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書かないワンストップ窓口 北見市 [市政全般]

 今日は毎日新聞【本多竹志】記者の、変わった記事を紹介する。市役所窓口の工夫は、こんな形の変化もできるということだ。                       kawakami

役所で手続きをする際、申請書を書く手間を省き、いろいろな「課」の窓口を回らなくてよくする。北海道北見市の「書かないワンストップ窓口」の試みが「夏のDigi(デジ)田甲子園」で、実装部門ベスト4に選ばれた。政府が推進するデジタル田園都市国家構想に関連した取り組みをする自治体を表彰する企画。市窓口課で業務改善に取り組む吉田和宏管理係長は「取り組んできたこと全体が評価されてうれしい」と喜ぶ。

 Digi田甲子園は国が主催。デジタル技術の活用で地域の課題を解決し、市民の暮らしの利便性の改善や産業の振興につながる取り組みを自治体から募り、有識者などが評価する。今回が初めての開催。「実装部門」と「アイデア部門」があり、北見市は実際に課題を解決した実装部門でベスト4に入った。

 47都道府県の代表自治体がPR動画を作製し、ウェブにアップ。7月12日~8月15日にインターネット投票を実施した。インターネット投票に2万4216票が寄せられ、有識者の審査とあわせてベスト4までを選出。北見市がつくった1分間の動画は、2万回以上の再生で高い評価だったという。

 「書かない窓口」とは何か――。市民が各種の申請などで用紙に記入する住所や内容は、ほとんどがすでに市のデータベースに登録されている。これらを書いてもらうのでなく、窓口で事実関係を市職員が聞き取って確認し、申請書を作成する。市民は署名するだけで手続きが完了するという仕組みだ。市民の手間を省くことができる。

 取り組みは、市職員の提案から実現したという。2014年に庁内でワーキンググループを設置。「デジタル世代」の新人職員が市民役になり、届け出を体験して、市民の目線で改善点を探った。申請書の記入方法が分からない、何度も書き直しを求め、求められる――という申請書の確認に市民も市職員も時間を費やす課題が浮き彫りになった。

 市は16年に独自に開発したシステムで、先行して住民票などの証明書の交付を「書かない化」した。その後、転出、転入に伴う各種の届け出に拡大。18年に1カ所で複数の申請ができるワンストップ窓口をつくった。窓口で、対面する必要があるが、デジタル化で申請書の記入の手間を減らすことができた。市への転入者からは「とても早く手続きが終わった」と驚きの声が聞こえ、市民からも「親切な窓口で助かった」などと好評価が多い。

 全国の自治体からの視察が相次いでいるという北見市。市は「北見市モデル」が全国に広がれば、市民サービス向上につながると期待する。市窓口課の川島佳子課長は「多くの職員が関わったシステム。市民からの好評価が職員のモチベーションにもつながっている。全国ベスト4を励みに、よりよい住民サービスに取り組みたい」と意気込んだ。


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