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環境影響評価準備書説明会報告 [火力発電所]

 (仮称)千葉袖ケ浦天然ガス発電所建設計画環境影響評価準備書説明会報告
                 於袖ケ浦市民会館 13時半~16時 関  巖

 初めに準備書の概要を50分間スクリーンで説明した後、質問の時間を50分予定して
15時30分終了予定であったが発言者が多く40分延ばして90分取った。
主な質問や意見、それに対する事業者の回答を報告します。

 初めに事業賛成の発言がありました。
「原子力発電は絶対反対だ。電力が逼迫しないためそれに変わりガス火力を大いに進めてもらいたい。煙突が80mでもっと高くして欲しいがこれで大丈夫だと言う説明を信じる。本社を袖ケ浦にして法人税など市に入るようにして欲しい。漁民の人が非常に心配している。漁民に説明をしたか。漁業補償の金額は示しているか。電力会社が多すぎるもっと合併して体力のある電力会社にしろ。不退転の決意で進めて欲しい。共存共栄でやって欲しい。ガス火力完成を見守る市民の会を作って応援する。頑張れ!!」
これに対して会社は
「応援とても心強い。漁業関係には温排水の影響は少ないと説明し理解を求めている。補償金についてはまだ話していない。

 以後10数人より事業に対する疑問や懸念の質問、意見が次々とありました。
Q1,今大きな問題になっているCO2の年間放出量はいくらか。またこの大事なデータ を配付資料に載せないのはなぜか。
A1,年間472万トン、電力効率は0.307kg/kwで効率はとても良い。
 紙面の関係で載せなかった。
*こんな大事なデータを資料に載せないのはおかしいと質問者が発言

★ 一番多かった質問は大気汚染に関するものでまとめると
Q2,袖ケ浦はぜん息の子供が多い、千葉県は沢山の工場が来て大気汚染がひどい歴史が ある。光化学スモッグは基準が達成されていない。
A2,燃焼ガスはSOxを出さないがNOxは出す。排出ガスは脱硝装置などで低NOx にしてあり4.5PPM以下にしてある。
 効率の悪い古い発電所が撤退して私たちの事業所が入れ替われば全体として大気汚染が 減る。

★ 次に多かった質問は地球温暖化についてでまとめると
Q3,CO2排出が増えて地球温暖化につながる。異常気象で我々は大変な被害を受けて いる。2019年台風被害で大変な目に遭った。2050年のゼロカーボンとの整合性 はどうか。電力を買うのは価格だけで無く自然エネルギーで作られた電気を買う人も多 い。
A3,高効率で0.307kg/kwで1kw発電したときのCO2排出は0.307k gで古い発電所よりCO2が少ない。古い発電所が撤退すれば全体としてCO2は削減 になる。

Q4,千葉県の電力の半数以上は東京に送られている。千葉県に公害だけ出している。千 葉県に設置する理由は何か。
A4,冷却水があるとか東京に近いとか発電に適した場所が千葉県である。また税収や雇 用で地元に貢献している。

Q5,LNGはウクライナ侵攻でロシアからの輸入が途絶えたり価格上昇で将来の供給は 不安定ではないか。
A5,世界各地から分散して輸入しているので一地域が途絶えても大丈夫。

★ 放流水に対する質問も何人かから出ました。
Q6,水処理施設で放流水の検査で異常が出た場合はどうするか。放流する直前で検査を するような図になっているがその手前で検査しなければおかしい。
A6,異常が出れば水をまた水処理施設に戻して基準以下になるまで放流はしない。水質 検査は放流前の一カ所しか図に書いてないが実際は何カ所かでやっている。図が煩雑に なるので省いた。
Q7,放流水の水温上昇は問題だ。LNGの-176度を気化させるのに海水を使ってい るのでその水を水温の高い放流水を利用すれば良い。
A7,LNGの気化プラントと一体の設備にするのは難しいが、気化させるのに使った水温低下した海水の放流口と、発電所で水温上昇した海水の放出口が近いのでトータルでは同じ効果が出ている。
Q8,取水口などに貝などが付着しないように次亜塩素酸ナトリウムを注入するか。
A7,それは使わない。

Q9,送電線は東京電力が持っているので電力を売りたいとき東電が接続しないかも知れない。
A9,200万KWを送電する権利は持っているのでその範囲内なら自由に送電線を使える。

Q10,原発は何基稼働しているか
A10,日本で62基中5基が稼働している

Q11,電力の需要は今後伸びるのか
A11,横ばいである。経済成長でエネルギー需要が上がるが、一方で省エネが進み、プラス、マイナスで横ばいである。
*この回答に会場の複数の人から経産省では電力需要は減ると述べている、と指摘され訂正した。

Q12,異常気象などで災害になって送電線が止まり電気が来なくなって困った。電力も 地産地消で自前の再生エネルギーなどを使った方が良い。再生エネルギーを使う方向にいかないか。
A,12,中長期的にはそのように考えざるを得ない。今は再生エネルギーの不安定さがあ るのでその調整用にガス火力発電が必要。

Q13,地元への雇用はどのようか。
A13,社員が数十名、関連会社で100名ほど、またメンテナンスの時は外から人が来 て地元の商店などが潤う。

Q14,石炭火力の時は最終的に採算が取れないと言うことで撤退した。採算が取れる根 拠は何か。
*社員が今まで答えていたが会場から社長が答えよ、と言うことで中嶋社長が答えた
A14,高効率で安い電力が作れる見通しが立ったので採算が取れると判断した。

★ そのほか意見としてガス火力建設反対の意見が多数出ました。
一例として
私は石炭火力が撤退して本当に良かったと思っていたら、袖ケ浦市民が望む政策研究会のチラシで今度はガス火力が建設されると聞いてびっくりしました。袖ケ浦はぜん息の子供が非常に多い。子供達の将来のためぜひ撤退して欲しい。


質疑が終了した後、環境影響評価準備書の縦覧が3月31日まで、意見書の提出が4月14日までとの説明があって終了となった。

*終了後、私は意見書提出が4月14日までなのに縦覧が3月31日までではおかしい。縦覧期間を4月14日まですべきと申し入れた。

★ 感じたこと
① 質問が集中した大気汚染、CO2の危惧に対しては、最新の高効率の発電なので同じ量の電力を作るのに古い電力会社より大気汚染物質やCO2の排出が少ないので古い物に置き換わることで全体として大気汚染やCO2は減る、と言う説明であった。
 古い電力会社が撤退するという前提だが撤退するかどうかは相手の会社の都合なので必 ず撤退するとは限らない、そうすれば総量として汚染物質やCO2は増えることになる。
② 参加者に録音、録画、撮影は禁止しておきながら自分たちは記録のため録音録画すると いう、随分手前勝手だと言う印象を受けた。
③ スクリーンに細かく専門用語を並べてずっと説明していたが一方的な説明で十分わからない。途中で眠くなった。市民に本当にわからせようとする姿勢にかける印象を受けた。

◆ 次回の説明会は3月22日(火曜)午後6時30分~(6時~受付)   市民会館大ホール


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