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モンサント社 1 [農業]

 遺伝子組み換え種子を開発・推進し発がん性が指摘される成分「グリホサート」を含む除草剤を販売する米国「モンサント社」(ドイツバイエル社が買収)に対する抗議が、5月18日世界各地で展開されました。日本でも東京で東京駅のすぐ近くにある「モンサント社日本法人」前で行われたのです。

 一体モンサント社って、どんな会社なのか・・袖ケ浦には関係ないだろうさ・・と、思われるに違いありません。でもビバホームに行ってごらんなさい。農薬の棚にモンサント社の除草剤がちゃんと並んでいるのです。

 私は、退職後、南米パラグアイ共和国、イグアス移住地へJICA(国際協力機構)のシニアボランティアで3年間、その後頼まれてまた4年ぐらい個人的なボランティアで、この地にお手伝いに行っておりました。その時に遭遇したモンサント社と現地農家の実情に触れておきたいと思います。

 この移住地は戦後、最大で、最後の移住地として知られています。巨大なパラナ川の沖積地テーラロシアという赤土で、3年間は肥料がいらないと言われた豊かな土地です。広さ87763ha、袖ケ浦市の面積は9493haですから約9倍強の広さです。

 「指一本入らぬジャングル」と言われたこの土地が、今は豊かな大豆と、トウモロコシの生産地に変貌し、約200世帯を超える日系人家族が、現地パラグアイ人の中に溶け込んで暮らしています。

 当初、切り開いた土地の豊かな表面が、雨で流出し、それを保全することに様々な方法を試みましたが、その中で、不耕起栽培という耕さないで、種を植える方法を生み出しました。  
見事にこの農法が結実したのですが、この農法の問題点は除草です。このとき持ち込まれたのが、モンサント社の遺伝子組み換え大豆と、除草剤ラウンダップのセット販売です。
この遺伝子組み換え大豆は除草剤に耐性を持っています。農家にとって、除草しなくてもよいということは、これほど助かることはありません。その上、大豆の国際市場では、遺伝子組み換え大豆も、有機肥料による大豆も、同じ価格で扱われることから、一気に広がりを見せました。このセットは勿論特許製品ですから高価なものでした。

 日本では、遺伝子組み換え大豆の輸入は禁止されています。イグアス移住地の農家は、遺伝子組み換え大豆と、日本向けの有機栽培大豆の農家に別れ、農協はこの2種類が混合しないように苦労した経営を今も続けています。ただ、この除草剤自体が持つ毒性と、遺伝子組み換え大豆が持つ人体への影響が、世界各国で徐々に明らかになってきています。
(続く)                       kawakami




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