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JERA経営陣の皆さんに 2 [石炭火力発電所]

(株)JERA御中
   3月5日私がJERA経営陣に訴えたいこと-1
豊饒の海からの激変に苦しむ漁民たち
                        石炭火力を考える東京湾の会
                        袖ケ浦地域代表 富樫3.2記

 東京湾はかっては地元民が“東京湾銀行”と言うほど豊かな海でありました。
しかし海水温、水質などの環境変化は、東京湾漁業で生活する方々の暮らしを一変させ、今は苦しい状況にあります。私の住む袖ケ浦は木更津地区、富津地区と近くであるために、海の変化を自身の目で知り、また漁民との会話の中で生活の変化をも知る機会があります。このようなことから海の環境を悪化させる石炭火力発電所を建設することは自然環境を壊し、同時に漁業者の生活を立ち行かなくすることにつながるのでやめるべきと考え、意見を述べたいと思います

 まず状況の説明として
1.木更津地区
2.富津地区 の順で説明します。横須賀市久里浜に建設される石炭火力なのにどうして木更津の話をするのかと思うでしょうが海水の温度差と海水塩分濃度差が影響し外湾の海水が内湾に突入すること(研究者論文)が分かっており、その現象が内湾に被害を及ぼしていること(漁民の話から)が明らかになっていることから取り上げるものです。
 当然ながら富津半島の外湾側は当然、黒潮と横須賀火力からの温排水影響を直接的に受けますのでそのことも述べさせていただきます。

▼ まず2017年4月27日と2018年4月6日の千葉日報の記事を紹介します。
 2017年4月27日 千葉日報 から
アサリ不漁で現状訴え 漁協、行政に対策求める

 木更津市名産のアサリが不漁に陥っているとして、同市中島の金田漁協(武内秀雄組合長、組合員542人)は25日、県や市の幹部らと組合代表者による意見交換会を初めて開催した。組合総代ら約70人が出席し、現場の声を行政に伝え抜本的な対策を求めた。

 金田漁協によると、二枚貝の水揚げはここ数十年で著しく減少、約10年前のウミグモの発生でアサリ漁が打撃を受けてきた。同漁協では、組合員による個別売買のためアサリの正確な水揚げ量は把握されていないが、昨年と比べ今年は「全く採れない状況」という。

 意見交換会で総代らは「生活できない。補償の検討を」 「ウミグモの駆除方法を改めて研究して」などと訴え。新たな海産物の養殖やその技術指導を求める声も上がった。

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2018年4月6日 千葉日報 から
▼ 金田漁協が海鮮レストラン 新事業で収入源確保へ 
 木更津市の金田漁協は、直営の海鮮レストラン「舫い船(もやいぶね)」を金田みたて海岸潮干狩り場にオープンさせた。近年のノリやアサリの不漁で漁協の収入源が枯渇しているため、新たな事業に乗り出した。潮干狩りシーズンだけでなく、年間を通じて地場ものを中心に新鮮な魚介類を提供する。
 金田漁協によると、同漁協では地元産アサリの収量が減少しており、海苔も不漁が続いており、今期は本格的に収穫できるようになったのは通常より1~2カ月遅れの年明けから。高値が付くお歳暮シーズンの収量が少なく打撃を受けているという。

 こうした状況を受け、新たな収入源を確保しようと同店の開業を決めた。事業費は約5千万円。店内には48席を用意し、アサリ釜飯のセットメニューやノリ料理、金田の海で養殖したカキの浜焼きなど自慢の逸品を提供する。
 店は、東京湾アクアラインの出入口から約1・5キロの距離に位置する。潮干狩りのオフシーズンには、対岸から近くの三井アウトレットパーク木更津に訪れる買い物客らの来店を期待。アクアラインは休日夕方の川崎方面への渋滞が深刻で、同店を利用して混雑時間を避けてもらう狙いもある。

 武内秀雄組合長は「水産業は非常にデリケートで東京湾の環境はかなり悪くなってきた」と現状を吐露。「海の幸を惜しむことなく提供するので利用してもらいたい」と呼び掛けた。

 次に木更津の漁港で働くみなさんや組合長との話からの過去と現在の状況を説明します。

▼ 漁港で働く皆さんとの話
2018年暮れ、浜で働く漁業者に海苔の状況を聞くと 富津だけでなくこの地区も今年も良くなかったがこのところの寒さでやっと良くなっていくのではないか? と言う。 しかし春が近づいて漁期の終了が年々短くなっているのが現状とのことです。 3番目の生海苔を食べさせてもらい、ビニール袋にいっぱいお土産を頂いた。 1番、2番海苔の方が軟らかくおいしいと言っていたが、頂いた3番海苔も大変風味があって美味しく頂きました。

2019年1月6日 梵天立てまつりが早朝にあった。 到着が遅れてしまったので後片付けを手伝ったが、昨年も手伝ったので覚えていてくれた。 漁民は”石炭は環境負荷高いんだっぺ“、”なんでいま石炭なんだ“、”石炭火力は出来ないだろう“ と言い、石炭火力建設に迷惑顔でありました。

