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ドイツ2035年目標 [再生エネルギー]

 私たちの会の事務局長は、この道のプロです。既に膨大な量の意見書を提出準備完了。単に意見書のみではなく、関係漁業組合あての参考資料も発送済み。さらに国内の大企業での取り組み状況から、世界の動きにまで目を通されている。今日はドイツでの大胆な削減計画が紹介されているので、そのことを意見書関連事故として紹介する。

★ 独、脱ロシア依存へ再エネ加速 35年に電力消費全て代替 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR06DAO0W2A400C2000000/
ウクライナ侵攻 2022年4月7日 11:10

 ドイツのショルツ政権は天然資源の脱ロシア依存をにらみながら、脱炭素社会へ構造転換を急ぐ(写真は4月3日)=AP
 ドイツが再生エネルギー利用による脱炭素社会への構造転換を加速している。ハベック経済・気候相は6日、再生可能エネルギーの普及をめざす法改正の詳細を発表した。太陽光や風力などの発電能力の増強を進め、2035年にはほぼ全ての電力を再エネで賄う。ウクライナに侵攻したロシアの資源に大きく依存するリスクがあらわとなり、安全保障の観点から脱炭素戦略の前倒しを迫られている。

ドイツ再生エネルギーへの脱皮.PNG

 政府は6日、エネルギー戦略「イースターパッケージ」を採択した。再生可能エネルギー法などの関連する法令を包括的に見直し、独連邦議会で立法手続きに入る。
 中道左派のドイツ社会民主党(SPD)と緑の党、自由民主党(FDP)は3党による連立政権の発足時に再エネの比率を30年に80%まで高めることで合意していた。21年時点では41%にとどまっており、今後10年ほどで2倍に拡大させる方針だ。35年にはほぼ全てを再エネでまかなう方針も示した。
戦略の柱となるのが、太陽光や風力などの再エネを使った発電能力の増強だ。発電施設を円滑に新増設できるようにしたり、補助金制度を見直したりして後押しする。送電網の拡充を進めるほか、風力を確保するための広範囲な土地開発も盛り込んだ。水素技術についても市場拡大を促す。
 ドイツはこれまで脱原発を進めており、今回も原子力発電の活用については明確な言及をしなかった。脱炭素は原発ではなく、太陽光や風力など再生可能エネルギーへの転換を軸とする立場を維持している。
 資源価格が上昇するなか、利用者の負担を下げるため再エネに必要な電力の賦課金は廃止する方針だ。必要な財源は、環境投資のために積み立てる基金を充てる見通し。6日公表の声明文では「過去、数十年間で最も大きいエネルギー政策の改正」とした。

 ドイツは45年までに温暖化ガス排出の実質ゼロをめざす野心的な目標を掲げている。石炭火力の廃止時期はメルケル前政権では38年だったが、ショルツ政権では「理想的」な目標として30年に前倒しを決めた。脱炭素社会の実現に向けて、化石燃料から再エネへの構造転換が官民で急務になっている。
今回の戦略策定では、ウクライナ情勢も大きな転機になった。ドイツは天然ガスの輸入の過半をロシア産に依存しており、エネルギー安全保障の確立が喫緊の課題に浮上している。公表資料では「ロシアの侵攻は化石燃料からの脱却と再エネの強化を進める重要性を示す」と明記した。ドイツがガスの購入を続ければ、代金の支払いを通じてロシアへの経済制裁の効果を弱める恐れもある。

 ドイツ経済への影響も深刻だ。欧米諸国が制裁を強めるなか、ロシアは欧州向け天然ガスの供給を減らす姿勢をみせている。欧州連合(EU)は追加制裁として石油・天然ガスの輸入停止を見送ったものの、仮にロシアからの供給が止まれば鉄鋼や化学などの独製造業が生産停止に追い込まれかねない。
ロイター通信によると、ドイツ銀行協会のゼービング会長(ドイツ銀行最高経営責任者)は4日、ロシアからのガス・石油の供給が止まると「独経済は深刻な景気後退に陥る」と指摘した。天然ガスを巡っては、ドイツは有力生産国のカタールと長期の調達契約を結んだばかりでリスク分散を進めている最中だ。

 脱炭素社会への移行には時間を要するうえ、実現には高いハードルがある。再エネに大きく依存した電力システムの安定性には課題が残る。市場拡大や技術革新が政府の期待するようなペースで進むとは限らない。中長期的には電力料金引き上げや増税といった国民負担の議論も避けられない。
国際情勢に左右されにくい再エネによる自給を通じて安全保障の確立を着実に進められるか。ロシアのウクライナ侵攻を奇貨とした脱炭素の動きは他の欧州各国にも広がる可能性がある。
(南毅郎)







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