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JERAは直ちに石炭火力発電所建設を中止せよ [石炭火力発電所]

 株式会社JERAをご存知ですか?JERAは、東京電力および中部電力の燃料上流・調達から発電までの事業を担う合弁会社です。つまり日本最大の電力会社です。この会社が目下、東京湾で4か所の石炭火力発電所建設計画中、3か所が断念したにもかかわらず、その上、小泉環境大臣のおひざ元だというのに、横須賀に石炭火力発電所建設工事に着工し、反対の市民団体から裁判の被告として糾弾されている企業です。 

 さてこのJERAが、石炭火力建設中にもかかわらず、10月13日「2050年におけるゼロエミッションへの挑戦について」という文書を公開しました。これは簡単に言えば「2050年時点ではCO2ゼロにするためのJERAの挑戦」ということです。

 このことについて早速、石炭火力建設反対に立ち上がった、東京湾を囲む4か所の市民団体、並びに気候ネットを中心に、国際・国内のNPO団体も含めて組織された「「東京湾の会」は早速、その欺瞞的文書に対し、10月16日【声明】JERA「ゼロエミッション2050」「JERA環境コミット2030」について ~本気で実現を目指すなら横須賀石炭火力の建設中止を~という声明を出しました。

 そこで今日はまず、JERAの「「2050年におけるゼロエミッションへの挑戦について」なる文書を紹介し。明日は「東京湾の会」のこのことに対する声明を紹介します。少々硬い文章ですが、目を通してください。                 kawakami


◆ 2050年におけるゼロエミッションへの挑戦について
2020/10/13

株式会社JERAは、日本のみならず世界のエネルギー問題を解決していくグローバル企業として、地球温暖化対策を経営の最重要課題と考えています。2019年4月には現在の「環境目標」を制定し、CO2排出量の削減に取り組んできました。

 化石燃料を使用した火力発電は、日本の電力需要の約8割を支える一方で、国内のCO2総排出量の約4割を占めており、低炭素社会の実現には火力発電からのCO2排出量削減が欠かせません。
 当社は、国内最大の発電事業者として、低炭素社会の実現を積極的にリードしていく立場にあることから、これまでの取り組みを一層加速させるとともに、長期的に目指す姿を明確にすべく、「JERAゼロエミッション2050」を掲げることとしました。
 また、国内事業において「JERAゼロエミッション2050」を実現していくためのロードマップを策定するとともに、2030年時点での新たな環境目標も制定いたしました。なお、今回掲げた「JERAゼロエミッション2050」を始めとする目標は、脱炭素技術の進展、経済合理性、政策との整合性を前提としております。


■JERAゼロエミッション2050

 「JERAゼロエミッション2050」は、2050時点で国内外の当社事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦することを内容としています。当社は、「JERAゼロエミッション2050」の実現に向けて、次の3つのアプローチを取ります。

① 再生可能エネルギーとゼロエミッション火力の相互補完
 ゼロエミッションは、再生可能エネルギーとゼロエミッション火力によって実現します。再生可能エネルギーの導入を、自然条件に左右されず発電可能な火力発電で支えます。火力発電についてはよりグリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション火力を追求します。

② 国・地域に最適なロードマップの策定
 ゼロエミッションは、国・地域に最適なソリューションとそれを示したロードマップの策定を通じて実現します。それぞれの国や地域は導入可能な再生可能エネルギーの種類、多国間送電網・パイプラインの有無等、異なる環境におかれているため、国・地域単位でステークホルダーとともに策定します。まずは日本国内事業のロードマップを策定し、他の国や地域へも順次展開をしていきます。

③ スマート・トランジションの採用
 ゼロエミッションは、施策の導入を決定する段階で、イノベーションにより利用可能となった信頼のおける技術を組み合わせること(「スマート・トランジション」)で実現します。低い技術リスクで円滑にグリーン社会への移行を促します。


■JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ

 当社の国内外の事業において、2050年時点でのCO2ゼロエミッションを目指し、まずは、国内事業におけるCO2ゼロエミッションの道筋を示した「JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ」を策定しました。
 このロードマップでは、2030年までに当社の保有するすべての非効率な石炭火力発電所(超臨界以下)を停廃止することや、火力発電所における化石燃料とアンモニアや水素の混焼と、その混焼率を徐々に引き上げていくことなどを柱としています。ロードマップは、今後、政策等の前提条件を踏まえて段階的に詳細化を図っていきます。


■JERA環境コミット2030

 当社は、「JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ」に従って、当社の国内事業におけるCO2ゼロエミッションを進めていくために、2030年時点での新たな環境目標である「JERA環境コミット2030」を制定しました。当社は、2030年時点で次の目標達成をコミットします。

・石炭火力については、非効率な発電所(超臨界以下)全台を停廃止します。また、高効率な発電所(超々臨界)へのアンモニアの混焼実証を進めます。
・洋上風力を中心とした再生可能エネルギー開発を促進します。また、LNG火力発電のさらなる高効率化にも努めます。
・政府が示す2030年度の長期エネルギー需給見通しに基づく、国全体の火力発電からの排出原単位と比べて20%減を実現します。


 「JERAゼロエミッション2050」の実現には、現在の技術ではクリアすべき課題がまだ多くあります。当社は、これまでに参画してきた燃料上流から発電に至るバリューチェーンの強みを活かし、自ら主体的に脱炭素技術の開発に取り組むとともに、経済合理性を確保すべく努力を重ねていくことで、実現に向けて取り組んでまいります。
また、関係機関・団体やステークホルダーとも協力しながら、様々な課題解決に取り組むことで、エネルギー業界における脱炭素化を牽引してまいります。


資料1:JERAゼロエミッション2050[PDF: 12.79 KB]

資料2:JERAゼロエミッション2050日本版ロードマップとJERA環境コミット2030[PDF: 248.83 KB]

参考:グリーン燃料の製造・輸送と普及拡大に向けた取り組み[PDF: 92.6 KB]

                 (明日に続く)


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