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「袖ケ浦天然ガス火力建設計画」の現状 2 [火力発電所]

 ◆ 大手電力会社はどうしたか?

 経営悪化で大手電力会社は多くの発電所の維持費節約で停止、廃止を実行したことで電力に余裕がなくなった。東北電力圏内の発電所が地震で損傷したこともあってさらに電力供給力が低下した。 
当然電力卸市場に出回る電力が減る、でも新電力は顧客に電気を売る必要があるので買いの札を入れる==>買い札多く、売り札が少ないから価格が上がった。

 (さらに昨年と今年冬は寒いし曇りで電力使用量が増加、でも太陽光は悪天候で発電しない。さらに卸市場価格が上がる)
 新電力は赤字となって倒産がでた。
この状況を見て嬉しいのは大きな電力会社、電力逼迫の継続は原発再稼働や石炭火力批判をかわす世論になる。 老朽火力は停止のままで再稼働はできるだけしない方が得の状況

◆ まず東ガスの状況について

 東京ガスはいままで順調に顧客数を増やしてきた。なんと300万件です。 東電の低圧顧客の1割です。 しかし東ガスの保有する発電所は売却と更新工事で250万kW程度に減少していたところに電力逼迫(意図的)が起こった。 
 ロシア侵略でのガススポット価格が急騰で追い打ち。 でも東ガスのガス輸入契約は15年の長期契約で原油価格連動なので、既存ガス契約分に対して即時の影響は少ないが、建設計画の千葉袖ケ浦天然ガス発電が使う分は新たに輸入契約が必要です。そのため高い価格での契約となれば採算性が見込めないとして撤退の可能性があります。

 新電力としての東京ガスは、契約顧客に電気を供給責務があるので、自社電源と相対契約で得る電気で足らない分は卸市場から購入する必要があるので、電力事業の採算性は悪化する。
 そこで東ガスは市原市などのバイオマス発電や太陽光など獲得中で、椎の森工業団地の発電所も購入しています。
 火力に偏った電源構成なので将来、大失敗になる可能性が大きい。バイオマス発電の燃料も輸入なので円安で採算性割れになるでしょう

◆ 再エネの動向について
 ついに野立て産業用太陽光電力の入札で10円以下に到達。まもなく火力より安価な電力として争奪戦が展開される価格になるでしょう(日本は設置場所がもうほとんどないのが問題)
 屋根置きはまだまだ高いのでもうすこし競争力がつくには時間がかかるでしょうが、輸入燃料価格が上昇。大手
  千葉袖ケ浦ガス火力のアセスは6.23に木更津市で環境審議会があり、3市の審議はすべて完了で6月末あるいは7月初旬に県に市長意見として送付されます。
 県に到着すれば40日程度で審議2回が終わり知事意見として経産省に送付
 経産省ではめくら判で特に精査することはありません。学識経験者での審議もなく受領で事業者は指摘事項があれば評価書を作成し公開でお仕舞い着工OKとなります。
 九州電力の撤退で1社で3基建設2500億円負担は大きいので中止、あるいは2基にする可能性があります。

 欲張って顧客数増やした結果、発電所建設に大金投資で負債を抱え将来、世界の圧力など禍となって東京ガスは経営悪化する可能性を感じます。

 燃料費のかからない自然エネルギー電力を売る会社であれば小規模でも末永く存続できるので、意見書手紙には第2東電になってほしくないと書きたい。

 振り返れば2014年ごろ?石炭火力に日本が狂った。しかし5年後断念。いまはガス火力に夢を見る、運転開始は2028年、2030年CO2削減46%、COP目標1.5℃が守れないことが明確になる年です。その後何年運転できるのか疑問になった九州電力は撤退を決めました。
 九州は日本でもっとも火力に対して再エネが迫っている地域。その経過を知っている池辺社長は袖ケ浦のガス火力がながく続かないと見たのでしょう。

  以上が私たちの会の事務局長の現状分析です。いかがですか?  kawakami

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