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不思議の国へ~障碍者差別解消法施行1年~ [障害者問題]

「障碍者差別解消法」施行1年。私の友人が経営している「白老町手をつなぐ育成会」発行「ほほえみ」第247号(2017年4月号)から、この号に掲載された「不思議の国へ」という今順子さんの手記を今日は紹介したいと思います。Kawakami

不思議の国へ
  
 私は過去に1年間『精神科』という不思議なクニに滞在(入院)したことがあります。
というより、医者との疎通が取れず、強制的に収容されたと言った方が、ぴったりするかもしれません。

『精神科』への入院は、私にとっては、まさに未知の世界。不安な1年の幕開けが始まったのです。私の病名は「反射性交感神経症ジストロフィー」と言って、原因も分からず、治療法もない病気です。特徴として全身にやけどの時のようなじりじりした痛みがあることと、足の爪がまるで伸びないことです。全身の痛みが強くなると、首から下の機能がすべて動かなくなるという、まったくもって厄介な、不可解な病気なのです。

 原因も治療法もないということでまわされた病院も8カ所、最終的に回されたのが、ストレッチャーのまま『精神科』という不思議なクニの入り口でした。医師との話の中で、私の説明を理解してくれず「そうではない、こうなんです」というと「反抗的」と言われ、全身の痛みを訴えると「ヒステリー」と言われ、納得のいかないままの強制収容となったのです。

 私にとって『精神科』の門戸は初めての経験でした。M病院の、南病棟の3病棟。そこの病棟は、大きな扉がついていて、自由・勝手に出入りができないようになっていました。

 私は、ストレッチャーのままの入院だったので、即、鉄格子のついた「隔離病棟」という、摩訶不思議な部屋に入ることになったのです。「なぜ?・・・?なぜ?・・・」泣きたくても涙をふくこともできないので泣くことはあきらめました。(続く)


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