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市庁舎省エネ [再生可能エネルギー]

日経産業新聞に、袖ケ浦市庁舎建設で請け負った大成建設が、エネルギー消費量を半分にする市庁舎を建設するという記事があったので転載します。      関 巖


袖ケ浦市庁舎 既存・新設棟、エネ消費半減
大成建設が認証取得

大成建設は既存のビルの改修工事などを通じ、建築物で使用するエネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指すZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)を適用する事業を本格化する。これまで同社のビルや子会社の工場などで進めてきたが、同社外の既存の建築物である市庁舎などに範囲を広げる。ZEBの事例は新設が中心だが、既存の建築物の需要も高まるとみる。

ZEBは太陽光などの再生可能エネルギーの導入状況やエネルギー消費量に応じて大きく4つに区分される。4つの区分のうち、再エネで電力を生み出す「創エネ」を実施せずに、省エネでエネルギー消費量を50%以上削減したものを「ZEB Ready」と呼ぶ。

大成建設はこのほど、同社が受注した千葉県袖ケ浦市の庁舎の改修・新築事業について、「ZEB Ready」の認証を取得した。改修する既存棟と2つの新設棟で使用されるエネルギー消費量を50%以上削減する。現在すでに工事中で、2024年9月末に竣工する予定だ。

一般に、建設前から省エネを意識した設計をしやすい新設の建築物に比べ、既存の建築物でエネルギーを削減するのは難しい。既存建築物の設計の範囲内で、遮熱効果の高い断熱材や窓ガラスの採用、照明の効率化などの改修工事を進める必要があるからだ。

袖ケ浦市の庁舎では、既存棟単体の設計でエネルギー消費の半減を達成した。外壁に設置する窓ガラスの面積を従来計画よりも削減することで日射量を減らし、建物内部にこもる熱を減らした。二重に設置する窓ガラスの隙間を広くするほか、屋根につける断熱材を厚くするなどして、部屋の温度を一定に保つ効果を高めた。このほか照明器具の見直しやエアコンの効率化を通じて、新設棟2棟と既存棟をあわせたエネルギー消費量を半減させた。

大成建設が既設の建設物で「ZEB」化に乗り出すのは、今後の需要増が見込まれるからだ。政府は50年時点で、既設の建築物の平均でZEBの基準に従った省エネを実施するという方針を掲げており、エネルギー基本計画の中でも記載されている。

既存建築物のZEB化を巡っては、すでに大成建設の横浜支店ビルと関西支店ビル、同社の子会社が保有する工場1カ所の計3施設でのリニューアルを始めている。工場では、従来対象となっていた事務所や倉庫だけでなく、生産ラインの空調や照明などを含めて省エネ化する。

新設と既設の両方でのZEB認証取得の実績をつむことで、自治体などに提案できる省エネ化の幅を増やす。今後、耐震化などを目的とした改修工事の受注も増える見込みで、既設のZEBに関する案件の受注につなげたい考えだ。

(柘植衛)

=24日付日経産業新聞に掲載
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