「海側区画整理事業の問題点を考える」 1 [区画整理事業]
◎「みなす課税」誤りに疑念
11月23日のブログで「袖ヶ浦市課税の誤り」というブログを書いた。このことについて「あやまちては改むるに憚ること勿れ(論語)」と私は書いた。それは「善意での誤り」と思ったからである。また一般質問で「粕谷議員がこの問題を取り上げている。市民に不審が残らぬよう公表経過に至るまで詳細な追及を期待している。」とも書いておいた。今後の発展を予想したからである。
再びこの問題を取り上げなければならないのは心苦しいが、粕谷議員の追及のおかげで、細部にわたって問題点がある程度明らかになったことと、その結果、市長はじめ関連職員間で行われた意思決定に疑点がわいてきたこと・・等から、再度経過についての確認をしたいと思う
今回の間違った課税について、わかりやすく書くと、その過ちの原因は2点ある。
① 課税に当たっては1月1日を基本にすること。1月1日を過ぎたものは翌年以降になるということ。ここでは平成27年1月1日がカギである。
②「みなす課税」という言葉を誤って理解し、法令細部についての認識が欠けていたか、あるいは知っていて強行したのか。
土地区画整理事業では、地権者の土地の区画形質の変更。公共施設等の土地として提供し、代わりの土地と交換することが、通常行われる。このとき交換した土地が完成するまで相当の日時がかかる。この間の土地はまだ正式な登記はされてないので、これを「仮換地」と呼ぶ。この「仮換地」での公共用工事が終了すると(例えば道路・上下水道等)「使用収益が可能(使い物になる)」となる。市ではこの「使用収益可能の日」から課税できると考えた。だから道路も上下水道もすべて予定通り完成する「収益可能の日」が、26年12月31日だ。だから27年度分の課税をしたという。
ところがどっこい・・「使用収益可能」の日を決定し、地権者に周知するのは市ではない。組合が行うことになっている(土地区画整理法99条2項)。組合では手続きが20日間遅れることを市にあらかじめ通知している。だから法律上は地権者に届いたのは1月20日だということになっている。そうだと1月1日は過ぎているので、27年は課税できないわけだ。それなのにしてしまった。
粕谷議員は、「たった20日間のために1年間税金が取れないのは残念という意識がなかったか。意思決定はどのようになされたのか」と質問された。これはきつかったに違いない。「決してそういうことはありません」一辺倒の答弁であった。
それで意思決定時の庁議議事録を見る。これは平成26年7月28日の議事録である。(全文は長いので興味深い文言を提示する)
当日の出席者・出口市長、山口副市長、 企画財政部・長谷川部長、宮嶋次長、分目参事、小倉参事・・
都市建設部・小幡部長、立野次長、大野室長、室田主任主事・・以上10名である。
冒頭都市建設小幡部長の発言
「都市建設部では、平成26年12月までに使用収益開始に向けて、区画整理事業や、関連工事等の調整を図ってまいりましたが、組合からは平成27年1月20日から使用収益開始予定という回答をいただいている。そこで今後の課税の取り扱いについて共通認識を図りたいと思い、お集まりいただいた。」
(途中での発言)
「組合は平成28年1月1日を課税評価として、平成28年度より通常課税を考えているようである。都市建設部としても20日間で1年間課税が遅れてしまうため、年内(平成26年12月ごろ)の使用収益開始が望ましいが、その工程では難しいと組合では言っている。」
山口副市長
「組合員は使用収益の開始により課税と考えているのでは?これまでにこのような回答はしていないのか?」
小倉参事
「課税課の考えとしては実態として使用できる状況にあるならば、平成27年度より課税を行う方向で進めたい」
立野次長説明の中に
「平成26年7月21日開催の総代会での 前議員からの質問内容を説明。それに対し
市長発言
「組合員の前でそのような質問をされてしまうと、平成28年度からの課税ととらえられてしまうのでは? 総代会で課税の説明をきちんと行わなかったのか?」
