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水は巡る おびつ川通信 [産廃処理場]

 今日は通信の中から小西さんのエッセーを送ります。  kawakami

 水はめぐる
小西 倫代

 わたしが、君津の山奥に産業廃棄物処理場があり、そこが約35万人の生活用水となる水源地でもあると知ったとき、しかも、一度漏洩事故もあったにも関わらず、それでも更に処分場を増やそうと森が壊され続けていることを知ったとき、なんて大変なことが起きているんだ!と驚いたと同時に、知らずに普通に暮らしていたこと、そんな大変なことを大丈夫だと思うことがいる人がいるということをとても悲しく思いました。

 幼いころ大好きだった絵本「ちいさいおうち」、学生のころ読んだレイチェルカーソンの「沈黙の春」、環境のこと自分なりには大事にしたい想いはずっとあったはずだけれど、昨年9月のグレタトゥンベリさんの演説を聞いて、あぁ何も変わっていないばかりか、悪化しているのだ、と気づいてしまったというよりも見たくなかったものを突き付けられた感覚でした。
 水のこともそう。ひとりでも多くの人たちにこの事実に気付き知ってほしいと思うと同時に、日本のあちこちあるいは世界中でこのようなことが起こっているという事実に目を向けないということ、そして、ひとりひとりが自分たちの生活をもっともっと見直さないといけないんだということ。使っている洗剤やシャンプーはもちろん、自分が選んで買っているものたちが、どんな循環の中にいてどんな循環を生み出しているのか、そんなことを私はもちろん少しでも多くの人に考えてほしいなという思いが沸々と湧いてきました。

 ある朝、ものすごい霧につつまれた風景をみて、はじめは美しいと思いました。深い霧の中、少しずつ朝日があたり濡れていた草花がきらきらと輝いていく朝もやの風景。でもふと思ってしまったのです。普段は見えない水蒸気が空気中の温度差で目に見えているだけなんだと。この水蒸気はどんな循環をめぐって今ここにあるんだろう。金子みすずの「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」の言葉が頭にめぐりながら見る朝もやの風景は、今の環境を考えて眺めているとなんだか少し悲しい気持ちになったのです。

めぐる水に思いをよせること、まずはそこから知ってほしい、
そんな思いで水の詩を書いてみました。

おびつ川.PNG


「めぐる水」
みず、ミズ、水
今朝 あなたが口にした水は
もしかしたら、大昔マンモスが水浴びをした水だったかもしれない
もしかしたら、北極で白くまをのせていた氷だったかもしれない
もしかしたら、あなたの孫の孫のそのまた孫が初めて沐浴するときの水になるかもしれない

地球にある水の量はけっして変わることがない
同じ水がかたちをかえ、なんどもなんども地球をめぐっている

海や川、水たまり、植物、動物から水が蒸発して空にのぼり
その水蒸気が冷やされてしずくとなり大きな雲になり
雨となって大地にしみこみ、地下水となり
そのほんの一部の水が私たちのもとにくる

水がめぐりめぐって流れているおかげで、地球の水はいつもきれいに保たれている
地球は美しい水の星なのだ

けれども、めぐる水がよごれてきている

人間がだすごみを燃やすときにでる煙
除草剤がしみ込んだ大地
洗剤やシャンプーの泡が混ざり合った水
行き場のない土に還らないゴミたち埋められた大地
いつの間にか捨てられたゴミたちが浮かぶ海

空気も川も大地も海も めぐる水の通り道
わたしたちのもとにくる水はどんな水なのでしょう

水は地球に生きるありとあらゆる命が必要とする大切なもの、命の源です

地球をめぐりめぐる水
今日あなたが口にする水はいったいどんな水なのでしょう

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