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石井敏弘議員登場 [議会ウオッチング]

 館山市議会議員・石井敏弘さんのブログを紹介します。袖ケ浦市議会では、なかなかお目にかかれない内容のブログです。勿論ご本人の了解を得ての公開です。
 少し間があくかもしれませんが、次回は現在一般質問に用意された内容について、質問後に紹介ということで木更津市の田中紀子議員のブログを紹介予定です。     kawakami

★ 2+2=5とする行政権力と法令を読めない議員たち

ジョージ・オーウェルが恐怖の独裁国家を描いた小説『1984』に以下のセリフがあります。

『最終的に、党は、「2+2=5」であると発表し、こちらもそれを信じなくてはならなくなるだろう。』

2+2=4 であるのは普遍的事実ですが、時の政権が「そうではなく5だ」といえば「5」になってしまう恐ろしい世界をジョージ・オーウェルは描いたわけです。

政治に関わっていると、行政がデタラメなことを言っていても、それをチェックする議員たちが意味を理解できず、素通ししてしまうことがたまにあります。
それが、
「2+2=5」とする行政権力と、法令を読めない議員たち
という状態です。

行政職員はよく「法令に則って適切に業務を行っています」という場合も、
「何条に書いてあるの?」と聞いて、その条文を調べると、違っていることはたまにあります。

例えば私は、情報公開条例に基づいて文書請求をすることがあるのですが、真っ黒に塗りつぶされほとんど文書開示がされない場合や、1枚たりとも公開されない場合があります。

そういうおかしな場合は異議申し立て(審査請求)を行うのですが、今まで千葉県に対しては4回、館山市に対しては2回、勝っています。つまりこの6回について、行政は条例に違反して隠ぺいしていたわけですが、覆してきました。当たり前ですが、行政は法令に反する場合もあるわけです。

■ 最近びっくりしたニュースですが、
【検事長の定年延長 野党「違法」と追及 法相「公務員法を適用」】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55525690S0A210C2PP8000/
というのがありまして、政権が「合法」だと言って押し切ったわけですが、私には、「2+2=5」という無法状態にしか見えません。

これは、そこそこ法律知識があれば誰でもわかる話でして、おそらく田舎の市町村職員が条文を読んでも違法だと思うのではないでしょうか。

実際に条文を見ると、

●国家公務員法 第八十一条の三 一項
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。

というもので、
普通の職員が定年退職になる場合も、特殊事情があれば、短期間の定年延長は可能という規定です。

例えば、「○○省の職員が60歳の定年を迎え、3月末で定年退職になる。しかし、その職員がやっていた重要な事務は3月末までに処理できない。でも、その職員はあまりに専門的で他にやれる人がいない。だから、定年を半年間延長してもらおう」という場合です。

ただ、

定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、
という条件がついているので、前条第一項を確認してみます。

●国家公務員法 第八十一条の二  一項
職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000120#582

なるほど、上述した「○○省の職員が60歳の定年を迎え、3月末で定年退職になる」という事例はこの条文に当てはまります。
ただし、「法律に別段の定めのある場合を除き」とあるように、例えば、検察官は違います

検察官の定年退職は、検察庁法第二十二条に規定があり、

● 検察庁法 第二十二条 
検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000061&openerCode=1

一般の検察官は63歳で定年。それも63歳の誕生日が到来すると定年退職。

実際の事例では、検察官の黒川弘務氏が63歳になるのは2月8日。その前日の2月7日に退官するはずでした。
それが、安倍政権に気に入られて、いきなり半年間の定年延長。

今まで検察官で定年延長した人は存在しないので、本当にそんなことが可能なのか???

上述した3つの条文に当てはめると、
①「○○省の職員が60歳の定年を迎え、3月末で定年退職になる。しかし、その職員がやっていた重要な事務は3月末までに処理できない。でも、その職員はあまりに専門的で他にやれる人がいない。だから、定年を半年間延長してもらおう」の場合は

⇒国家公務員法「第八十一条の三第一項」で定める「第八十一条の二第一項」に合致するのでOK

②「検察庁法という別段の定めにより、2月8日までに退官しなければならない検察官の黒川弘務氏」の場合は
⇒国家公務員法「第八十一条の三第一項」で定める「第八十一条の二第一項」に合致せず、「検察庁法第二十二条」に合致するのでアウト!
としかなりません。

黒川弘務氏が余人をもって代えがたい人材であれば延長してもいいとは思います。ただし、それは国家公務員法の改正をすればの話です。

具体的には、第八十一条の三第一項から「前条第一項の規定により」を削除して
定年に達した職員が退職すべきこととなる場合において、

と法改正すればいいのです。こうなれば違法ではなくなります。

多分、国会議員でも9割くらいは、これらの条文を読めないのではないでしょうか。ただ、弁護士出身や官僚出身の方々は、間違いなく読めます。田舎の市町村職員でも読めます。

これって、どうやって合法に読めるのだろうか???



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