の危険性を自ら示唆しています。

 日本社会教育学会の理事会は6月、移管特例の導入を批判し、教委所管堅持を求める要望書を中教審に提出。7日にも日本教育学会など関係6学会の会長らの賛同も得て再度、堅持を要望しました。
 中教審は、今後さらに議論・検討し、年内にも林文科相に答申する予定です。
 「まとめ」によると、2015年10月現在での施設数は公民館が1万4171、図書館が3331、博物館(類似・相当施設含む)が5690となっています。

◆ 中立性確保の認識も後退
日本社会教育学会会長の長澤成次・千葉大名誉教授の話 

 社会教育施設の移管は、博物館事務の文化庁への移管や社会教育課廃止などの文科省改編案と一体の流れで、観光振興など経済・効率性が優先され、住民の多様で自由な学びの権利を保障する社会教育行政・施設を衰退させるものです。
 「審議のまとめ」では首長の政治性に左右されない中立性の確保についても認識の後退がみられます。移管なら、職員の任命も教委から首長部局に移り、公民館主事・図書館司書・博物館学芸員の専門性に基づいた自由で自律的な社会教育労働が、観光やまちづくり行政との一体化を目指す首長部局の上意下達のもとで否定される危険性が生まれます。

★ あくまで自治体の判断で行うことができる。逆に言うと「自治体の判断で行わなくてもいい」ということだ。袖ケ浦市長はなぜこのような判断を、それも正規の手続きを踏むことなく行ったのか?
また、誤った判断を重ねてしまった。ひょっとして、閣議決定だけで、すべてを決めていく現政権の政権運営法をまねているのかもしれない。    kawakami

                    赤旗電子版に掲載されていた記事から

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