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自然通信ちば 1 [環境問題]

「千葉県自然保護連合」の機関紙『自然通信ちば』149号が送られてきた。この機関紙の中には千葉県各地で起きている環境破壊状況が取り上げられている。そのいくつかを紹介したいと思う。   kawakami

「ふるさとの水を守る会」からの訴え
 この場所は、君津・木更津・富津・袖ケ浦・千葉・市原の市民35万人が水道用水として利用している小櫃川・御腹川の水源地です。そこに、関東一円から持ち込まれる首都圏最大級の産業廃棄物の最終処分場があることをみなさんはご存じですか?

 水源地にあるこの産業廃棄物最終処分場は、新井総合施設(arax)の君津環境整備センターといいます。現在、第Ⅲ期処分場の建設に向けて、計画地の山林を伐採し、山肌を削り、建設に向けての工事が着々と進んでいます。

 第Ⅰ期処分場は、有害物質を含む保有水の漏えい事故が2012年に発覚しました。千葉県から是正勧告を受け、その後、搬入停止の状態のままです。雨水の侵入を防ぐために、真っ黒な遮水シートで覆い、溜まっている保有水をポンプアップしていますが、汲み上げても汲み上げても、その水位が下がらない状態です。
 いまだに有害物質を含む保有水の漏えい事故の原因の究明も、したがって改善対策の実施もなされていません。それなのに、千葉県は第Ⅲ期処分場の増設を許可しました。
 第Ⅰ期処分場が事故を起こしたことや、第Ⅱ期処分場の廃棄物の埋め立てが予定より早く進んだことにより、第Ⅲ期処分場の完成を急ぎ、建設が急ピッチで進められています。
 第Ⅲ期処分場が完成すると、日本最大規模のものとなります。そして、生命・身体・健康に重大な被害をおよぼす危険性のあるダイオキシン・重金属などの多種多様な有害物質や放射性物質を含む産業廃棄物が持ちこまれます。
 この産廃処分場のある場所は君津市怒田643-1です。林道を一本隔てた場所は梅ヶ瀬渓谷自然環境保全地区に指定されています。その周辺は処分場から発生するひどい臭気が漂い、気分が悪くなるほどです。
 
この処分場の保有水は、処理施設で基準濃度に調整されてから、上水道水源である小櫃川の支流、御腹川に流されています。
 君津市久留里の上総掘り自噴井戸は千葉県下で唯一「平成の名水百選」に選定されています。そして現在も、袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市の一部では上水道の水源として地下水が利用されています。
 この地下水は、東京湾の地下で200万年以上前から形成された砂泥互層の帯水層へ井戸を掘ることにより湧きでています。これが久留里や小櫃、木更津、袖ケ浦などに遺されている上総掘り自噴井戸です。
 たとえ地層が違っていても地下水は混じりあいます。帯水層の最上部に位置する処分場から汚染水が漏えいした場合には、君津市が誇る久留里の名水も、農業用水・水道水源である御腹川や小櫃川の水も汚染されてしまうことになりかねません。

 さらに問題なのは、上記のことを専門家から指摘されていたにもかかわらず、事業者の新井総合施設(株)は処分場の増設を計画しました。千葉県も、それを知りながら建設を許可しました。これは生命を軽んじている行為そのものといえます。

 「ふるさとの水を守る会」は、漏えい事故を起こし、原因究明もしない事業者に増設許可をだした千葉県を相手どり、第Ⅲ期処分場の許可取り消し求める訴訟を今年1月31日に起こしました。
 さらに、建設工事差し止めを求める仮処分の訴訟も、新井総合施設(株)を相手どって6月28日に起こしました。裁判中でも第Ⅲ期処分場の建設工事が進んでしまうからです。

 私たちの水道水源、生命の根幹である水、大切なふるさとの水を守るために、そして未来の子どもたちのためにお力をお貸しください。裁判は、長い年月と多額の費用がかかります。「ふるさとの水を守る会」の活動をいっしょに支えてくださる会員を、近隣在住にかかわらず広<募集しています。年会費は3000円です。どうぞ多くの方のご協力をよろしくお願いいたします。
 2019年6月

○ふるさとの水を守る会
 https://m.facebook.com/furusatonomizu/
○事務局連絡先
 furusatonomizu@gmail.com



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