▼ 工場で働く職場の仲間の話から
若いころ堤防で釣りをしていると漁船が寄せてきてバケツに貝とかをタダで入れてくれたことがあったと言う、それだけ海が豊かで漁民の方にもゆとりがあったという証拠です。今は伝説

▼ 組合長との話
いままで何度かお会いし、豊穣の海の時代からの話をまとめれば以下のとおり
・昭和20年代から東京湾の破壊が始まって今日に至っている、皆さんの訪問と対応は遅すぎる。
・すでに環境が壊れたなかで漁業での生活は成り立たない、昔は50cm-1mの魚がたくさん獲れたが今は獲れなくなった。
・海苔は海水温度上昇で遅く網張り、早く手じまいになり栽培期間が短くなったし、品質が落ちた
・以前はアサリは盤洲アサリというブランド物で養貝場がいっぱいあり。どこでもごっそり獲れ、貝が“ぐつんでいた”      ( 砂の中に貝が隙間なく混んで生息している状態 )
・その状態から海岸埋め立て用の土砂を海底から掘ったためにできた窪地穴にプランクトン死がいが堆積し貧酸素水ができ、風が強く吹いたときに流れてくる。 夢の島、海の森、アクアラインみな人工物が環境に影響している。
・昔、海面すれすれに顔を夜に近づけるとクルマエビの赤い眼が光って見えた、バカ貝はひと樽13kg入ったものが100樽も獲れ、ハマグリ買い付け船が浜まで来ることができず、沖合で取引をした。 それほど貝の量がすごかった。
現状は
富津の海苔も不作だがここの海苔も良くない、この寒さと雨とか変化があれば改善するかもしれないが天候次第だ
貝はいま昼間が潮位高いのでどのくらい育っているのか正確には分からないが何年も良くない状態が続いている
・金田漁協組合員も係船数117隻、1000名居たが今は540名となった、700軒あった海苔栽培が32軒に減った。
・自分の仕事は本来、漁協経営だが食えなくなった漁民の面倒見も仕事になってきている
千葉・浦安からの汚れた水と逆に澄んで一見水質が良く見える水が品質の良い黒い海苔ができなくしている。水に本当の栄養が少なくなった。 海苔もアサリも生き物なのでプランクトンが湧いて濁っている水がいい水なのだ。生き物はわずかな環境の差で育たない。

▼ 次に富津地区の状況をお話します。
 富津半島には3つの漁協があります。富津半島の内湾側は袖ケ浦や富津火力や新日鉄からの温排水影響を受けますが外湾に面している側は比較的に新鮮な海水の入れ替わりがある関係で、内湾のような温排水影響が少ない代わりに、黒潮からの影響の大きい環境です。
外洋水に近い環境で海苔が育つか?という意見もあったなかで栽培してみると育つがこのところ収穫量が激減している。
 県の調査で通常房総沖を流れる黒潮が蛇行し外湾に侵入することで海苔の成長に適した温度からはずれてしまうとか、海水中の栄養ミネラルが足らなくなっているのではないかとか、魚が海苔を食べたためとか諸説あるようですが木更津地区で以前から起こっていたことと同じで海水温度の上昇が最大の理由ではないでしょうか?

▼ バカ貝、アサリの減少
 1950年当時、新舞子海岸など海水浴に海に入ると足の裏に貝があることが分かり潜って簡単に取れたものです。 いまではその貝もほとんど捕れないとのことでこれも木更津地区に起こった現象と同じです。 このように内湾漁業も外湾漁業も海の環境変化、つまり海水温度の上昇が大きく漁民の生活を左右しているのです。          ――冬季水温と収穫量との関係――

▼1985年45023トンから2010年234トンと195分の1に激減

 東京湾の冬季水温も著しく上がってアサリが激減していることから因果関係があると言えるでしょう
そして私どもが次亜塩素酸ソーダの有害性をJERAによる環境影響評価文書の説明会で
“発電所取水に次亜塩素酸ソーダを注入することは、さらに漁業者の生活を破壊すること”

と訴えても御社には 馬の耳に念仏。傷口に塩をこすりつけるように五井火力評価書にも次亜塩素酸ソーダを注入すると書きました。情けない限りです。

★ 最後に
 人間は食べて生きています。食べることは基本であり、幸せそのものです。昼休みの時間、食堂に向かい歩く時間と食べている時間に幸せを感じませんか?
 その食事の材料は海と田畑から来ます、海と田畑で汗を流す人のおかげで幸せを感じるのだから
私たちは食べ物と食べ物を提供してくれる人を粗末にして儲けることは良くないことと私は思う。
私たちは漁民と農民を目下に考えてはいけません、食べるときは漁民農民の苦労を思い起こし、生き物の死が自分の生であることを理解すべきです。
是非もう一度、事業における普遍的な思想を思い起こして頂きたいと思います。

そして横須賀に石炭という公害のデパートの石炭火力発電所を作ることは海と漁民に生活を壊すとともに、長年にわたり、地球にCO2を増やし気候変動災害で全世界の市民を苦しめ国土を荒廃させ、国力を低下させることを理解してください

◎ 写真・統計図表、創業者の言葉など、残念ですが編集が困難なので割愛しています。ご了承ください。 kawakami





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