との発言・・その後市民への説明をどうするかということで・・アンダーパス・アクアラインイベントとかかわって時期の討議あり、副市長の発言2回、市長の発言10回‥・決定における市長、副市長の責任は明確
この議事録からは、2点のことが浮かび上がってくる。
① なんとしてでも、26年度から課税したいという参加者の意志がありありと浮かぶこと。その証拠にひとりも反論なし。
② 善意の誤りではなく、法令を知ってはいたが、ごり押ししても通るであろうという意思が働いていたのではないのか
当初からの市の課税強行の方向確認と、細部法令無視が明らかになった会議の流れであるとしか読み取れない。特に、市長、副市長の発言は地権者に真実隠蔽を勧める内容である。責任は重大としか言いようがない。
幸いにして、地権者約400名と言われているが(詳細不明)その中のただ一人の地権者の、精密な調査活動と勇気ある取り組み、そして、その調査結果を受けて、総代会で発言された黒塗りの前議員の追及発言により、県、国への照会が実現し誤りが確定した。精査健闘された地権者の努力に心からの拍手を贈りたい。
この結果、誤りによる返還額の詳細が発表されている。
対象地権者・290名 筆数・455筆 対象面積 185.163㎡
多く課税していた税額 約4800万円 (固定資産税 4300万円 都市計画税 約500万円)(千葉日報)
このほか国民健康保険税等も、固定資産税の資産税割というのがあったりして、細かな計算がほかにもあると聞いている。冒頭に書いた「善意での誤り」ではなく、限りなく「知っていてごり押しした悪意のある法令違反」の疑いが濃厚になったのである。
市役所OBのこの問題に対するコメント
「海側開発には、巨額の市税を投入しているので、一刻も早く回収したいと思う税当局の考えは、わからなくもないが、絶対原則である1月1日をさかのぼることは許されないことだ。どうせ市民にはわからないことだろうから、イケイケドンドンは市民侮辱も甚だしい。議事録に反論がなかったことも情けないことだ。市長、副市長の完全な判断ミスである。責任は重大だ!」 (この稿続く)kawakami
11月23日のブログで「袖ヶ浦市課税の誤り」というブログを書いた。このことについて「あやまちては改むるに憚ること勿れ(論語)」と私は書いた。それは「善意での誤り」と思ったからである。また一般質問で「粕谷議員がこの問題を取り上げている。市民に不審が残らぬよう公表経過に至るまで詳細な追及を期待している。」とも書いておいた。今後の発展を予想したからである。
再びこの問題を取り上げなければならないのは心苦しいが、粕谷議員の追及のおかげで、細部にわたって問題点がある程度明らかになったことと、その結果、市長はじめ関連職員間で行われた意思決定に疑点がわいてきたこと・・等から、再度経過についての確認をしたいと思う
今回の間違った課税について、わかりやすく書くと、その過ちの原因は2点ある。
① 課税に当たっては1月1日を基本にすること。1月1日を過ぎたものは翌年以降になるということ。ここでは平成27年1月1日がカギである。
②「みなす課税」という言葉を誤って理解し、法令細部についての認識が欠けていたか、あるいは知っていて強行したのか。
土地区画整理事業では、地権者の土地の区画形質の変更。公共施設等の土地として提供し、代わりの土地と交換することが、通常行われる。このとき交換した土地が完成するまで相当の日時がかかる。この間の土地はまだ正式な登記はされてないので、これを「仮換地」と呼ぶ。この「仮換地」での公共用工事が終了すると(例えば道路・上下水道等)「使用収益が可能(使い物になる)」となる。市ではこの「使用収益可能の日」から課税できると考えた。だから道路も上下水道もすべて予定通り完成する「収益可能の日」が、26年12月31日だ。だから27年度分の課税をしたという。
ところがどっこい・・「使用収益可能」の日を決定し、地権者に周知するのは市ではない。組合が行うことになっている(土地区画整理法99条2項)。組合では手続きが20日間遅れることを市にあらかじめ通知している。だから法律上は地権者に届いたのは1月20日だということになっている。そうだと1月1日は過ぎているので、27年は課税できないわけだ。それなのにしてしまった。
粕谷議員は、「たった20日間のために1年間税金が取れないのは残念という意識がなかったか。意思決定はどのようになされたのか」と質問された。これはきつかったに違いない。「決してそういうことはありません」一辺倒の答弁であった。
それで意思決定時の庁議議事録を見る。これは平成26年7月28日の議事録である。(全文は長いので興味深い文言を提示する)
当日の出席者・出口市長、山口副市長、 企画財政部・長谷川部長、宮嶋次長、分目参事、小倉参事・・
都市建設部・小幡部長、立野次長、大野室長、室田主任主事・・以上10名である。
冒頭都市建設小幡部長の発言
「都市建設部では、平成26年12月までに使用収益開始に向けて、区画整理事業や、関連工事等の調整を図ってまいりましたが、組合からは平成27年1月20日から使用収益開始予定という回答をいただいている。そこで今後の課税の取り扱いについて共通認識を図りたいと思い、お集まりいただいた。」
(途中での発言)
「組合は平成28年1月1日を課税評価として、平成28年度より通常課税を考えているようである。都市建設部としても20日間で1年間課税が遅れてしまうため、年内(平成26年12月ごろ)の使用収益開始が望ましいが、その工程では難しいと組合では言っている。」
山口副市長
「組合員は使用収益の開始により課税と考えているのでは?これまでにこのような回答はしていないのか?」
小倉参事
「課税課の考えとしては実態として使用できる状況にあるならば、平成27年度より課税を行う方向で進めたい」
立野次長説明の中に
「平成26年7月21日開催の総代会での 前議員からの質問内容を説明。それに対し
市長発言
「組合員の前でそのような質問をされてしまうと、平成28年度からの課税ととらえられてしまうのでは? 総代会で課税の説明をきちんと行わなかったのか?」
との発言・・その後市民への説明をどうするかということで・・アンダーパス・アクアラインイベントとかかわって時期の討議あり、副市長の発言2回、市長の発言10回‥・決定における市長、副市長の責任は明確
この議事録からは、2点のことが浮かび上がってくる。
① なんとしてでも、26年度から課税したいという参加者の意志がありありと浮かぶこと。その証拠にひとりも反論なし。
② 善意の誤りではなく、法令を知ってはいたが、ごり押ししても通るであろうという意思が働いていたのではないのか
当初からの市の課税強行の方向確認と、細部法令無視が明らかになった会議の流れであるとしか読み取れない。特に、市長、副市長の発言は地権者に真実隠蔽を勧める内容である。責任は重大としか言いようがない。
幸いにして、地権者約400名と言われているが(詳細不明)その中のただ一人の地権者の、精密な調査活動と勇気ある取り組み、そして、その調査結果を受けて、総代会で発言された黒塗りの前議員の追及発言により、県、国への照会が実現し誤りが確定した。精査健闘された地権者の努力に心からの拍手を贈りたい。
この結果、誤りによる返還額の詳細が発表されている。
対象地権者・290名 筆数・455筆 対象面積 185.163㎡
多く課税していた税額 約4800万円 (固定資産税 4300万円 都市計画税 約500万円)(千葉日報)
このほか国民健康保険税等も、固定資産税の資産税割というのがあったりして、細かな計算がほかにもあると聞いている。冒頭に書いた「善意での誤り」ではなく、限りなく「知っていてごり押しした悪意のある法令違反」の疑いが濃厚になったのである。
市役所OBのこの問題に対するコメント
「海側開発には、巨額の市税を投入しているので、一刻も早く回収したいと思う税当局の考えは、わからなくもないが、絶対原則である1月1日をさかのぼることは許されないことだ。どうせ市民にはわからないことだろうから、イケイケドンドンは市民侮辱も甚だしい。議事録に反論がなかったことも情けないことだ。市長、副市長の完全な判断ミスである。責任は重大だ!」 (この稿続く)kawakami
2017-12-28 14:59
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